アルチョム・ドルゴピアト(イスラエル)のゆか/2021年W杯ドーハ大会種目別決勝の演技
シャチロフと同じイスラエルの、ゆかのスペシャリストとして出場するアルチョム・ドルゴピアト。
2017年と2019年ともに世界選手権種目別ゆかで銀メダルを獲得。
年々演技構成をアップデートさせていて、ひねり技で攻めていた年もあれば、今では2回宙返り、ダブル系で攻める構成に変えています。
生まれはウクライナで、2009年12歳の時にイスラエルに移住。
ヘブライ語に加えてロシア語も話せるという事です。
ドルゴピアトのゆかの演技は2017年から年々アップデートされ、2021年になってもアップデートされています。
今年からは【リ・ジョンソン】を本格導入し、大きな大会でも実施するようになりました。
【リ・ジョンソン】とは「後方抱え込み2回宙返り3回ひねり」でG難度の超大技です。
前回紹介した《月面》、《新月面》に続く月面シリーズの最高峰です。
「後方抱え込み2回宙返り1回ひねり」⇒《月面》
「後方抱え込み2回宙返り2回ひねり」⇒《新月面》
「後方抱え込み2回宙返り3回ひねり」⇒【リ・ジョンソン】
この技はアテネオリンピックの予選で、北朝鮮のリ・ジョンソン選手によって発表された技。
技名としての名前がカッコ良すぎますよね。
白井健三選手もよく使っていた技で、テレビで紹介されることも多いので覚えておいてください。
ドルゴピアトは、以前紹介したG難度の【サパタ】も実施する数少ない選手。
【サパタ】と【リ・ジョンソン】でG難度を2つ実施する世界でも珍しい演技構成を持ちます。
動画では演技の冒頭に①【サパタ】、ひねり技の連続を経て、④【リ・ジョンソン】をやっています。
この技を見分けるのは難しく、かつて内村選手が試合で実施した時に、世界選手権で審判を務めるような人たちが2回ひねりだと勘違いしたほどです。
最近では競技全体のレベルも上がってきて、実施例も増えてきたのでひねり数を間違えるようなことはなくなりましたが、一般の方が見分けるのは難しいです。
頻繁に使われる2回ひねり《新月面》とスペシャリストの限られた数人のみが使う3回ひねり【リ・ジョンソン】の見分け方。
「なんかこの人ほかの人よりひねってる気がする」って思ったら多分それは【リ・ジョンソン】です。
そのフェーズを過ぎたなら、ゆかの演技をつぶさに見まくると自然とわかってくると思います。