県岐阜商・鍛治舎巧監督の采配からヒットエンドランを考える
【問題】
相手はヒットエンドランを多用するチームです。
走者が一塁に出ました。
いつものようにエンドランをしかけてくるかもしれません。
このとき、守備側がやるべきこと、できることは何でしょうか?
【解答】
けん制球を投げる。
ボールを長く持って投球のテンポを変える。
一塁手などが「次、エンドランあるぞ」などと相手に聞こえるように声を出す。
ピッチドアウトをする。
以上のようなことが考えられます。
「そんなことは当たり前だ。誰でもわかる」と思うでしょう。
ところが、実際の試合になるとそうではないのです。観ていると、せいぜい「けん制球を投げる」ぐらいしかやりません。ボールを長く持ってスタートを切りづらくすることすらやらないのです。ましてや、ピッチドアウトをすることなど稀。ベンチからサインを出さなければ頭にもないでしょう。
なぜ、わざわざこんな問題を出したのでしょうか?
それは、秋の東海大会でエンドランを簡単に決められるチームを続けて観たからです。相手を観ていれば、エンドランをしかけてくることは容易に想像できました。僕からすれば、決められたバッテリーは、相手のことは考えず、“ただ投げているだけ”にしか見えませんでした。
では、具体的な場面を紹介していきましょう。
<東海大会準々決勝・県岐阜商対愛工大名電>
この試合、県岐阜商・鍛治舎巧監督は4度エンドランをしかけました。
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