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アレクサンダー・シャチロフ(イスラエル)のゆか/2017年欧州選手権種目別決勝の演技
イスラエルの重鎮、アレクサンダー・シャチロフ選手です。
生まれはウズベキスタンで体操を始めたのもウズベキスタンでした。2002年、15歳の時ににイスラエルに移住。2007年にはイスラエル代表として世界選手権に初出場します。
2009年、2011年の世界選手権で種目別ゆかで銅メダルを獲得。
イスラエルの選手がメダルを獲得するのは、彼が初めてだったそうです。
オリンピックは北京・ロンドン・リオと出場し、東京大会は4回目の出場になります。
五輪でのメダル獲得こそないものの、北京・ロンドンと種目別ゆかで決勝に進んでいます。
これからもわかるように、シャチロフはゆかを得意種目とします。
今回はシャチロフのゆかの演技から、後方系の2回宙返りを紹介します。
ゆかの演技では、最低1回は2回宙返り系の技を入れないと減点されてしまいます。
なので、ゆかでは皆、必ずひとつは2回宙返り系の技を入れています。
今回紹介するのは、《月面》、《ムーンサルト》と呼ばれる技です。
その内容は、「後方抱え込み2回宙返り1回ひねり」というもの。
ゆかに関わらず、ほかの種目においても、
後方2回宙返り1回ひねりを《月面宙返り》、
後方2回宙返り2回ひねりを《新月面宙返り》と呼びます。
《新月面》の方は1番最初の記事で超頻出技として紹介しました。
《月面》宙返りにプラスもう1回ひねり加えたものが《新月面》になるわけですね。
これは1回ひねっているので《月面宙返り》です。
この技は終末技に使われることが多く、シャチロフも終末技として実施しています。
シャチロフは身長が183cmと、体操選手には珍しい長身。その分宙返り技も大きく見えて見栄えがします。
彼は鉄棒も得意なので。コバチ系の技をやった時は特に雄大に見えますよね。
《月面》は選手によってさばき方は様々で、
・フルイン
・ハーフインハーフアウト
・ダイビングダブルハーフ
同じ技でもこれだけさばき方の種類があります。
それぞれ見てみましょう。
これは「フルイン」シャチロフの月面mこのさばき方。
1回目の宙返りで1回ひねって、2回目の宙返りは縦回転のみというさばき方です。
「ハーフインハーフアウト」は1回目の宙返りで半分ひねり、2回目の宙返りでもう半分ひねるというさばき方です。
個人的にはこのさばき方が好きですが、あまりやる選手は多くないです。
「ダイビングダブルハーフ」これは昔は《月面》とは別の技だったのですが、今では同じ技として扱われています。
「ダイビング」とは、後ろ向きに踏み切った直後に半ひねり、そのまま前方宙返りのように回る宙返りのことを言います。
《ダイビングダブルハーフ」はダイビングの動きで2回宙返りし、着地の手前でもう半分ひねるという技です。
《月面》「後方2回宙返り1回ひねり」と同じ技として扱われています。
後方に踏み切って2回宙返りをして1回ひねっているので同じですよね。
ハーフインハーフアウトよりダイビングダブルハーフの方がよく見られます。
あまり難しいことは考えず、何回宙返りして何回ひねっているかだけ見れば問題ありません。