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TRPG制作日記(501) ゲーム制作における舞台設定において重要な点
現代稲生物怪録TRPGとはキャラクターを演じて楽しむ対話型ゲームです。プレイヤーはキャラクターシートを読み、キャラクターを演じながら洋館からの脱出を目指します。
ある朝、四人の高校生が目を覚ますと洋館の正面広間にいた。広間にはスリコギ手と名乗る着物姿の娘がいて、明日の二十四時までに銀の鍵を手に入れることができなかった場合は全員を妖怪館に永遠に閉じ込められると伝えた。銀の鍵は洋館にいる妖怪が盗んだ可能性が高いようだ。また、銀の鍵を手に入れるために、補佐として妖怪が封じられたカードをそれぞれの高校生に渡していると教えてくれた。確認すると、確かに六枚ずつカードが配られている。さあ、高校生達は無事に銀の鍵を手に入れて妖怪たちの暮らす洋館から脱出することができるのだろうか?
ゲームの設定には、人物、世界、舞台の三つの分野があります。
また、個性と魅力のあるゲームには、たいてい舞台設計において以下の三つの要素のどれかがあるものです。
物語性
特殊性
際だった状況
今日は、舞台設定に必要な要素を考えてみます。
第一の物語性とは、登場人物とは関係なく、舞台そのものに訪れる物語です。
たとえば、隕石が衝突して人類が絶滅寸前の地球、沈没しようとしている豪華客船などが「物語のある舞台」となります。
歴史や戦争などの物語がある舞台も、物語のある舞台です。
第二の特殊性とは、特殊な構造を持つ舞台です。たいてい、なぜ舞台がそのような特殊性をおびるようになったのかという謎が面白さを生み出します。
鏡に映したように似ているが、微妙にことなる二つの世界を行き来して世界の秘密を明らかにする。
四つの異なる世界にそれぞれ同じ顔の主人公がいる。
脱出するために楽器を集める必要がある島。
主人公以外に人間のいない国。
などのような、不思議な設定を持つ舞台で、その不思議さのなぞを解くことがシナリオを攻略することでなぞが明らかになる世界です。
第三の際だった状況のある舞台とは、学園や洋館、宇宙船など特殊な状況にある狭い舞台です。
学園なら学園らしい人物と価値観、宇宙船なら宇宙船らしい専門用語や価値観があることが面白さになります。
このように狭い特徴のある世界を「際だった状況にある舞台」と言います
現代稲生物怪録TRPGは、妖怪が棲む裏の世界の洋館が舞台樽という点で「際だった状況の舞台」に属しています。
また、稲生物怪録で活躍した稲生家と魔王の配下が登場していて、かつ誰かが銀の鍵を盗み何かを企んでいるというミステリーが、「物語のある舞台」となります。
また、TRPGとしては、学園で交流のある主人公達が、学園とは無関係の洋館で謎解きをするという部分は、つまりキャラクターたちの学園では見せない裏の顔を見せるという点が多少複雑な、「特殊性のある舞台」として昨日することになります。
とはいえ、現代稲生物怪録TRPGは「際だった状況の舞台」であるTRPGであると言えるでしょう。
基本は、洋館からの脱出になるからです。
今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。