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プレミアムヘルメットで世界シェア6割!!SHOEIへの長期投資を考える。
こんにちは!TAKAです。
今回は、ブレミアム(高級)ヘルメットという分野で世界シェア6割を誇るSHOEI(ショーエイ)への長期投資について考えてみました。
街中を走っているライダーが"SHOEI"のエムブレムの入ったヘルメットをしているのを見かけた事はありませんか?
よくドラマや映画などで使われるので、そちらで記憶にある方もいるかもしれません。
また、"SHOEI"のヘルメットは世界のバイクレースの本場のヨーロッパでもよく使われています。
長年かけて培われた”SHOEI”のブランド力がバイクレースの本場であるヨーロッパの人たちにも届いているという事実には同じ日本人が作りあげた業績として誇らしい気持ちになります。
世界シェア2位は"Arai(アライ)"というこれも日本のヘルメットメーカーで世界シェア3割。
プレミアムヘルメットのセクターは日本勢で世界シェア実に9割。
ほぼ寡占状態の市場だと書いても過言ではないでしょう。
2024年1月5日現在のSHOEIの株価は1891円。(東証プライム市場:7839)。
PERは14.9倍、PBRは3.72倍、利回り3.3%、信用倍率は7.38倍です。
時価総額は1016億円。2023年9月期の売り上げ高が336億円、営業利益が98億円、当期純利益が70億円。
総資産328億円、純資産271億円、自己資本比率82.7%。
〇この記事を読んで得するポイント
SHOEIの歴史について詳しくなる。
プレミアムヘルメットとSHOEIの今後の可能性について知る事ができる。
SHOEIの業績について詳しくなれる。
SHOEIのブランド力の秘訣について詳しくなれる。
世界シェアトップを走る日本のバイクメーカーたち
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コロナ禍でのバイクブームで、2021~2023年にかけ盛り上がりを見せたバイク市場。
「世界二輪車統計年刊 2023」によると、2022年の世界シェアは1位がホンダで33.8%,2位がインドのニューデリーに本拠を置くバイクメーカー、ヒーローモトコープ社で9.6%,3位がヤマハで8.7%,日本の他メーカーでは8位にスズキがランクインしており、3.4%でした。
日本勢の世界シェアは3社合計で実に45.9%で、世界一です。
それだけ日本製のバイクの世界シェアが高いという事は、バイクといえば日本だ、という世界規模での認知度の高さがあります。
そして、ヘルメットは大事なライダーの命を守るためのもの。
バイクの販売台数の多い国は必ずヘルメットも普及していきます。
中でもプレミアム(高級)ヘルメットは購買層の収入が比較的高く、ある程度裕福になった国で流通が多くなるという特徴があります。
つまり、バイク販売が好調な国は長期的にじょじょにバイクヘルメットが普及していき、続いてプレミアムヘルメットも普及し始めます。
日本のバイクメーカーが歩んできた道には、”SHOEI”や"Arai"といったヘルメットメーカーが続いていくのです。
オートバイ日本勢の歴史
オートバイに限ってみても、当時世界最高の2輪車レースと言われていたイギリスの「マン島TTレース」で、1961年にホンダが125CCクラスで初優勝しました。
歴史的にヨーロッパのオートバイメーカーが優勝の多くを飾ってきたこのレースで、日本のメーカーが優勝したことは画期的でした。
日本製オートバイの性能が先進諸国に追いついたことの証となり、二輪車の国内での普及とともに輸出増加の契機となりました。
このような時代背景の中で、二輪乗車用ヘルメットの需要が高まりました。
〇マン島TTレースとは?
マン島TTレース(マンとうティーティーレース、英:The Isle of Man TT )は、1907年からイギリス王室属国のマン島 (Isle of Man) で開催されているオートバイ競技である。TTはTourist Trophy(ツーリスト・トロフィー)の略称。
競技は世界最古の議会で『青空議会』としても知られるマン島議会ティンワルドが制定した公道閉鎖令に基づき公道を閉鎖して行なわれる。2023年現在で260人以上の参加者が死亡しており、世界で最も危険な競技とも言われている。
バイクレースは過酷なレースです。
バイクはヘルメット以外の装備は肩や肘を守るパッドくらいのもので無防備な状態で乗ります。
危険度の高さはモータースポーツの中でも最高レベルなのではないでしょうか。
そのような過酷なバイクのレースシーンで最も信頼されて使用されている”SHOEI”。
それはマン島TTレースという世界最高峰のレースから続く伝統の賜物なのです。
一度倒産したヘルメットメーカー
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ところがそれから間もない1992年5月に昭栄化工は資金繰りに行き詰まり、会社更生法申請に至ります。
債権者である原料メーカーから三菱商事【8058】に再建の依頼があり、山田勝さんが三菱商事からの出向という形で管財人に就任します。
山田さんは昭栄化工の現場を見て回り、経費の無駄使いや過剰設備、過剰在庫など管理不在を目の当たりにしますが、一方でそのような状態でも売上を上げている商品の強みも感じます。
山田さんは管財人として更生計画を裁判所に提出し、計画が認可されると昭栄化工の代表取締役社長として計画実行の責任者となります(その後山田さんは三菱商事を退職し、昭栄化工に転籍しました)。
再建にあたっては東京工場を廃止し、本社を上野の賃貸ビルに移すなどのリストラ策を実行する一方、経営管理や生産管理の導入などで経営合理化を図りました。
こうして危機的状況を脱した後、ヨーロッパを中心とした輸出に注力するとともに、プレミアムヘルメット、つまり高級商品路線に舵を切った戦略も成功し、1998年3月には計画よりも早く会社更生手続きを完了します。
そして同年5月に商号を「株式会社ショウエイ」に変更し、さらに12月に現在の「株式会社SHOEI」に変更します。
これが、名実ともに生まれ変わった「SHOEI」の新たなスタートとなりました。
「倒産」というと聞こえはあまり良く無いですが、SHOEIは1954年にポリエステルメーカーとして創業し、現在へと続く70年という長い歴史の中で、経営が行き詰まってしまった過去を糧にして成長してきました。
SHOEIの他に倒産から見事、再生を果たした企業の例は日本にいくつかあります。
2003年に破綻に追い込まれたハウステンボス。
2010年に会社更生法を適用されたJAL。
ハウステンボスはHIS創業者の澤田秀雄さんによって経営再建を果たし、JALは経営の神様と呼ばれる稲盛和夫さんによって復活しました。
SHOEIもまた、日本のバブル崩壊と共に倒産という憂き目を見、そして元三菱商事の山田勝さんによって見事、再生を果たしたのです。
プレミアムヘルメットとSHOEIの可能性
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世界のバイク市場の今後
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画像:https://www.nikkei.com/article/DGXLRSP612509_W1A610C2000000/
矢野経済研究所による世界の二輪車市場に関する調査結果によると世界のバイク市場は2030年まで微増です。
バイクの生産台数こそ伸び悩みますが、後述するようにバイクヘルメットの需要は今後伸びていきます。
バイクヘルメットの市場規模予測
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バイクヘルメットの市場規模予測は、ビジネスリサーチインサイトによるとCAGR(年平均成長率)は2.45%で着実に伸びていくと予想されます。
プレミアムヘルメットの市場規模予測
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モーターインテリジェンスのプレミアムヘルメットの市場規模予測によると、CAGR(年平均成長率)は6.81%。
特にアジア太平洋地域での拡大が見込まれています。
つまり、プレミアムヘルメットで世界シェア6割を誇るSHOEIは市場における長期潮流を確実に捉えていると言えるのではないでしょうか。
スマートヘルメットの登場
〇スマートヘルメットとは?
スマートヘルメットとは、情報を映し出すHUD(ヘッドアップディスプレイ)を備え、スマートフォンとのコネクト機能を持ったヘルメットのこと。 スピーカーやマイクも内蔵しており、音楽を聴いたりヘルメットを被ったまま通話したりもできる
最近ではyoutubeなどでスマートヘルメットを使ってツーリング中に会話を楽しんでいる様子をよく見かけます。
車やバイクがどんどんハイテク化していく中でバイクのヘルメットも進化していっているのです。
ツーリング時にブルートゥース通信で接続出来れば、ルートや渋滞情報、ガソリンスタンドなどツーリング仲間同士で情報を共有する事が出来、とても便利。
また、ユーザー自身のヘルメットをスマートヘルメットに変身させるマウント型のデバイスも登場しています。
安全規制がヘルメットの需要を牽引
交通事故に関するUNECEの調査によると、二輪車のライダーが交通事故で死亡する確率は乗用車のドライバーの26倍である。適切なヘルメットを着用することで、生存率は42%向上し、ライダーの負傷の69%を避けることができる。
オートバイの衝突事故では、硬い物体に直接 接触したり、過度の加減速の結果、頭部を負傷 することがある。外傷性脳震盪の大半は、開放創がない場合 の閉鎖性頭部外傷の結果である。モーターサイクル用ヘルメットは、あらゆる種類の頭部損傷のリスクを最小限に抑えるように設計されている。ヘルメットの保護効果をテストするために、ヘルメットの規格と規制が策定されている。
オートバイ用ヘルメットの安全規制当局は、ヘルメットメーカーが顧客に最も安全なヘルメットを提供し、頭部の負傷を避けることができるよう、ヘルメットメーカーの安全基準の更新に携わっている。過去3年間は、市場の成長にとって好都合であった。地域政府のイニシアティブによって安全基準が引き上げられ、ヘルメット事業にとって好都合であることが証明された。
ノーヘルで走るタイのバイクタクシーとか、今でこそ当たり前のようにあるのが東南アジアですが、さすがにこれはいずれ規制されるでしょう。
つまり、世界のバイク市場の伸びは当面のあいだ横ばいですが、バイクヘルメットの市場は安全規制の強化により伸びていくと考えられます。
また、プレミアム(高級)ヘルメットは技術面で参入障壁が高いため、価格競争になりにくく、シェアが変動しづらいという側面があります。
プレミアムヘルメットの市場は購買層である中間所得層が増え続ける限り、伸び続けるのではないでしょうか。
SHOEIの可能性
SHOEIはプレミアムヘルメットの分野で世界シェア6割という圧倒的なシェアを誇っており、価格競争力が強いメーカーです。
今後、プレミアムヘルメットの市場規模予測どおり、6.81%の成長率で成長していくとするならば、SHOEIには、まだまだかなりの成長余地があると見込めます。
また、スマートヘルメットの登場により、プレミアムヘルメットの需要は将来も伸びると予想され、今後のSHOEIへの投資妙味は高いと言えます。
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