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『お金の正体』松本大

今回は、最近読んだオススメ本について。マネックス創業者の松本さんによる久々の著書です。

松本さんといえば起業家であり経営者として大変有名な方ですが、人気アナウンサーとの結婚や、昨年のコインチェック買収など、時々大きなニュースで注目を集めていますね。

私は以前から松本さんの人生観、キャリア観や仕事術などに関心をもっていましたので、これまでも何冊か著書を読んで少なからず影響を受けていました。

今回も「お金の正体」という、なんとも興味をそそられるタイトルだったので即購入。語り口調でスイスイ読める一方で、彼独自の鋭い切り口でいくつかの側面から、お金についての彼の想いがつづられています。

まず、お金の基本3要素が「信頼」「価値」「想い」と。これまで私が慣れ親しんだ貨幣論でいうところの3要素は「価値の尺度」「価値の貯蔵」「価値の交換」だったが、松本さんなりの切り口、特に「想い」が最も新鮮かつ腹落ちしたキーワード。そしてその観点から、日本人の金融資産残高の過半が銀行預金に眠っている状態は「想い」を銀行にゆだねている状態にすぎず、それでは個人の達成感や幸福感につながりにくいのではと指摘しています。

ビジネススクールでも、人生とお金の関係についてはよく語られるトピック。「ヘドニック・トレッドミル」の議論は有名ですが、金と名誉に走りすぎて人生の大切なものを失うなよ、という忠告はよく聞いたものです。

また先日は海外出張の機内で「億男」という映画をみました。お金の価値は各自が決める、自分の人生をお金に振り回されてはいけない、そんなメッセージだったように感じました。

村上世彰さんの「お金儲けは悪いことですか」という発言が象徴的ですが、日本ではこれまで、お金についてのオープンな議論が憚られる空気がありました。私も親がかなり保守的で、借金(住宅ローンも含む)一切しない、クレジットカードも借金のようなものなので絶対に作らない、という極端な環境で育ちました。

もちろん強欲にただただ金儲けを追求するのは私もどうかと思いますが、正しいリテラシーを身につけて自分の人生をハッピーにするためにお金についてしっかり考えていくことはとても重要なことだと今感じています。個人的にはクレジットカードもばんばん使いますし、住宅ローンも組んでいます。貯蓄も多くはありませんが、そのかなりの部分は投資に回しています。社会人になり、MBAでファイナンスの基礎を学び、家族を養っていく責任を負い、また自分の老後についても考えなければならない、そんなステップを踏みながらお金に対する自分の考え方や感度を高める努力を少しずつしています。

松本さんは根っからのトレーダー、つまり投資のプロなので、彼の著書を読むと所々に投資術のヒントみたいなことも紛れ込んでいるので、勉強になります。「お金の正体」ではもちろん仮想通貨やブロックチェーンの可能性についてもがっつり触れられています。いま彼が一番主張したいのはこの分野なのかな?

締めくくりに、お金について論じている類書で個人的にオススメのものを以下ご紹介しておきます。(アマゾンのリンクがうまく貼れなかったのでご容赦ください。。)

『これからを稼ごう: 仮想通貨と未来のお金の話』堀江 貴文 (著), 大石 哲之 (監修) 

『お金2.0 新しい経済のルールと生き方』佐藤 航陽 (著) 

『お金という人生の呪縛について』松本大 (著)

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