ダビド・ハドルストンのゆか/2019年世界選手権予選の演技
ブルガリアから唯一の出場となる、ダビド・ハドルストン選手です。
オールラウンダーで、東京オリンピックへは個人総合枠での出場。
世界選手権での決勝進出は未だありませんが、2020年のヨーロッパ選手権では平行棒で決勝に進んでいます。
オランダ生まれでアメリカやカリブ海の国を転々とし、親の勧めでブルガリアに移住して体操競技を始め、現在はブルガリアの選手として活躍しています。
さて、今回は前方系の宙返り技を5つ紹介しましょう。
多いよ!と思った方も大丈夫!ただひねりの回数が増えていくだけなので頑張りましょう。
今回覚えるのは前方系の宙返りひねり技
・前方伸身宙返り(B)
・前方伸身宙返りひねり(B)
・前方伸身宙返り1回ひねり(C)
・前方伸身宙返り1回半ひねり(C)
・前方伸身宙返り2回ひねり(D)
【前方伸身宙返り】はひねりを加えない単純な宙返りのこと。
体を伸ばした伸身姿勢で前方に宙返りする技でB難度です。
ここから半分ひねると【前方伸身宙返りひねり】になります。
同じくB難度ですが、着地が取りやすいことで【前方伸身宙返り】よりもよく使われます。
技の表記に関して、「○回ひねり」という記述がない限り、「ひねり」とは前方後方問わず半分ひねりのことを指します。
なので【前方伸身宙返りひねり】は【前方伸身宙返り1/2ひねり】と同義であり、【前方伸身宙返り半ひねり】と同義でもあります。
続いてひとつ難度が上がってC難度の【前方伸身宙返り1回ひねり】。こちらはひねり数が少ない割にC難度が取れる、そして組み合わせにも使い勝手が良いことで人気の技です。
そして半ひねりを加えた【前方伸身宙返り1回半ひねり】も同じくC難度の技。
こちらも組み合わせによく使われますが、【前方伸身宙返り1回ひねり】と違うところは、着地姿勢が取りやすく止めやすいこと。着地が止めやすく、C難度が取れるのでこちらも得意な選手苦手な選手問わず人気です。
最後に【前方伸身宙返り2回ひねり】。さすがに2回もひねるとD難度になります。
この技も組み合わせで使う選手が多く、前方着地ということで次の技に繋げたり、0.2のボーナスが得られるD難度以上+D難度以上の組み合わせに使われることも多いです。
ハドルストンのゆかの演技では、まず2回宙返り系の技を2つやった後に、
【前方伸身宙返り】を組み合わせで実施します。
続いて【前方伸身宙返り2回ひねり】+【前方伸身宙返りひねり】と、前方のひねり技の組み合わせ。これでボーナスの加点を得ます。
一度十字倒立を挟んだ後に【前方伸身宙返り1回ひねり】+【前方伸身宙返り1回半ひねり】の組み合わせをやっています。こちらはC難度どうしの組み合わせなので加点はありません。
難度が高くないなりに着地に気を配っていてかなり丁寧な演技です。
終末技がC難度なのでグループ点も0.3点です。
これがD難度になると0.5がもらえるようになります。
ハドルストンの演技でもC難度どうしの技で加点が得られないように、C難度とD難度には大きな壁があるんですね。
例えば終末技をD難度の技でやろうとしたのにミスをしてC難度になってしまったとなれば、難度価値点が0.1下がるだけでなく、グループ点を0.2失うことになるのです。
ブルガリアにはかつてヨブチェフという選手がいました。
https://rosstraining.com/blog/2015/03/jordan-jovtchev-training/
ヨブチェフは世界選手権・オリンピックで大活躍したレジェンドです。
ヨブチェフに限らず、ブルガリアは体操界に名を轟かせていました。
ハドルストンはヨブチェフ、そして内村航平を憧れの存在として挙げており、「『体操の強いブルガリア』をもう一度取り戻したい」と語っています。