TRPG制作日記(330) 海の妖怪と山の妖怪
海と山、と聞けば日本神話の海幸彦と山幸彦の物語を思い浮かべる人がいるかもしれません。
山幸彦は海の底にある海神の宮へ行き、そこで海の力を手に入れます。
現在、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGの妖怪を制作しています。今日は海座頭と野寺坊です。
アマテラスカード『
C025
カード名:海座頭[うみざとう]
攻撃力:145
効果:自分の戦闘前フェイズに発動できる。六面ダイスを一回振り4以上ならば、相手の妖怪をすべて墓地に送る。また、自分のぬらりひょんが攻撃宣言された時に発動できる。六面ダイスを振り4以上ならば、この妖怪を召喚して攻撃宣言した妖怪を墓地に送る。
解説:海坊主の仲間で、船を難破させる災害の妖怪。昔、釣りを得意とする海幸彦と狩りを得意とする山幸彦の兄弟がいた。ある日、海幸彦と山幸彦は釣り針と弓を交換したが山幸彦は釣り針をなくして海幸彦に叱責された。山幸彦は釣り針を探し海神の宮へ行き海の力を手に入れて、海幸彦を支配した。山幸彦の孫が神武天皇である。
C026
カード名:野寺坊[のでらぼう]
攻撃力:145
効果:相手妖怪を戦闘で破壊した時に発動する。相手妖怪をすべて破壊する。また、この妖怪が破壊された時に発動する。六面ダイスを一回振り5以上ならば、相手の妖怪をすべて墓地に送る。
解説:荒れた寺で鐘の音を鳴らす正体不明の妖怪。瓊瓊杵尊の息子、海幸彦と山幸彦の物語は天孫族と隼人族の歴史だと言われている。天孫族は海の力を手に入れることで、隼人族を支配することに成功した。源氏物語でも山に起源のある紫の上ではなく、海に起源がある明石の君が国母の母となる。
C045
カード名:ぬらりひょん[ぬらりひょん]
攻撃力:125
効果:自分の戦闘前フェイズに発動できる。六面ダイスを一回振り4以上ならば、相手の手札をすべて破壊して墓地に送る。また、相手の攻撃宣言時に手札から発動できる。六面ダイスを一回振り5以上ならば、この妖怪を召喚して攻撃力を30上げてその攻撃を代わりに受ける。戦闘終了後、攻撃力は元に戻る。
解説:瓢箪鯰のようなぬらりくらりとした掴み所のない老人の妖怪。時には刀を差した武士の姿で、時には袈裟を着た僧侶の姿で、時には商人の姿で現れる。勝手に座敷でお茶を飲んでいることもあれば、他人の屋敷で主人のように振る舞うこともある。海坊主の仲間という説もある正体不明の妖怪。なお、海坊主は自分の存在に気付かれると船ごと沈める凶悪な海の妖怪である。
』アマテラスカード
海座頭は高貴な僧侶の姿を、野寺坊は貧しい僧侶の姿をしています。海と山のモチーフは、日本書紀、古事記から源氏物語に至るまで、繰り返し日本では使われるので、鳥山石燕の二体の妖怪も、おそらくそれに倣ったのだと解釈しました。
なお、海坊主の海座頭が天皇ならば、同じ海坊主のぬらりひょんの武士姿は皮肉が効いています。
海坊主は海なので、破壊せずに墓地に送る効果にしました。
また、野寺坊は破壊にしましたが、海幸彦がモデルとなっていると解釈しているので海の力(破壊せずに墓地に送る)を少しだけ残しました。
山幸彦は海幸彦から海の力(おそらく貿易)を奪うことで、明石の君(源氏物語のヒロイン)も紫の上(源氏物語の悪役令嬢)からの協力により天皇の系列を生み出します。
今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。
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