(5) 来たる2021年を 思い描く頃 (2024.1改)
一行はマレーシアのコナキタバルのホテルに投宿し、夕飯を食べに外へ出掛ける。
あゆみと彩乃がスマホのAIと会話しながら先頭を歩き、店舗まで向かう。
昨夜、OBの2人から悪い大人の遊びを学び、移動中のバスでは殆ど寝ていた姉の安東実花と同じ高2の諏訪結菜は、ブルネイと少々異なる街並みに、浦島状態のように首を左右に動かして眺めている。
一行の頭上には護衛役のドローンが飛んでおり、一行の周囲を警戒しているが、杞憂かもしれない。高2の二人の後ろを、実花の母と叔母が続く。
「ブルネイほどの治安じゃないって言ってたけど、夕方でも女性の独り歩きが目立つねえ」
「そうね。私はブルネイよりマレーシアの方が東松島市みたいで好きかも。なんかさ、清潔すぎたでしょ?」
「そうかもね・・」
安東姉妹が話しているのを後ろの蛍と翔子が聞いていた。
安東家、池内家、諏訪家が加わって、仲の良いママ友全員が揃った。
その最初の旅行がコロナ渦の海外というので、どうなのか?とも思ったが、楽しかった。
妊娠中の村井副知事とPB Mart社長の平泉里子が居ないがネット会議をして、情報は共有していた。
来年、モリは国会議員に転ずるだろう。
どの補選に立候補するか分からないが、一番難しい選挙区を選ぶのは間違いない。元首相か元幹事長の選挙区を敢えて選ぶ可能性が高い。
山口か和歌山に拠点を移す際に、事務所を構える上でモリを支援する新たな存在が必要になる。
ママ友達はそんな相談を交わしていた・・
「あれ?PB EnagyとPB Motorsがあるよ!」 先頭のあゆみが言うので、後方の8人が前方を見ると、確かにそんな看板のように見える。
「ガソリン、安いのかしら?産油国だけど・・あ、PB Martとのジョイント店舗ですね」
源 翔子が言うとママ友たちが頷く。マレーシア内は王族が経営しているのだ。
手前のPB Motorsは中古車が100台ほど並んでいて、この時間でも客が多い。
マレーシア、インドネシア、タイは右ハンドルなので日本の中古車を改造して販売している。エンジンと足回り、シート等の内装をプルシアンブルー製に交換しても新車より安いので好評だった。
「ガソリンは・・レギュラー120円くらいだから日本と同じだね」
「イヤイヤ、蛍さん、宮城では170円台だからね、PB Enagyが安すぎるの!」
姉の安東咲子にツッコまれる。
「そうだった・・ゴメンゴメン・・」
ガソリンスタンドの斜向かいの店に入ると予約もしていないのに、予約席に通される。
「なんで?」
"困った時の彩乃ちゃん"に蛍が訊ねる。彩乃はドローンを片付けながら言う。
「AIが検索した店舗だからです。AIは先生にも連絡していて、この店での決済は先生がお支払いするそうです」
「そうなの?」蛍が前のめりになる。
「ええ。これを見て下さい。先生の電子マネーでの決済が認められています」
彩乃がスマホを前に押し出すと、ママ友達が”accept”の表記を見て、6人でガッツポーズをしている。
マレーシアでは普通に酒が飲める。国民の2割が華僑が占めるからなのだが、マレー半島に集中しているのでボルネオ島での華僑は少数でも、酒は大量に流通していた。周辺の小島が海洋リゾート地にもなっており、年末はそのリゾート島で過ごす予定で、新顔のママ友4人に至っては「淡い期待」を抱いていたし、蛍と翔子も3人が期待するように「ススメ」ていた。
母親たちが早速酒のオーダーを始めるので、あゆみと彩乃はヤレヤレという表情をしていた。
実花と結菜は、昨夜行為の後でビールを飲んでいたので、顔を見合わせて「自粛、自粛」と囁き合っていた。
ーーーー
嘗て通った大学のある街のレストランにSP抜きのお忍び忘年会として、大臣3人と知事1人が集まった。昨年末の忘年会はコロナの為にオンラインになったが、今年は安心して飲める。
この日の議題は、「起訴や立件が続く与党にどこまで協力するのか?」だったが、3大臣は彼女たちの"アイドル"話に夢中になってしまう。
昔懐かしい定番の洋食を肴に、ビールで乾杯すると以降はハイボールやワイン等、各自好きな様に飲んでいると、毎度ながら話の矛先は「義理の息子」に辿り着いてゆくので、鮎は苦笑いする。
タダのイケメンでは無かったと何時ものように3人が絶賛し始める。何故か3大臣とも離婚しているので、「少しの間、私に貸し出せ」とか「コロナも明けるし、大臣のお礼に彼から食事に誘ってほしい」酔っ払いで喧嘩っ早い大臣に至っては「ヤラせろ!」と、ダイレクトな要求をしてくる。
義理の息子と時折寝ていて、実は孫の2人は私が産んだと言おうものなら、絶交されるのではないかと、心中穏やかではないのは毎度のことだ。
「私だって、義理の息子がこんなに有能だなんて知らなかったんだもの。妻である娘もそう、20年一緒にいて彼の上限を知らなかった。正直に言えば、まだ見極められていないのよ。果たしてどこまで行き着くのか・・」
「そうね、日本を乗っ取ろう、首相を目指そうだなんて、全く考えてないんでしょうね。
現に、世界一の金持ちの王様のブレーンになっちゃった。しかも、王様の資金を使うんじゃなくて増やそうとしているんだから驚きよね。
王様が気に入るはずよ。日々、詐欺師たちがあの手この手で投資話を持ち掛けて、王族の資産を奪おうとして虎視眈々と集まって来る中に、ビタ一文要求しないヤツが居るなんて、初めてなんじゃない?
愛娘を預けるなら最高の相手でしょ?」
「調べたんだけどさ、あの国の石油が有限だから、資産を中東で投資してきたのよ。国民50万人が飢えない様に中東の油田の採掘権を買ったり、アラブの再生エネルギー開発に投資したり、そこへ彼が現れて、「中東に投資する必要はありません。自国内で全て解決できます」って言ってるようなもんじゃない?」
「そうだね・・そんなヤツが居るだなんて、誰も想像していなかったけど、マジかよ、居やがった!みたいな感じだろうね」
前田外相が真面目な顔をして言う。
「国王の特使として、彼がブルネイの投資国に出向いて、今までのブルネイ王室の投資を回収しながら、プルシアンブルー社がブルネイの投資の跡を埋めるように進出してゆく・・
アラブ諸国もブルネイ王室も喜ぶ・・どぉ?イッセイ君が描きそうなシナリオでしょ?」
「ありえるね!いや、きっとそうだよ!」
3人の大臣が盛り上がっている中で、金森鮎だけが動揺していた。
モリがブルネイを拠点にして事業を拡大しようとする可能性を鮎も考えては居た。恐らくそれがベストの選択であるのも理解していた。
しかし、鮎にとっては「モリが国内に居ない」という状況を受け入れたくはなかった。
知事である前に、未だに女としての自分を求めてくれる男がどうしても必要だった。定期的であっても要求以上の役目をきっちりと果たしてゆくモリを、自身も強く求めている。20年間体に刻み込まれたモノを失いたくはなかった。
「彼の日本での居場所を作る必要がある」
漠然としていたプランを、より具体的なものとして固める必要性を、鮎は強く感じていた。
ーーーー
車は石巻市の中心部に、撤退が噂されている首都圏デパート「六越」の2階建ての出張店舗の向かい側に車が到着する。
PB Enagyのガソリンスタンドの隣、暫くの間空いていたスーパーの店舗跡をPB Martが購入した。
ガソリンスタンドと同じ薄いグレーでペイントし、青字の看板が掲げられていた。
駐車場に停めて、オープンしたばかりの店舗に一同が入ってゆく。
1階がスーパー、2階がカジュアル服、3階がフードコートになっている。
源 由紀子と貝原 凪、そして塩屋 多江の自称・南三陸寡婦会の3人がスタッフ室に入ると、平泉家の理美 店長と、理美の長女でPB Mart社長の里子、次女の理子の3人が立ち上がって出迎える。
「遅くなってごめんね。開店おめでとう」由紀子は同級生の理子に胡蝶蘭の鉢を渡した。
「ありがとう。・・全部、先生のお金なんだけどね」理美の後半は囁きになったが、由紀子は笑った。
気仙沼で旅館経営の貝原は平泉家と初めてなので紹介し、同じ石巻市で蒲鉾製造の塩屋は、練り物をスーパーに卸しているので、由紀子と凪と、立場が少々異なる。塩屋は翔子と里子の高校の後輩だと知り、里子が驚く。
「あれ?先輩おめでたなんですか?」
塩屋が里子のお腹を見ながら言う。確かにスーパーのユニフォームとは違う、マタニティっぽいワンピースを着ているし、のけぞった際にお腹が出ていた。
「はい〜」と右肩上がりの声で里子が言うと、母親の理美と由紀子が苦笑いする。誰の子なのか、里子が言いたそうな顔をしているからだ。
「お姉ちゃん、フードコートオープンの時間だよ」妹の理子が言うと、里子がペコリと頭を下げて出ていった。
「お昼前に見てくるといいよ。結構評判なんだ」理美が由紀子にウィンクする。里子と由紀子の娘の翔子が5店舗のメニューの大半を決めて、オープンさせた。他の5店舗は、仙台と盛岡の資本によるものだ。
「スーパーも賑わってるみたいだね。良かったねぇ」
「それより凄いのは衣料店だよ。東北1号店が石巻市だから、結構遠くからも来るんだ」
貝原と塩屋のこの日の狙いは衣料店、PBだった。
「結納金として見たら破格だよね?」
「工場誘致に成功した由紀子には、言われたくなかったな〜」
「誘致で潤うのは、気仙沼市だけど?」
「あーもう、頭がいいんだからさ、ちょっと想像してみようよ。4月には石巻市と東松島市で市長選がある。10月には南三陸町の町長選と県知事選がある。オマケにこの裏金騒動で気仙沼選出の議員さんも引っかかるよ。何しろ公職選挙法違反で一度議員を失職しているからね」
「それで?」
「それでって・・いい?もしもの話だけど、先生か鮎先生が、県知事か宮城選出議員の補選に立候補するって表明してから、2つの市長選と1つの町長選を2人がバックアップしたら、誰が出ても当選するでしょ?」
「そうかなぁ?」
「あのね・・娘と孫達全員を上納したからって、工場を誘致したり、スーパーとスタンドの経営を託したり、する?」
「先生ならあり得るんじゃない?」
「そうかもしれないけどさ、皆で彼に又を開いてくれたからって、こうはならないって。
考えて見てよ。工場進出を表明した県は富山の次は宮城、岐阜の順番だったんだよ。国会議員の補選が確実にある北海道、長野、広島、和歌山、山口、横浜で工場進出ってしてないよ。宮城にエース級の候補者を送り込んで女川原発を止める。三陸沖で大規模太陽光発電もするんだからね」
スーパーの一室に居る誰もが、ここ数ヶ月の由紀子の変化に驚いていた。
美しさに磨きがかかり、明らかに若返った。
由紀子を変えたのが"誰"なのかも知っていた。
その男が、由紀子を市長選か町長選に担ぐつもりなのだろうと、勝手に想像していた。
モリが初めて公設秘書に据えたのは名家・志位家の後妻で気仙沼の源家の主、由紀子だ。
「モリの公設秘書」という肩書きは、政治家を志す者にとっては垂涎の的で、伝説の聖剣や魔術に匹敵する・・
「先生は徹底的にやる方です。決して中途半端な策は取りません。もし、ご自分が宮城で立つつもりが無いのなら、今表明している支援策以上の投資や政策を講じる筈です。私は先生に宮城に来て頂くよう、お願いしようと考えています」
次女の理子が確信した様に言うので、由紀子も驚く。モリと繋がってから急に大人になり、以前よりも美しくなった。
・・先生が宮城に来る?・・
そう考えただけで下腹部が濡れるのを、由紀子は感じていた。
・・・このように、身内も各人各様で、それぞれが勝手な解釈をしている状況にある。
モリ自身は、次の己のポジションをどうするのか、未だ決めかねていた。
しかしすでに年の瀬だ。
中国だけでなく、周辺国政府も周辺国企業も2020年の総決算に動き出している真っ最中だ。年末年始はのんびりと過ごしているのは3月の年度末決算というガラパゴスルールを採用している日本だけかもしれないが、周辺国にとっては年の後半に突如として現れた障害要因になりうる存在、プルシアンブルー社に注目せざるを得ない状況にあった。
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コロナ源の中国・コロナが拡大した北朝鮮に接しながらも、韓国は効率的にコロナの侵入を食い止め日本以上の成果を上げた。12月に富山が特効薬の開発に成功するまでは韓国政府は中国・台湾と同様に大健闘、称賛に値する働きをし、韓国と比べると日本政府と厚労省とコロナ対策チームの愚かしさが浮き彫りとなった。
2020年GDP成長率は前年比マイナス1.0%の見込みだが、マイナス3%近いと言われている、失敗した日本と比べれば誇って良い数値だ。
確実に韓国経済は成長して、日本の背中が見え始めており、先進国入りも射程圏内に入った。
アジア通貨危機に直面した1998年(マイナス5.0%)以来のマイナス成長となったが、コロナ禍でマイナス1%は上出来と言えるだろう。分野毎の数値を見ると、韓国政府の有能さが如実となる。
民間消費はサービス(飲食宿泊、運輸など)と飲料・食料品が全て減少し1.7%減。
政府消費は物件費、健康保険給付費などを中心に0.4%減。
建設投資は堅調に推移し建物、土木建設が全て増加し、6.5%増。
設備投資は工場が操業していない期間があれども機械類は増え、輸送機器が減少しトータルで2.1%減の見込み。
輸出は半導体、化学製品などを中心に5.2%増。輸入は機械および設備などを中心に2.1%増と、経済は止まらずに動いていたのを概ね証明して見せたと言えよう。
業種別では、農林漁業が4.9%増、製造業は化学製品、コンピュータ、電子・光学機器などが増加し2.8%増。
電気・ガス・水道事業は電気業を中心に5.9%増。建設業は建物や土木建設が全て増加し2.6%増。
サービス業はコロナの影響で宿泊飲食、運輸などは減少したが、情報通信、医療・保健および社会福祉サービスなどが健闘して0.4%増の見込みとなった。
その一方で暗雲が立ち込めている。輸出はコロナ禍でも堅調に推移したのは前出した通りだが、中国市場は韓国企業にとって厳しい市場となりつつある。
大手自動車会社ヒュ〇ダイは嘗ては中国大陸で100万台以上を売上げ、中国内自動車販売台数の7%にまで達したが、現在は1%ほどにまで落ち込んでいる。世界では相応のシェアを持つサム○ンのスマートフォンは中国製品に押され、現在は1%以下のゼロコンマを更新し続けている。
背景には様々な理由があるが、国民の愛国消費運動により中国企業は国内市場での競争力を高めており、結果的に輸出競争力も上がり、韓国、日本市場だけでなく世界に販路を拡大している。
2010年代以降から製品の品質向上と共にブランド力も身に付け、韓国製品、日本製品と拮抗するまでになった。
その内に日本を抑えて世界1位の自動車輸出国になるだろうと言われるようになると、中国政府は莫大な投資をつぎ込んで製造業の巨人になろうと野心を顕にするようになった。
隣に中国という巨大市場が有りながら、撤退寸前の状況に追い込まれている韓国企業は、策を凝らしてはいるのだが打開策が見当たらない。
それ故に韓国は中国以外の商圏を狙ってビジネスを広げてきた。
しかし、突如として秋口以降から東南アジアとCIS諸国(旧ソビエト圏)での売上が減少を続けている。韓国政府も原因を特定しようと注目し、産業省と外務省が中心となって調査をしていたが、モバイル関連と中古車市場で、プルシアンブルー社の製品が両市場で急成長し、該当の韓国製品の輸出売上が急停止状態に陥った、と判明した。
日本のコロナ対策不備をアザ笑い、政府間の関係がギクシャクしている現政権は対日本となると腰が重く、アプローチに二の足を踏む。プルシアンブルー社はシンガポール企業でありながら、企業幹部達は富山を拠点としてきたという点を見て、日本政府を経由する必要はないと判断した。北米、ロシア、東南アジアでもプルシアンブルー社と富山県は日本政府とは一線を画して独自に動いているからだ。
プルシアンブルー社の日本法人本社がある富山はコロナ渦を脱しており、富山空港と富山港は来年早々の可動再開の準備が整っている。
韓国経団連は富山県知事とプルシアンブルー社のゴードン会長、サミア社長に宛ててレターを出し、富山訪問の打診をしてきた。
「富山シリコンバレー計画とメディカルサイエンス計画で国際研究施設を設立されると伺った。韓国企業としても参画を検討したい。お話を聞かせて頂けないでしょうか?」と、認められていた。
「どう思う?」サミアが夫のゴードンに訊ねる。「話は聞く。どんな話なのか分からない体で臨もう。
推測は沢山できるけど、どれもこれもアチラさんにとっては都合の悪い話になってしまう。だからこそ冷静に相手の話に耳を傾けてみようと思う」
「推測は酷いものしかないの?」
「そうだね。まず入口からして違う。
彼らは中国市場に何としても参入したいと考えているだろう。僕らは、別に中国に興味を持っていない。市場として見るなら、インドやインドネシア・ベトナムの人口が拡大している方がよっぽど面白そうだと思っている。
まあ、面白くもない相手に進出したがる、日本や韓国企業の感覚が僕にはサッパリ分からない」
「そう言っちゃうと、私達の方が変わり者扱いされちゃうけどね。でも、多分、その程度の相談だよね?」
「うん。中国市場からノーを突きつけられてるのに、それでも何とかしようって考えるのは時間の無駄だと思うんだ。それに、韓国の政治家の仕事でしょ?何で韓国与党が忌み嫌っている日本に、突破口を求めるんだろう?」
「だからこそ、知事やボスに連中を合わせたくはないんだけど、まぁ知事には挨拶くらいはしていただこうかしら?・・それでいいよね?」
「あぁ・・」
「あっ!」
ゴードンに突然腕を引かれて、サミアはベッドの上にしなだれ掛かっていった。
ゴードンとサミアが乳繰り合いながら話し合う程の相手でしかないのも、技術収奪で成り上がった企業でしかないからだ。
夫に抱かれながら、サミアは考える。
独創的な技術が無い相手と組む必要はない。それが世の理であり定説でもある。
資本提携の必要性など考えるまでもない。しかし、富山県として「国際研究施設」を謳った以上、無下にも出来ない立場でもあるのも事実だ。
・・夫に不満は無い。それでも、どうしてもボスの方が上回る・・余計な事を、行為中でも考える余裕があるレベルって話なのよね・・
サミアは敢えて溺れている様に演じ始める。目を閉じて、ボスに抱かれているのを思い出しながら。
(つづく)
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