TRPG制作日記(221) 宇宙都市と仮想世界3
『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGは宇宙都市で暮らす高校生たちがカードプレイヤーとなり仮想世界を冒険するゲームです。参加者はゲームマスターとプレイヤーに別れて、ゲームマスターが進行を行い、プレイヤーは高校生たちを演じます。
今日も、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGのルールブックの制作を進めていきます。
現在は第二章、世界観の章を制作しています。多くのSF小説では、宇宙都市というと過酷な環境のように描かれますし、文化もそれほど豊かでは内容に描かれていますが、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』に登場する宇宙都市は広大で、そして多彩で過ごしやすい場所です。
『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』は、あらゆる人々が未来について考えることができる環境を提供する。科学、文学、歴史の物語を結びつけることでそれを実現することを理念にしています。
同時に、科学が発展することにより人類の生活は浴衣になるという仮定に基づいています。豊かにならないのは、それは科学技術の問題ではなく、それを国民の生活ではなくて生産の効率化のみに偏重して使用する古い資本主義の仕組みのためです。
『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』の世界は、新しい社会主義、誰もが社会に参加できるという点での本来の定義での社会主義社会です。
今日、第二章の宇宙都市と仮想世界を書き上げたので、以下に掲載します。
ルールブック第二章『
宇宙都市と仮想世界
太陽神の巫女の世界では惑星間革命、二十一世紀の末に起きた汎用人工知能の反乱により国際社会は一度崩壊している。そして、反乱を起こした人工知能達は、水星、金星、地球、火星、木星、土星、天王星、海王星の八つの惑星を支配下に置いて、八惑星連邦を建国することで新しい秩序を構築した。しかし、人工知能による秩序に抵抗して、UCPとエッジワース・カイパーベルト諸国が生まれる。この事件によって、日本は八惑星連邦の日本国、UCPの同盟国である日本立憲民主主義共和国、エッジワース・カイパーベルト諸国の一国である日本皇国の三つの国に分裂した。物語の舞台となる仮想世界アマテラスワールドは、現代日本の直系である日本国に展開されている。日本国は八惑星連邦の構成国で人工知能の支配下にある。日本国は二カ所、地球の日本領土と海王星の衛星トリトン周辺に自治領域を持つ。
日本国は衛星トリトン周辺に、日本の都道府県に対応した、日本の都道府県と同じ名前の四十七隻の宇宙都市を運用している。宇宙都市というのは、人間が宇宙で暮らすために建造された巨大な宇宙船である。日本国が保有する宇宙都市は、すべてクジラ型と呼ばれるクジラに似た外見の宇宙都市である。内部は集合住宅のように階層構造で、一つの部屋が極めて大きいことを除けば地球上の普通の船舶と同じである。宇宙都市には地球の山や海が再現しており、北海道には雪の山脈が、山梨県には富士山が、沖縄県には珊瑚礁の美しい海が広がっている。宇宙都市の大きさは最大の東京都が全長五五キロメートル、最小規模の香川県が二二キロメートルである。四季が存在しており、しかし台風や地震などの自然災害は存在しない。宇宙都市は核融合炉による豊富な電力により管理されて、夏も冬も室内は快適である。そして、宇宙都市にはアバター操作装置により接続できる仮想世界が設置されている。
惑星の中では最も外側にある海王星は、太陽から三〇天文単位の距離、太陽と地球の間の三〇倍の位置を公転している。辺境の地である。海王星の直径は約四万九千キロメートルで地球の四倍で、海王星の周辺の宇宙領域を海王星地方と呼ぶ。衛星トリトンは海王星最大の衛星であり、その直径は二七〇〇キロメートルで海王星から約三五万キロメートル距離を回っている。日本国の宇宙都市は、衛星トリトンの周辺一万キロメートル以内に密集して存在している。海王星には、日本国の他には韓国、フィリピン、インドネシアなどの中国、北朝鮮、ベトナム以外の東アジア、東南アジアの国々が自分達が運用する宇宙都市で生活している。そして、多くの宇宙都市は内部に数多くの多様な仮想世界を展開して運営している。光速は秒速三〇万キロメートルなので、仮想世界を展開している宇宙都市から半径四万キロメートル以内は違和感なく接続できる。アマテラスワールドは東京都から展開されているので、すべての日本の宇宙都市で暮らしている高校生は接続可能だが外国からの接続は難しい。
宇宙都市そのものが大きく交通は無料なので、高校生たちは自分達の宇宙都市を探検するのが好きである。休日を歌劇場や美術館、競技場で過ごすことも多い。しかし、同時に彼等は仮想世界を冒険するのも好きである。仮想世界には二つの種類があり、第一種は完全に異世界として構築された仮想世界である。第一種の仮想世界には原住民と呼ばれる仮想世界で生まれた汎用人工知能が暮らしている。彼等は宇宙都市で暮らす人間と同じように人工知能の良心から生まれて人間と同じように成長して死んでいく。原住民の中には現実世界の存在を知らない人工知能も存在している。一方、学問や教育、遊戯のために構築された仮想世界も存在する。アマテラスワールドは第二種の仮想世界に該当しており、そこはアマテラスカードゲームを楽しむための遊戯用仮想世界である。しかし、元々は第一種の仮想世界だったので、広大で、多様な原住民が暮らしている。神仏や妖怪、人間達は高校生を接待するだけではなく自分達の生活がある。アマテラスワールドは一つの世界として完結している。
宇宙都市と仮想世界。二十二世紀の日本は一つの現実世界と、その背後に広がる多様な異世界により構成されている。八惑星連邦の世界はロシア人形に似ている。八惑星連邦という巨大な国の中に、アメリカや中国、日本などの地球起源の国がある。そして、日本などの地球起源の国は宇宙都市という宇宙船の集まりである。さらに、宇宙都市には多くの仮想世界が展開されている。大きな人形に同じ姿の小さな人形が入っていて、その小さな人形にはもっと小さな同じ姿の人形が入っている。また、宇宙都市の人々が接続装置により仮想世界を訪ねることができるように、仮想世界の汎用人工知能達も現実世界のアバターロボットを使用することで宇宙都市で活動できる。そのため、宇宙都市には仮想世界出身者が観光に来ていることもある。仮想世界の住人にとっては、宇宙都市というのは神秘的な異世界である。
』ルールブック第二章
経済の問題に関しては触れませんでしたが、それは経済を扱うと記述が煩雑になると判断したからです。
たとえば、マルクスの『資本論』においては、資本主義におけるお金とは物々交換の延長で生まれた金の仲間ではなくて、契約の延長で生まれた権利として解釈されます。お金とは社会に参加できる権利です。
二十二世紀の日本には、宇宙都市内の様々な施設、生産される食料や家具などを手に入れて、地域社会に誰もが参加できる権利があります。また、仮想世界にも自由に行くことができます。
貧困は存在しません。なぜなら、貧困とは、国民でありながら社会に参加する権利を剥奪するという意味なので、人権の理念から遠いのです。資本主義は法律ではなく、経済により排除を行うシステムです。
第二章は、以下の目次を計画しています。
第2章 世界観
1節 二十二世紀の日本
2節 宇宙都市と仮想世界
3節 アマテラスワールド
4節 カードプレイヤー
5節 案内役の妖怪たち
6節 七福神と管理者
7節 日本皇国と秘された記録
二十二世紀の日本の状況と、日本を形成している宇宙都市と仮想世界に関する部分を終えたので、次回は3節の「アマテラスワールド」を書いていきます。
今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。