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ウチェ・エケ(ナイジェリア)のあん馬/2019年世界選手権予選の演技

ナイジェリア体操界初のオリンピック出場、ウチェ・エケ選手です。
オリンピック予選となったアフリカ選手権で個人総合3位に入り、アフリカ大陸枠の2名のうちの1人として東京オリンピック出場を決めました。

ナイジェリア人の父とアメリカ人の母との間に生まれ、プログラミングの勉強をしながらアメリカミシガン大学で練習を積んだエケ。
父の祖国ナイジェリアの代表としてオリンピックに出場します。

エケのあん馬では、セア系の珍しい技を実施しています、
以前、セア系の技でC難度の《とびひねりセア》の話をしましたね。
両ポメルを支持する真ん中からどちらかの馬端へと移動しながら体を半分ひねる技です。

とびひねりセア

これを馬端から馬端までとび移動してしまう技が、「正交差とび横移動ひねり逆交差入れ(馬端~馬端)」技名を【ミクラック】といいます。
以前鉄棒で紹介したサミュエル・ミクラック選手の名前が付けられた技です。
C難度の《とびひねりセア》よりも移動距離が伸びているんですね。

ミクラック

この技は世界的に良く使われる技というわけではないのですが、なぜかアメリカの選手がよく使う技で、今回のアメリカの団体メンバーは全員この技を使います。
発案者のミクラックが技術を教えているのでしょうかね…。

エケが通っていたミシガン大学はミクラックの母校でもありますし、少なからず影響を受けていると思われます。
冒頭に実施しているのが①【ミクラック】です。

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エケは決勝に進めるような選手ではないですが、出場して演技ができるだけでも大きな1歩です。
今回の東京オリンピック体操競技に出場するアフリカの選手は、男子はナイジェリアのエケとエジプトのオマル・モハメドで2名、女子は南アフリカとエジプトの選手計4名です。
アフリカ体操界は、エジプトと南アフリカが少しずつ力を付け始めています。
練習環境や指導者不足など、まだ環境の整わないアフリカ勢が世界大会で活躍できる日が来ると良いですね。

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