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(MBA組織行動学その2)ヘドニック・トレッドミルから考えるキャリア
週末にnoteを読んでいたら、こちらの面白い記事を見つけました。
ヘドニック・トレッドミルと呼ばれる心理現象に近いですね。「ヘドニック」は快楽なんて訳されるようで、「トレッドミル」はジムにあるランニングマシーンのことです。快楽はいずれ慣れてしまうので、もっともっと、とどんどん先の快楽を欲してしまうというものです。
収入については上がれば上がるほど幸せが増していくわけではなく、ある段階から幸福度の上昇カーブは急に緩やかになると言われています。一説によるとその頭打ちは年収900万円くらいなんて言われたりもします。
実感として、東京都心で家族と住もうと思ったら年収1,000万円でも余裕のある生活はあまりできないのではないでしょうか。。
結局のところ年収が上がると気づかぬうちに生活レベルもあがってしまうものです。自分はそんなことない!生活水準は上げずに絶対キープで貯金しまくるんだ!!なんて私も若い頃は思っていましたが。結婚して、子供が1人でき2人でき、転職してちょっと年収アップして、なんて人生のステージが変わっていくうちに気付けばがっつり生活コストが上がってしまってました。特に住む場所が大きな要因です。
そして子供の教育のためとか、自分の通勤の便利なところ、とか考えてそれなりのエリアに住んでしまうと、周りのコミュニティ(たとえば子供の同級生のパパママたち)はもっと裕福な暮らしをしていることを知らされます。世の中、お金のあるところにはこんなにあるんだなぁと驚きます。
キャリアも一緒です。自分の中で素晴らしいキャリアアップができた!と思っていても、いつのまにかその環境に慣れてしまい、もっともっと、という気持ちになってまたすぐに転職機会を探ったりしてしまいます。
こういう人間の心理的な傾向を知っておくだけでも、少し冷静に客観的に自分を見つめなおして心にブレーキをかけることができます。そうすることで、不必要にみじめな思いをしなくて済みますね。
MBA教育は競争社会でのし上がっていくことを助長しがちですが、こういう自己抑制的なマインドなんかも教えてくれます。くしくも先日亡くなられたハーバード・ビジネススクールのクレイトン・クリステンセン教授もそのような趣旨での名著"How Will You Measure Your Life?"を書かれています。
私は年末年始に、新年の自分への戒めとして「足るを知る」という言葉を改めて心に刻みました。お金もキャリアも、焦って拙速に行動して良いことはありません。
というわけで、第三者によるキャリアコーチングはとても有効だと考えています。まだ残枠ございますのでご関心のある方はご連絡ください:)