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ネトウヨはなぜ統一教会とベッタリの安倍晋三の批判をしないのか、考察してみた
『愛国ビジネス』という名の商売があり、『ビジネス右翼』という連中がいる。安倍晋三が逝去してからは衰勢に向かいつつあるが、存命だった頃、特に安倍氏が権力を掌握していた時期は、最も隆盛を極めた。
安倍晋三という存在は、日本にとって救世主でも何でもなかった(事実はむしろ日本の癌であった)が、『商業右翼』にとっては救世主であり、神であった。安倍晋三という名の下で日本を礼賛し、隣国を叩き、野党を揶揄っていれば、出版物は売れ、動画を配信すれば高収益が入った。
お金に困っていたケント・ギルバート氏が転向して、見事復活を果たした例などは、『商業右翼』の典型である。彼にとって安倍晋三はまさに救世主そのものだった。
〈ケント・ギルバートはなぜ突然ネトウヨになったのか? 背後に右派人脈とビジネスのにおい〉
https://lite-ra.com/i/2015/12/post-1766-entry.html
かつて高邁な(?)教育思想を持っていたかのような籠池泰典氏が安倍晋三の名を借りたのも、目的はカネのため、自身の学校経営のためであった。安倍晋三という権力の笠を着ていれば、土地が格安で手に入り、学校の宣伝にもなった。(しかし現実には安倍にシッポをちょん切られ、檻の中に入る運命となった)
『ビジネス右翼』は、彼らの『商売』のため、安倍晋三の「負」の側面には目を瞑った。…というよりも彼らは「負」を認めるわけにはいかず、妄想による反論で事実を捩じ伏せた。
「負」の側面とは、まさに本物の愛国者なら嘆き、怒りを覚えるような以下の点である。日本経済の衰退、円の価値を貶める円安誘導、北方領土問題の大いなる後退、拉致問題の無進展、外国人観光客や外国人労働者の拡大、(死後に知れ渡った)韓国統一教会との密接な関係などである。
もう一つ、「負」の遺産ということでいえば、日本人のモラルの崩壊や、日本人の心の劣化というのも、安倍の影響のうちの一つであった。「美しい日本人の心」などと言っていた安倍支持者こそが、隣国を口汚く罵り、反対派や知性人たちを冷笑して、日本と日本人を貶めていたのである。
さて、表題の《ネトウヨはなぜ安倍晋三の批判をしないのか》、である。ネトウヨたちは、日本経済の価値を下げ、名目GDP を下げ、少子高齢化に歯止めをかけなかった安倍政権を批判しない。それどころか、天皇を侮辱する韓国の統一教会とべったりであっても、なぜか安倍晋三を批判しない。
これは、安倍晋三の恩恵を受けた『商業右翼』たちが、まず、これらの「負」の遺産を批判しない、批判できないことと関係している。安倍晋三という救世主のおかげで収入を得てきた右翼インフルエンサーたちは、いまさら自説を覆すことができないからだ。そして、その「消費者」側にあたるネトウヨたちは、これまでずっとそうであったように、「商売主」=右翼インフルエンサーたちに従う他ない。
「商売主」はこのように語る。「安倍には負の側面があったとしても、それ以上に日本国にとっては偉大な恩恵をもたらした」と。実際に潤ったのは、自分たちの懐だけであるのに、消費者であるネトウヨの耳に届くのは、「商売主」の声や、自分たちの声の「エコー」だけであって、「これっておかしくない?」という自身の心の声は、それらに掻き消されてしまう。安倍の恩恵などというものは実際には存在せず、デマ、もしくは単なる印象操作に過ぎないのだが、その幻によって、「天皇と日本国を貶める統一教会との親密な関係」という、安倍の重大なる汚点を見過ごしてしまうのである。そして彼らは中国人やクルド人の多さに怒っても、彼ら外国人の流入を進めたのが安倍であったことには目を閉じて耳を塞ぐ。
つまり《ネトウヨ・エコチェン動物園》の檻の中では、どんな動物も異論を唱えることができず、ただ黙々とエサを食べ続けるしかできないのだ。
すなわち安倍晋三という太陽の周りを回っていた「自称愛国者」、「ネトウヨ」という星々を繋ぐ「重力」とは、ただ単に「カネ」に他ならなかったのであり、「カネ」が絡んだ「偽装愛国者」にとって、もはやそこに愛国「心」は存在しないのである。