KくんとRくんのこと



備忘録。
今年の正月もわけあって一日、Kくんと過ごした。
もう中1。知り合ったのは5歳の時だから7~8年の付き合いになる。
初めて友達のRくんを連れてきた。同じ中1。
同世代と遊ぶのが苦手だった幼いころのKくんを思うと、彼が「友達」を連れてきたということがすでに感慨深い。
よかったな。
 
Kくんは変声期を迎え、会う度に違う声になっているけど、某グローバル企業のハンバーガー店の近くに来ると、「なんかおなかすいたなー」って言い出すのは昔から変わらない。
支援者さんからもらった千円のお年玉で「前からほしかったカードゲームを買いに行く」と言った。
 
Rくんは「いろいろあって」ばあちゃんちに住んでいると話してくれた。お母さんは「ナイチにいる」という。「ばあちゃんの古いヤツ」というスマホを俺の10倍速くらいのスピードで操っていた。KくんはRくんに自分と同じ匂いを感じたんだろうな。
 
Kくんは相変わらず、物事を観察しすぎるくらいよく見ている。良く言えば洞察力が鋭く、悪く言えば目ざとい。昔からそうだった。だからあまり「子どもらしく」なかった。しんどい環境がそうさせた、と思う。もらったお年玉の袋の中をすぐにのぞこうとしたRくんに「エー、いま中見んな!」とKくんが注意した。そういうところが、ほんとに変わらない。
 
K「お年玉でゲーム買ってRのばあちゃんち行くからさ、ファミールの所まで車で送って」
俺「ファミールってどこよ」
R「は、ファミール知らんば?」
K「ありえん」
R「終わってる…」
 
ファミール知らなかったら終わってんのか?と疑問に感じつつも、Kくんが自分から帰ると言い出すのは初めてだと思い、うれしくなった。2人はファミールの駐車場で車を降り、「じゃあねー」と言って、まるっきり普通の中学生のように楽しそうに歩いて行った。
こんな感じで自分は少しずつフェードアウトしていったらいいんだろうな、とか考えながら、車を停めた手前、お茶でも買っていこうとファミールに初めて入ったら、そこは弁当や惣菜が主張強めに並ぶコテコテのローカルスーパー。「確かに俺、終わってたかもな」と笑いがこみ上げてきて、一人でニヤニヤしながら帰った。


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