逆襲の飯山あかり(2) 「日本保守党に必要なもの」
極々、素朴な疑問ではあるが
私はマックス・ヴェーバーに問いたい。
「堅い板に、穴あけて
それ・・・どないすんの?」
いや・・・「例え話」だから
別にいいんだけれども
他にもうちょっと
いい「例え」はなかったのだろうか・・・。
理想の政治家って、こんな感じか?
・・・さてさて
冒頭から話が脱線してしまい申し訳ない。
今日は前回の続きを語るつもりだったのだが・・・
この間、看過できない大問題が起こり過ぎて
当初の予定を変更し、百田氏の暴言問題なども含め
私自身の考えを述べさせてもらいたい。
前回の記事では
百田氏の内側に燃える、その動機に着目し
日本保守党の最も「評価すべき点」について
詳しく説明させて頂いた。
「命を賭して日本を守った英霊たちに
恩返しをしなければならない」
百田さんのそんな熱い思いを
私は強く信じていた。
いや・・・
「信じてしまっていた」
そう言った方が、良いのかもしれない・・・。
前回の記事でも申し上げた通り
私は、今回の日本保守党と
飯山さんの諍いにおいて
飯山あかりさんの主張の方に
「より合理性がある」と感じている。
しかし、正直な所
私の心中は非常に複雑でもあった。
端的に言って「日本保守党」は
私にとっての「悲願」だったのだ・・・。
■ □ ■
帰ってくる前の旧・虎ノ門ニュースが
まだ現役で配信を行っていた頃から
私は、ある一つのビジョンを持っていた。
粒揃いの虎ノ門メンバーが一丸となり
国政選挙を戦ってくれとしたら・・・
そして、国政の中核となれる保守政党
「虎ノ門党(仮)」が実現してくれたなら
日本はどれだけいい国になるだろうかと
一人、そんな事を夢想していたのである。
私の考えはこうだ。
もしも「虎ノ門党(仮)」が結党されて
20議席ほどを獲得できたとしたら
決して単独与党の道など目指さず
腐敗の元凶である公明党を
連立与党の座から追い出して
自民と共に「自虎連立政権」を組む戦略をとる。
そして、絶対的な世論の後押しによって
腐り切った自民党の鼻面を引き摺り回し
憲法9条改正を成し遂げた上で
自衛隊を国防軍へと改変。
さらに、核武装を実現して
日本を真に独立した主権国家にし
その武力を後ろ盾にして
北朝鮮を無理やりにでも
拉致問題の交渉テーブルに引き摺り込むのだ。
そうすれば、日本の真の悲願となる
拉致被害者の全員奪還も実現できるに違いない!
これは全く荒唐無稽な
夢のようなシナリオかもしれない。
しかし、日本はどうにかして
この呪いにも似たような「戦後レジーム」から
脱却しなくてはならない・・・。
その為には是が非でも
政界に蔓延するリベラルの潮流を一変できるような
真正な保守政党が必要となる。
私はいつか、そんな日が来てはくれないかと
一人、勝手な妄想を思い浮かべつつ
毎朝、「旧・虎ノ門ニュース」を聞いていた。
けれども、「旧・虎ノ門ニュース」はその後
惜しまれながら、その幕を閉じてしまう・・・。
「旧・虎ノ門ニュース」が終わってしまった時
私の心の中では、その4ヶ月ほど前に起こった
安倍さんの暗殺事件への大きなショックも重なり
「これから、この国はどうなってしまうのか・・・」
そんな底知れぬ空恐ろしさを感じていた。
今でこそ、虎ノ門ニュースも新装開店して
復活を果たしてくれているが・・・
豪華客船「旧・虎ノ門ニュース号」が沈没してしまい
荒れ狂う大海原に「虎ノ門難民」が投げ出された時
我らを救難艇「ニュース朝8号」で救出してくれたのは
他でもない、百田さんと有本さんだった。
そういった経緯を考えると
「旧・虎ノ門ニュース」の流れを引き継いでくれたのは
「ニュース朝8」だったのだと思う。
そして時は流れ・・・
「LGBT理解増進法案」が強行的に可決されてしまった時
私は激しい怒りと共に、深い絶望に打ちひしがれていた・・・。
その時にも百田さんは奮起して
「このままでは日本の未来はない!
自らの党を立ち上げる!」と
一大決心をしてくれたのだ。
私にはその思いが、心の底から嬉しかった。
そしてそれは・・・
長く、私が思い描いてたビジョンが
ついに実現した日でもあった。
繰り返しになるが・・・
日本保守党は、私にとって
積年の「悲願」と言える政党だったのだ・・・。
けれども・・・
連日の飯山さんによるリークによって
白日の下に晒された、彼らの素性・・・
百田氏の本音が垣間見える
あまりに行き過ぎた暴論・・・
そして、一連のトラブルに対する
有本氏の、あまりに杜撰で傲岸不遜な態度・・・
そんな彼らの様子を見ていると
晴れて国政政党となった大事な日本保守党を
最も無慈悲に破壊しようとしているのは
むしろ、百田氏と有本氏ではないか・・・
とさえ、思える。
ドイツの政治学者である
マックス・ヴェーバーは言った。
「政治とは、情熱と判断力の二つを駆使しながら
堅い板に力をこめて、じわっじわっと
穴をくり貫いていく作業である」
百田氏と有本氏がこの2年間
「ニュース朝8」を通して訴え続けてきた問題提起は
文句なしに評価されるべきことだと思う。
そして、この間の弛まぬ尽力が結実し
遂に、その堅い板に小さな小さな穴が空いた。
しかし、当の二人は
その大事な大事な「穴の空いた堅い木」を
まるで、子供が火遊びでもするかの如く
燃え盛る火の中に焚べているのだ・・・。
私がこの「逆襲の飯山あかり」シリーズを書き始めた理由は
第一に、飯山さんの発言に「合理性がある」と感じ
「飯山さんの助太刀をせねば!」と思ったからだった。
けれども、それ以上に大きな理由は
ここで百田氏と有本氏への批判をする事こそが
取りも直さず、「日本保守党のためなのだ」と
そう強く信じたからに他ならない。
飯山さんのリークが始まってからというもの
SNS上の支持者の声は賛否両論、渦巻いていた。
飽くまでも私の体感ではあるが
日本保守党に対して踵を返し
背を向けて去って行かれた方も
相当数おられたであろうと思う。
(もちろん、便乗して煽っているサヨクもいると思う)
そして、今回の百田氏による暴言問題は
その流れに急激な拍車をかけたであろう・・・。
その様な混乱の中においてさえも
目の前の現実を全く顧みることもなく
まるで日本保守党に心酔しきっておられるかのような
そんな熱狂的な支持者も少なくない。
彼らはただただ
盲目的に百田氏と有本氏を擁護し
手放しで褒めそやし
あたかも「日本保守党は被害者である」と
そう言わんばかりの姿勢を見せておられる・・・。
私はその様な方々に対して
少し落ち着いて考えて頂きたい。
ここで、一つの例え話をさせてほしい。
あなたの目の前には
ピカピカのブルーサンダー号が停まっている。
あなたは優秀な自動車の整備士で
全ての箇所をくまなく点検をしてみると
そのあちこちに重大な不備が見つかった。
エンジンオイルはドロドロだし
タイヤはヒビが入って、パンクしそうになっている。
ワイパーも取れかけ、バッテリーも切れかけて
ヘッドライトはもはや点灯しない。
特に、ブレーキなんか、ぜんぜん利いていない・・・。
もしも、ブルーサンダー号が
そんなボロボロの状態であるにも拘らず
「我々には時間がない!とにかく急いで出発だ!」と言って
百田氏と有本氏がそこに乗り込もうとしていたとしたら・・・
まともな整備士であれば、まずは制止をするはずだ。
そして、ブルーサンダー号の
どこに問題があるかを詳しく説明した上で
きちんと整備をしてから出発するよう
真摯に助言をしなくてはならない。
それが「本当の親切」というものだろう。
しかし、熱狂的な支持者の方々は
向き合うべき現実から目を背け
あたかも、そこに問題がないかのように振る舞っている・・・。
「ブルーサンダー号に不備があるなんて、嘘っぱちだ!」
「とにかく今は、アクセル全開で前進するんだ!」
そう言って、百田氏と有本氏を
ブルーサンダー号に無理やり押し込めて
「早くアクセルを踏むように」と、けしかけている。
それは、本当の親切とは言えない・・・。
特に驚かされるのは・・・
「私は飯山さんが嫌いだから
彼女の動画は見ていない」
などと、平然と言ってのける方までおられる事だ。
飯山さんの言い分を正確に把握することもせずに
どうやって事の真贋を見極めるのか・・・。
そのような人たちは
ただ、自分に都合が悪いと思ったことに
目を伏せているだけでしかない・・・。
私は、人様を簡単に「信者」と揶揄することは
「いかがなものか?」と考えるので
敢えて、その言葉は使わないでいるが・・・
見なければならないものを見ようともせず
自分の信じたいことだけを信じようとするのであれば
それは宗教と全く変わらない・・・。
我々は、飽くまでも科学的な態度で
現実の問題に向き合うべきだ。
科学は、反証に晒されて初めて
その刃が研ぎ澄まされていくもの。
それと同様に、日本保守党もまた
批判に晒され、それを真っ当に乗り越えて行かなければ
前に進んで行くことができない・・・。
日本保守党がこれから前に進む為には
まずは、その中に溜まった膿を
全て出し切らなくてはいけない。
非常に悲しいことだが・・・
熱狂的な保守党支持者の方々には
その事が全く分かっておられないように思える。
「批判をする者はすべて敵で
肯定してくれる者だけが味方」
そのようなお考えでおられるのかもしれないが
現実には、応援したいと思っているからこそ
きちんと批判をしなくてはならない場面もある・・・。
「鬼手仏心」
正に今、この言葉こそが相応しい。
「鬼手仏心」
この言葉の意味は
「仏の心で、鬼のような手段を使うこと」
この言葉は、例えて言うと・・・
苛烈な環境の野戦病院において
麻酔もなしに兵士の足を切り落とさなければならないような
そんな極限状態で使われる事が多い。
ある兵士が足に怪我を負って
傷口からは腐敗が進行している。
そのまま放っておけば、毒素が身体中を回って
いずれは死に至るだろう・・・。
その患者を救う方法は、たった一つしかない。
それは、まだ毒素が回っていない
正常な部分から足を切断すること。
しかし、薬は不足していて麻酔はなく
切断手術にはとてつもない痛みを伴う。
あまりの痛みに、患者は激しく泣き叫ぶであろう・・・。
けれども、当の医師の方が
「すごく痛そうで、患者がかわいそうだから
私にはそんな残酷なことできません!!」
と・・・そんな生ぬるい覚悟しかなければ
その患者は死ぬしかない。
本当に患者を助けたいと思うのならば
激しい痛みが伴うことを覚悟の上で
その足に「ノコギリの刃」を入れなければならない。
痛いだろう・・・。
苦しいだろう・・・。
しかし、その命を救う道はそれしかない。
今回の一連の問題において、もしも
百田氏と有本氏が大きな過ちを犯していたのであれば
それを素直に認め、きちんと謝罪をした上でしか
日本保守党は前に進むことができない。
それには必ず痛みが伴う。
彼らの自尊心は粉々に傷つくに違いない。
しかし、いくら目を閉じたとしても
目の前の問題を「無いこと」にはできない・・・。
だからこそ、本当の意味で日本保守党を応援し
百田氏と有本氏を支えようとする者こそ
彼らに対して、きちんと問題を指摘し
真っ当な批判をせねばならないのだ。
少なくとも私は
日本保守党を応援したいと思うからこそ
彼らを徹底的に批判する。
恐らく、私がこのシリーズにおいて
日本保守党についての肯定的な意見を述べるのは
次回の記事で最後となる。
認めるべきは、きちんと認めなければならないが
批判すべきは、しっかり批判させて頂く。
予定では、シリーズ④から
本格的に日本保守党への批判を展開していく予定なので
是非、今回のみならず、次回以降もご覧頂けたらと思う。
「保守党への批判はまだかよ!!」
って思われおられる方々へ
筆が遅くて、誠に申し訳ない・・・。;。;