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北園丈琉(日本)のつり輪/2019年ジュニア世界選手権予選の演技

日本の、そして体操界のホープ、北園丈琉選手。18歳。
今年3月に体操の名門・清風高校を卒業後、社会人チームの徳洲会体操クラブに入団。社会人選手としての活動を始めました。

北園の名が一躍有名になったのは2018年にアルゼンチンで開催されたユースオリンピック。世界の18才以下の選手が出場する大会です。
当時15歳で出場したこの大会で、個人総合、種目別ゆか・つり輪・平行棒・鉄棒で優勝。驚異の5冠を達成しました。
海外メディアから「ミニウチムラ」と呼ばれ始めます。

2019年にはジュニア世界選手権に出場、ここでは団体、種目別あん馬・平行棒で金メダルを獲得します。

2020年12月に行われた全日本選手権で2位に入り、東京オリンピック代表候補に名を挙げました。

翌2021年4月の全日本選手権では予選を首位通過。様々なメディアが北園の名を取り上げます。
しかし、決勝の跳馬で予定の技を跳べず、鉄棒で落下がありました。鉄棒の落下の際に右ひじを剥離骨折し、「東京オリンピックはもう無理だ」と思ったそうです。
しかし、驚異の回復力を見せ1ヵ月後のNHK杯では完全な演技構成ではないものの、全6種目を通し切ります。
さらに3週間後の全日本種目別選手権では完全復活。予選で4月の全日本を上回る得点を連発し、4種目で決勝に進みます。
決勝では、表彰台こそなかったものの、安定感のある演技と高得点で、観る者を惹きつけました。

劇的な代表選考を経て、チーム最年少となる東京オリンピック代表に決まりました。


北園選手は苦手な種目はないと言っていますが、つり輪に関しては選考会で14点以上を出せていません。
本人比で1番得点の低い種目を今回は取り上げてしまいます。

今では中水平を入れた構成でDスコアを上げていますが、ジュニア世界選手権の時は低いDスコアで堅実に通しています。
彼のつり輪の見どころは終末技です。
F難度の「後方伸身2回宙返り2回ひねり」《伸身新月面》を披露します。

E難度の抱え込みの《新月面》に比べて、実施する選手がかなり少ない超高難度技です。

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同じく日本団体メンバーの橋本大輝選手とは1学年違い。

全日本選手権などの大舞台では橋本大輝が速くから目立っていましたが、
ジュニアの集まる大会では北園が橋本を上回っていました。

一方は市立船橋高校⇒順天堂大学
一方は清風高校⇒徳洲会
所属の違う同世代のライバルが同じチームで戦うというだけで胸の高鳴りが収まりません。


追記:団体決勝ではつり輪以外の5種目を任されました。
予選ではチーム得点からカットされた平行棒もオーダーされています。
予選の演技を終えたインタビューで「楽しく演技ができた」と言っていたので、恐ろしい18歳だなと感心しました。決勝でも楽しめると良いですね。


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