見出し画像

ジョエル・プラタ(スペイン)のゆか/2019年世界選手権予選の演技

スペイン団体メンバー、ジョエル・プラタ選手。
2017年の世界選手権では個人総合決勝に進んでいて、2019年世界選手権ではスペイン団体の東京オリンピック出場権獲得に貢献しました。

ここ数年で脚が強くなり、ゆか跳馬が強くなった選手です。

今回はゆかの伸身2回宙返りの続きです。
プラタのゆかでは冒頭1発目の技に「後方伸身2回宙返り2回ひねり」《伸身新月面》または《伸身ルドルフ》と呼ばれる技をします。

この技も選手によってさばき方が様々で、いろんな選手のさばき方を見るのが楽しいです。
しかし、F難度と高難度のため、実施する選手は少ない技でもあります。
プラタのさばき方は1回宙返りごとに1回ずつひねるタイプです。

伸身新月面


そしてもうひとつ。プラタはグループⅠ:アクロバット以外の技で開脚前転から浮腰倒立に上げる力技を使っています。

44前転開脚浮腰倒立

この技は【前転開脚浮腰支持経過倒立】という技名で、B難度です。
この技のように、開脚での力倒立(シンピ倒立とも言う)は正面支持や開脚座などから上げることでもB難度が取れます。

プラタは冒頭に①《伸身新月面》、ひねり技の2連続を2つ続けた後、⑦【フェドルチェンコ】の後に⑧【前転開脚浮腰支持経過倒立】をやっています。

画像1

プラタはよくインスタグラムに練習動画を投稿してくれています。
東京に着いてからも早速サブ会場での練習の様子を投稿しました。

「TOKYO2020」の文字と五輪マークの刻印されたピカピカのあん馬がまぶしいですね。
わくわくします。


プラタの属するスペイン団体は、東京オリンピックでの団体出場を目指し、さまざまな取り組みをしました。
それまではそれぞれの拠点で練習を積んでいたものを、皆が1カ所にまとまって練習するようになりました。
チームワークを高めるため、ボウリングや登などの課外活動もしたそうです。
同じ時間を過ごすことが当たり前になったスペインチームはいつしか兄弟のような関係になったとプラタは言います。

東京オリンピックに出場できるのはチームワークとトレーニングの賜物。
3人の兄弟とともに団体決勝に残れるように、少しでも多く演技ができるように、彼らは戦います。




追記:残念ながらスペインチームは最下位で団体決勝へは進めませんでした。
それでもスペインチームの長年の夢であった団体でのオリンピック出場が叶い、むしろこの場で演技できたことに喜びを表しています。
「ようやく夢が叶った。楽しめたことを幸せに思う。これは出発点。」


いいなと思ったら応援しよう!