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全米チャンピオン、ブロディ・マローン(アメリカ)の平行棒/2021年全米選手権1日目の演技

2日間に渡って行われた全米選手権、そして同じく2日に渡った五輪選考と、個人総合を完全制覇し、団体メンバーの座を掴んだブロディ・マローン。
これまで主だった成績はなく、今年に入っていきなり頭角を現したスタンフォード大学の学生選手。

すべての種目において満遍なく点数が取れて穴といった穴がない選手で、
強豪国アメリカの中心となるであろう存在です。

今回はグループⅡ:腕支持振動技から頻出技をひとつ、
さらに【ディアミドフ】【ヒーリー】を応用させた技をひとつ紹介します。

まずは、グループⅡから《ホンマ》と呼ばれる技。
内容は「後ろ振り上がり前方屈身宙返り支持」で、D難度の技です。

ホンマ

平行棒では「前振り上がり」「後ろ振り上がり」とは腕支持状態から当該の方向へ振り上げる技のことを言います。

そして、これまで紹介した【ディアミドフ】と【ヒーリー】を組み合わせた技である【マクーツ】という技を紹介します。
2013年にそれまでのルールが変更され、内村選手が使うようになってから試合で使う選手が一気に増えた技。

【ディアミドフ】は「前振り片腕支持1回ひねり倒立」
【ヒーリー】は「倒立から片腕支持1回ひねり支持」でしたね。
この2つの技を組み合わせると「前振り片腕支持3/4ひねり、軸手を変えて片腕支持3/4ひねり支持」という技になります。これが【マクーツ】というE難度の技です。
百聞は一見に如かず。

マクーツ

この技のポイントは、「軸手を変えて」という部分。
ディアミドフの動きで単棒横向き倒立を経過した後に、軸としていた腕を入れ替えてもう片方の手を軸にヒーリーの動きをします。
かつては軸手をそのままに同じ動きをする技も多く実施されていましたが、今ではその技は【マクーツ】より2段階低いC難度になっています。
なので、実施する選手はまったくいません。

ブロディの演技では初めに倒立に上がった後、いきなり②【マクーツ】をやっています。そして既に紹介した【棒下宙返り倒立】を経て④《ホンマ》をやっています。
後半には【ディアミドフ】【ヒーリー】もやっていますね。
倒立もしっかりハマっていて申し分ない演技です。

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しまりがあって力強さも感じられる演技ですね。
彼は2017年に横浜で行われた国際ジュニア競技大会に出場していて、日本での試合経験があります。

私もこの時実際にブロディの演技を見ていたので感慨深いものがあります。


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