TRPG制作日記(325) 既婚者は女の敵、嫉妬する女の妖怪。
橋姫と般若、日本には、美しい女性に嫉妬して妬み鬼になった女性の妖怪たちがいます。
ところで、なぜ嫉妬の妖怪を般若と呼ぶのでしょう? もちろん、般若心経を毎日唱えている仏教徒が嫉妬深いからではありません。
現在、『太陽神の巫女-AmaterasuCard-』TRPGを制作中です。今回も妖怪たちを制作していきます
今日は嫉妬の妖怪、橋姫と般若です。
橋姫は容姿に恵まれず、鬼になった妖怪です。醜い女性の嫉妬という醜い宇心からどのような妖怪が生まれたのでしょう。
アマテラスカード『
C060
カード名:橋姫[はしひめ]
攻撃力:120
効果:自分の戦闘前フェイズに発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、場の妖怪をすべて墓地に送る(この妖怪も墓地に送られる)。この妖怪は鬼族である。
解説:橋姫の社は山城の国宇治橋にあり。容姿に恵まれておらず、それが理由で結婚できなかった女性から生まれた嫉妬の鬼。橋の守り神となり、他の土地から国を守る愛らしい水の女神になった。公卿の娘が嫉妬により宇治川で呪いの儀式を行い、鬼神になったという説話が有名である。丑時参の起源だと言われている。
C061
カード名:般若「はんにゃ」
攻撃力:120
効果:自分の戦闘前フェイズに相手妖怪一体を対象に発動できる。六面ダイスを一回振り3以上ならば、対象の妖怪を破壊する。この妖怪は鬼族である。
解説:般若は経の名にして苦海をわたる慈航とする。嫉妬する女性の鬼。大般若経、般若心経は仏教の聖典であり、般若とはすべての物事を理解する力とされている。嫉妬する女性の鬼を般若というのは、能の演目「葵の上」で、葵の上に嫉妬した六条御息所の怨霊が経の読誦を聞いて、「あらおそろしのはんにゃ声や」と言ったからだそうだ。
』アマテラスカード
さむしろに衣かたしき今宵もや 我をまつらん宇治の橋姫
と言うわけで、醜い女性の醜い嫉妬から美しい娘の女神が生まれました。それが愛し姫(はしひめ)です。
嫉妬は向上心なので、神が報いてくださったのでしょう。
般若は能楽に起源があるようです。源氏物語が能になり、能が妖怪になりました。
嫉妬の物語というと、誰もが嫉妬するような馬鹿が不幸になる話を期待するかもしれませんが、どちらかといえば、そのような浅い世界観しか持たない人たちに考えさせるのが古典です。
六条御息所の生き霊の面を、般若と呼ぶのは象徴的です。
今日は以上です。最後まで読んでいただきありがとうございました。