TRPG制作日記(316) 三体の怪鳥たち
鵼、以津真天、陰摩羅鬼といえば、古典に登場する有名な怪鳥です。鵼と以津真天は似たように登場して、似たように討伐されます。また、以津真天と陰摩羅鬼は供養されていない死者の霊です。
現在、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGに登場するアマテラスカードの妖怪を制作しています。
今日は、三怪鳥です。
アマテラスカード『
C076
カード名:陰摩羅鬼[おんもらき]
攻撃力:140
効果:この妖怪は効果では破壊されず、この妖怪以外の効果では攻撃力が変化しない。この妖怪の攻撃力は墓地に「皿かぞえ」か「人魂」族がいない時に0になる。戦闘前フェイズに相手妖怪一体を対象に発動できる。六面ダイスを一回振り4以上ならば、対象の妖怪を破壊する。また、戦闘前フェイズに発動できる。六面ダイスを一回振り、4以上であればこの妖怪の攻撃力を墓地の「皿かぞえ」と「人魂」族の数だけ100上げて、3以下であれば召喚者は退場する。この効果を発動したターン終了時に召喚者は退場する。
解説:初めて新たなる屍の気、変じて陰摩羅鬼となる。清尊録によると、男が寺で寝ていると自分を叱る声で目を覚ました。そこには姿は鶴のようで、色は黒く、眼光は灯火のようで翼を震わせて甲高く鳴く怪鳥がいた。後に僧侶に尋ねると、この寺にはそのような妖怪はいないはずだが、数日前に遺体を仮置きしたと答えた。供養されていない遺体の気が妖怪になったと言われている。
C077
カード名:皿かぞえ[さらかぞえ]
攻撃力:20
効果:自分戦闘前フェイズに相手妖怪一体を対象に手札から発動できる。このカードを墓地に送り対象の妖怪の攻撃力を20下げる。自分戦闘前フェイズに発動できる。六面ダイスを連続した数字が途絶えるまで連続で振り、連続した数字が出た回数だけ相手妖怪を選択して破壊する。
解説:可哀想な少女の霊。ある屋敷で働いていた下女は、十の皿を一つだけ井戸に落としてしまい、その罪で殺されてしまった。その後、少女の霊が井戸に現れて皿を一枚、二枚と数えて十枚目がないことで泣き叫ぶようになったらしい。また、皿を盗んだという冤罪で殺された下女の霊が皿を数えるという話もある。
C078
カード名:人魂[ひとだま]
攻撃力:20
効果:自分戦闘前フェイズに手札から発動できる。このカードを墓地に送る。自分「陰摩羅鬼」が破壊され墓地に送られた時に墓地のこのカードを手札に戻して、相手妖怪一体を対象に発動する。「陰摩羅鬼」を墓地から召喚して、対象の妖怪を破壊する。
解説:骨肉は土に帰し、魂気の如きはゆかざることなし。陰摩羅鬼になる前の、ふらふらとした弱々しい魂。
C088
カード名:鵼[ぬえ]
攻撃力:140
効果:この妖怪は効果では破壊されない。この妖怪が場にいる時に、相手場の妖怪は攻撃力が50下がり、この効果で攻撃力0になると破壊される。また、この妖怪の攻撃力は墓地にある「皿かぞえ」及び「人魂」族の数だけ50上がる。
解説:鵼は深山に住める化鳥なり。平安時代、天皇が黒雲と不気味な鳴き声に苦しめられていたので源頼政が討伐することになった。上空に怪しげな黒雲が現れたので射ると、黒雲の正体は頭は猿、手足は虎、尾はくちなわの怪鳥で、鳴き声が鵼に似ていたので鵼と名付けることになった。
C089
カード名:以津真天[いつまで]
攻撃力:140
効果:この妖怪は効果では破壊されない。召喚成功時に発動する。墓地に「皿かぞえ」又は「人魂」族が存在する場合に、この妖怪の攻撃力は200になる。また、攻撃宣言時に攻撃力100以上の自分妖怪一体を墓地に送ることで発動する。六面ダイスを振り4以上ならば、この妖怪の攻撃力は戦闘終了まで400になる。
解説:いつまでいつまでと鳴きし怪鳥。太平記によれば、疫病で多くの死者が出たと年に紫宸殿の上空に怪鳥が現れて、「いつまで、いつまで」と不気味な声で鳴いた。鵺を退治した先例に習い弓の名手に射させると、翼を伸ばせば5メートル、人面で身体は蛇のようで足には剣のような鋭い爪がある妖怪だった。都の外には疫病で亡くなり放置されたままの死者がいて、彼等の霊が怪鳥になったと言われている。
』アマテラスカード
三怪鳥は、皿かぞえと人魂を資源に戦う妖怪としてデザインしました。鵺は人魂とは関係ないのですが、以津真天の仲間なので今回は人魂系の皿かぞえと人魂の関係づけました。
鵼も以津真天も天皇を狙った妖怪なので、強めにしています。
また、陰摩羅鬼は鵼と以津真天の仲間と言うことで、同じ攻撃力140の妖怪にしました。
三体ともキメラ系の妖怪です。
鳥山石燕の百鬼夜行では、陰摩羅鬼、皿かぞえ、人魂が順番に収録されていました。
今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。