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メディアサイトの改善提案【戦略編】

メンターから課題をいただき、メディアサイトの改善提案にチャレンジしました。
今回は、デザインではなく改善提案するための戦略を振り返りとして書いていきます。


課題

ゲーム・エンタメ情報サイトIGNの日本版IGN JAPANが提供するWebサイトを改善する。
【目的】
 IGNサイトを日本ユーザーに見てもらう

【ゴール(クライアントの要望)】
 サイトの中の3つのコンテンツを改善し、3ヶ月後に成果がみたい
 →改善するコンテンツは自分で決める

【クライアントが抱える課題】
 ・日本のゲーム市場が詳しくない
 ・とりあえず、日本語と背景色を変えただけ
 ・サイトのアクセス数が少ない(ウェブトラフィックが少ない)
 ・日本のUIデザイナーはいない
 ・締め切り → 3ヶ月後に成果がみたい

プロセス

課題改善のために行った全体の流れは以下のとおり。

  1. リサーチ

  2. ユーザーインタビュー

  3. サイトに何が必要か考える

  4. 戦略を考える

  5. ワイヤーフレームの作成

  6. デザイン作成

リサーチ

調査1.どんなCMSを使っているのか?

・chromの「Wappalyzer」という拡張ツールを使ってみたが、分からなかった。
・「Teads」や「Amazon Advertising」など、多くのアドネットワークを利用していることから広告表示に力を入れている印象がある。
※Teads:動画広告プラットフォーム、Amazon Advertising:Amazon広告

Wappalyzerを使った結果

調査2.自分がそのサイトを知らなかった原因は?

課題をいただくまでは私はこのサイトの企業を知りませんでした。
そのため、自分はなぜ知らなかったのか考えてみました。

原因1.検索エンジンの上位にヒットしない
chromeで「ゲーム情報サイト」と検索しても、すぐに見つけることができませんでした。自分のブラウザでは上から29番目(3ページ目)で見つけることができましたが、普段の検索で3ページ目まで見る人はあまりいないと考えています。

原因2.サイトの紹介文がない為、なんのサイトかよくわからない
検索上位にヒットしたファミ通と比較してみると、IGN Japanはタイトルの下の説明文が、何のサイトであるか書いていませんでした。
これでは、メディアサイトであることがすぐにわかりません。

chromeで検索した結果

調査3.現サイトの構成

一旦、第一階層までのページを開いてどんなコンテンツが表示されるのか確認しました。
メニューバーを見ると、7つのメニューがあり豊富な種類を扱っている印象? →この時点で、他と比較していないとその結論を出せない。

現在のサイト構成

調査4.改善する3つのコンテンツは何にするか?

課題のゴールにあげた「サイトの中の3つのコンテンツを改善」するために、以下の3つコンテンツに絞りました。

改善する3つのコンテンツ

調査に使った参考記事
離脱させないトップページの作り方
ゲームのグローバルマーケティングに必要な文化的知識
日本と海外 (アメリカ) のWebデザインの違い

調査5.ターゲットユーザーの絞り込み

ターゲットユーザーを絞るために、以下を前提条件として調査を開始しました。
【前提条件】
 ・投稿する記事の傾向(種類)はこれまでどおりとする。
 ・改善するコンテンツはゲーム関係のため、ゲームに興味のある人を中心にターゲットを絞り込む
【理由】
 ライターをいきなり変えることはできないため。また、3ヶ月という短期間で成果を出すには、既に利用しているユーザーが離れないようにしたほうがリクスが低いと考え、現状のゲーム投稿記事の傾向を好むユーザー数を増やす方向性にするため。

調査結果は以下の通り。
この結果から、私は「ゲームに興味・関心のある30代男性」をターゲットユーザーとしました。
理由としては、IGN Japanの投稿しているゲーム記事は30代男性に人気のあるゲームジャンルが最も多かったことや、スマホゲームよりSwitchやプレイステーションに関するゲーム記事が多く、これらのゲーム機は20代~30代で普及率が高いことから決めました。

ターゲットユーザーを絞るために調査した結果

調査に使った参考記事
ポストコロナ時代のオンラインゲーム市場とは?
増加するゲーム人口と、整えられていく住まいのゲーミング空間
Nintendo Switchの売上が好調な理由
PS4、PS5の購入者の最多の年齢層
ソーシャルゲームへの課金経験

調査6.ターゲットユーザーに最終どのように行動してほしいか?

調査5で決めたターゲットユーザーが、どんな行動をして、最終的に何をすることで会社の利益になるのかを考えました。

まず、私はメディアサイトをデザイン・制作した経験がないため、一般的にメディアサイトは何をすることで利益を得ているのかを調べました。
こちらの記事(ゲームメディアの収益モデルから見る課題に詳しい記載があったので、参考にしました!

大きく5種類あるらしいです。
この情報と、IGN Japanサイトで見つけた広告を照らし合わせてた結果、
主に「アドネットワーク」「タイアップ記事」「アフェリエイト」から収益を得ているのではないかと考えました。
IGN Japanでは、アドネットワークとタイアップ記事の収益形態は”インプレッション課金”というものを採用しているらしく、広告がユーザーに表示された回数に応じて料金が発生する課金方式となっているそうです。
※広告出稿ガイドは見当たらなかったため、1の広告収益はしていないと仮定しています。
参考記事

つまり、クライアントの利益につなげるためには「ユーザーがWebページを閲覧した回数」を増やすことになります。

Webゲームメディアの収益モデル
IGN Japanサイトで見つけた広告


ユーザーインタビュー

サイトの何を改善することで「ユーザーがWebページを閲覧した回数を増やす」ことができるのか、サイト改善のアイデアを得るためにユーザーインタビューを行いました。

インタビュー概要

目的:サイトの明確な課題を見つけるためのインタビュー
人数:3人
やり方:Lineであらかじめ用意した質問をしてその回答をもらう。

質問内容

1.回答する人が自由に意見を発言できるような質問。
 「このサイトをみてどう思いますか? 見やすい? 見にくい?」
2.ユースケースを確認するための質問。
 「どんなときに、ゲームサイトをみますか?」
3.(可能であれば)ニーズを聞き出す質問。
 「どんな機能があれば便利だと思いますか?」

反省

私の知り合いにターゲットユーザーとしている”30代男性”がいないため、
友達(20代女性)や親(50代)からのインタビュー結果となってしまい、
最も有効なデータを得られませんでした。
特定のユーザーに質問できるコミュニティがあれば、、、

インタビュー結果

インタビューした結果は以下のとおりです。

ユーザーインタビューの結果

サイトに何が必要か考える

ユーザーインタビューの結果をもとに、サイトに必要なコンテンツや改善すべき点を考えていきます。
つまり、何がないとサイトを見ないのか?ユーザーにとっての価値について考えます。

ユースケースでは、スキマ時間や気になる商品があったときにサイトを利用する方がいたことから、じっくりサイトを見るより短時間でサイトを見るような使い方をする人が一定数いると感じました。
また、インタビューで「どんな機能があれば便利だと思いますか?」の質問では、すぐに情報を探せる機能やランキングから今の人気を知れる機能がほしいといった声から、ほしい情報を短時間でみつけることに焦点を置いてサイト改善する方針でいこうと考えました。

上記の考察も踏まえて、価値について考えをまとめた結果が以下のとおりです。今回は、「情報が整理された利便性の高いサイト構成を提供することで、知りたい情報を見つけやすくする」ことに価値があると定義しました。

ユーザーにとっての価値を定義した結果


戦略を考える

これまでの、リサーチやユーザーインタビューから考察した以下2点を踏まえて、具体的な提案・戦略を立てていきます。

【戦略を立てるために、おさえるポイント】
・クライアントの利益:「ユーザーがWebページを閲覧した回数」を増やすこと
・ユーザーにとっての価値:「情報が整理された利便性の高いサイト構成を提供することで、知りたい情報を見つけやすくする」こと

提案・戦略

以下の手順で、クライアントに提案していきます。
1.目的・ゴールの確認(課題の定義)
2.提案のコンセプト
  この先話す内容を相手に理解してもらえるため序盤で話す。
3.ターゲットユーザー
4.問題点を伝える(問題点をターゲットユーザーから絞る)
 (改善するコンテンツ3つの紹介)
5.課題解決の提案とメリット

1.背景・目的・ゴールの確認
IGNの日本版としてIGN Japanサイトをスタートしましたが、ウェブトラフィックが少ないという経緯から、このPJでは、「IGNサイトを日本ユーザーに見てもらう」ことを目的としています。
そして、「サイトの中の3つのコンテンツを改善し、3ヶ月後に成果がみれる状態」が達成したいゴールです。

2.提案のコンセプト
このPJのゴールに向けて、「情報が整理された『利便性』の高いサイト構成を提供することで、知りたい情報を見つけやすくする」というコンセプトをもとにサイトの改善提案をさせていただきます。

3.ターゲットユーザー
改善するコンテンツを見てもらうターゲットについては、「ゲームに興味のある30代男性」と設定させていただきました。
その理由は、現状投稿しているゲーム記事は30代男性に人気のあるゲームジャンルが最も多かったことや、スマホゲームよりSwitchやプレイステーションに関するゲーム記事が多く、これらのゲーム機は20代~30代で普及率が高いことから決めました。

4.改善するコンテンツ3つと問題点
ターゲットユーザーからゴール達成のために改善するコンテンツを「ホーム(トップページ)」「ゲーム」「レビュー」の3つに決定しました。
理由としては、ホームがユーザーの興味や関心を引くと同時に離脱を引き起こす可能性があること、日本人の商品購入のきっかけの一つにレビューによるものが多いことや現状ゲーム記事が多いことから決めました。

また、ユーザーインタビューから「情報が整理された利便性の高いサイト構成ではない」ということがゴール達成に対する障害(問題)としました。
 →
ユーザーインタビューの結果、ゲームメディアサイトに求めるニーズとして、「ほしい情報を短時間で見つけられるようにしてほしい」意見がありました。また、「記事のジャンルがわからない」「一部の英語をぱっとみ理解できない」などの意見もあったことから、課題にしました。

5.課題解決の提案とメリット
情報が整理された利便性の高いサイト構成ではない。
という課題に対して、このPJでは、3つのアプローチによる課題解決をご提案します。
 ①記事にカテゴリー情報を追加する。
 ②サイトにSNSアカウントを載せる。人気記事のランキング化を行う。
 ③優しい日本語の表記にする

①については、どんな記事を扱っているのか瞬時に把握できるよう、ニュース・取材・特集・告知など、記事の内容をカテゴリー化して情報の整理に役立つようにします。
②については、ユースケースに広告やSNSから気になる商品があるときに、サイトを訪れることがあるため、クライアントのSNS発信から興味を引き出し、サイトに訪れてもらうようにします。
また、ランキングのエンターテインメント性が高いことを利用して、興味関心を引き出します。
③については、人は不安が生じるとサイトをすぐに離脱する可能性が高まるため、伝わりやすい日本語でサイトの信頼性を高めることを狙いとしています。

これら3つの解決案から、期待される効果は以下のとおりです。
・目的のページにたどり着きやすくなることから、記事を見ずに離脱することを防ぐ。
・サイトの可読性や信頼性を高めることで、早期離脱を防ぐ
・日本人に好まれるランキングを加えることで、ユーザーの興味や関心を引き出し、サイトの回遊性を向上させる。
・SNSの認知・発信によってサイトに訪れる機会を増やしたり、ランキングなどのコンテンツを加えることでメタディスクリプションを変化させてウェブトラフィック向上させる。

よって、3つのアプローチによる課題解決を行い、サイトの回遊性・ウェブトラフィックを向上させることで広告(アドネットワーク・タイアップ記事)による収益を増やします。


長くなりましたが、以上のような感じで、サイト改善の方向性、提案を考えました!

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