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遊女は縦社会!位について

日本の遊女(ゆうじょ)には、身分や能力に応じていくつかの階級が存在していました。これらの階級は、主に江戸時代に発展した遊郭(ゆうかく)制度の中で体系化され、遊女の地位や待遇、接客する客層に影響を与えました。以下は、代表的な遊女の階級を解説します。

1. **太夫(たゆう)**

   - **最高位の遊女**として位置づけられており、格式の高い顧客のみを相手にする存在でした。太夫は美貌だけでなく、教養、芸事、文才に優れていることが求められました。茶道、詩歌、琴や三味線などの芸能にも精通し、上流階級の男性とともに時を過ごすことができる知識と品格を持っていました。  

   - 太夫との対面や遊びは非常に高額であり、また、太夫自らが客を選ぶこともできるなど、遊女の中でも特権的な存在でした。

 2. **花魁(おいらん)**

   - 花魁も高位の遊女ですが、太夫の次に位置する階級です。江戸の吉原では、次第に「太夫」の称号が廃れていき、「花魁」が最高位の遊女として定着しました。花魁もまた、高度な教養と技能が求められ、贅沢な衣装や化粧で身を飾り、その外見の華やかさが際立っていました。

   - 花魁は一般の人々にとっても憧れの対象となり、吉原のシンボル的存在として有名でした。

 3. **天神(てんじん)**

   - 天神は花魁の次に位置する遊女で、主に若い遊女が修行を重ね、将来的に花魁へと昇進することを目指す過程にある遊女です。天神はまだ客を選ぶことができないものの、一定の技能と教養を身に着けているとされています。

4. **新造(しんぞう)**

   - 新造は、主に上位の遊女に仕える見習い遊女です。新造は接客の経験が少なく、芸事やマナーを学びながら、次第に遊女としての能力を養います。新造はまだ正式な遊女として客を取ることは少なく、見習い期間を経て上位へと昇格することを目指します。

5. **禿(かむろ)**

   - 禿は、最も若い見習いの少女たちで、年齢は10歳前後でした。上位の遊女に仕え、雑用をこなしながら遊女としての教育を受けました。将来的には新造として成長することを期待されていましたが、幼少期から厳しい環境で育てられるため、厳しい生活を強いられたことも多かったです。

6. **部屋持ち(へやもち)**

   - 花魁や太夫のような高位の遊女ではなく、中位や下位の遊女に与えられる称号で、専用の部屋を持ち、そこに客を迎え入れることができる遊女を指します。部屋持ちはそれぞれの部屋で接客を行い、特定の芸事に優れていることは求められず、一般庶民の客を相手にすることが多かったです。

7. **端女郎(はしじょろう)**

   - 最も低位に位置する遊女で、安価に客を取ることが多く、容姿や芸事、教養に優れていない場合が多いです。端女郎は遊郭の中でも特に劣悪な環境で働くことが多く、短期間で消耗されることが一般的でした。

いやはや、大変な世界ですね
階級社会と言えますね

これらの階級は、江戸時代を通して変化し、遊郭ごとに多少の違いがあったものの、基本的な枠組みはこのように階層化されていました。上位の遊女は文化や芸能の担い手としても重要な役割を果たし、下位の遊女はより実務的な役割に従事しました。

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