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TRPG制作日記(410) 橋姫、般若(能に登場する女性妖怪)

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは、妖怪を召喚して事件を解決したり対戦したりする対話型ゲームです。

現在、登場する妖怪を制作しています。


C060
カード名:橋姫[はしひめ]
攻撃力:120
効果:自分の戦闘前フェイズに相手妖怪一体を対象に発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、対象の妖怪を破壊して、さらに相手の場に存在する絡新婦、玉藻前、紅葉狩あるいは攻撃力が120以下の相手妖怪一体を選択して破壊する(相手の場に該当する妖怪が存在しない場合は追加の破壊は行われない)。また、相手の戦闘フェイズ開始時に発動できる。六面ダイスを一回振り4以上ならば、戦闘フェイズを終了させる。この妖怪は鬼族である。
解説:橋姫の社は山城の国宇治橋にあり。昔、夫に離縁された女が、貴船神社の神託に従い三つの脚に火を灯した鉄輪を頭に乗せて祈ると鬼になった。そして、裏切った夫と後妻を襲ったが安倍晴明の祈祷を受けて退散した。現在は瀬織津姫が宇治橋から離れた橋姫神社で祭られている。丑時参の起源と言われている。【鬼になる】【戦闘+4(鬼になった場合)】【橋を守る(橋を渡れなくしたり、大雨で流されるのを防ぐ)】


C061
カード名:般若「はんにゃ」
攻撃力:120
効果:自分の戦闘前フェイズに相手妖怪一体を対象に発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、対象の妖怪を破壊する。また、この妖怪の攻撃宣言時に発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、戦闘相手の妖怪の攻撃力を100下げて、攻撃力が0になったら破壊する。この妖怪は鬼族である。
解説:般若は経の名にして苦海をわたる慈航とする。源氏物語で、光源氏の正妻である葵上は六条御息所の生霊に憑かれて苦しんでいた。嫉妬する女性の鬼の面を般若面というのは、能の演目「葵の上」において、六条御息所の怨霊が経の読誦を聞いて「あらおそろしのはんにゃ声や」と言ったことに起源がある。【交渉+4(六条御息所は高貴なので相手は萎縮して従順になる)】【呪う】

『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPG

橋姫は、平家物語、能、橋姫神社とそれぞれ異なる伝承があり、しかも混じっているように思えます。

解説は能の「鉄輪」をベースにして、少しばかり橋を守る瀬織津姫としての特徴を効果に加えました。

能では、夫と後妻を襲う話なので、一体破壊して、ついでに女性の関係者をもう一体破壊できる効果にしました。

鳥山石燕の画集には、橋姫とは未婚女性の妖怪と書かれていましたが、何か特定の意図がある完全な創作だと判断して、橋姫の解説は、広く知られている一般論に限定しました。


また、般若は六条御息所の生霊なので、生霊と似た効果に調整しました。


C035
カード名:生霊[いきりょう]
攻撃力:50
効果:この妖怪の攻撃宣言時に発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、戦闘相手の妖怪の攻撃力を100下げて、攻撃力が0になったら破壊する。また、この妖怪は相手妖怪を戦闘で破壊できない。
解説:女性の思いが霊になった妖怪。源氏物語において、六条御息所は光源氏の正妻である葵の上に嫉妬していた。そして、六条御息所から生霊が抜け出して葵の上を苦しめたと言われている。また、恋した若い女性の強い思いが抜け出して、生霊となり相手の男性を呪ったという話もある。【憑依(他者に憑依して操る)】

C036
カード名:死霊[しりょう]
攻撃力:50
効果:この妖怪の攻撃宣言時に発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、戦闘相手の妖怪の攻撃力を50にする。また、この妖怪は自身と同じ攻撃力の妖怪との戦闘では破壊されない。また、この妖怪は相手妖怪を戦闘で破壊できない。
解説:死者の思いが霊になった妖怪。生きている者から抜けた霊を生き霊、死んだ者から抜けた霊を死霊という。源氏物語において、六条御息所は死後も死霊となり紫の上などの光源氏の周りの女性達に取り憑いた。六条御息所の娘は、母が成仏できていないことを悲しみ供養したと言われている。【憑依(他者に憑依して操る)】


般若面自体は、六条御息所だけではなくて、能に登場する鬼達は基本的には般若面で表現されています。

黒塚を含めて、女性の鬼はほぼ全員が般若です。



今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。

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