子どものスマホ、「買い与え」ではなく「貸し与え」を強くオススメします
まもなく4月。進級・進学を機に、お子さんにスマホを持たせる算段をされている保護者の方も多いのではないでしょうか。
初めてのスマホということで、「必ずフィルタリングを設定」「利用ルールについて親子で話し合え」などと、ネットでもリアルでも言われるところでしょう
しかし、多少なりともお子さんのスマホ利用に関わっていこうという覚悟をお持ちの保護者の方は、何よりもまず「与え方」を大切にしましょう。
ここが崩れると、管理も見守りも「困った時は相談してね」も、すべて絵に描いた餅になってしまうからです。
スマホを子どもの所有物にしない(=買い与えない)
スマホは高価な機器です。つい「大切に扱うのだぞ(≒落とすな、失くすな、壊すな)」のような言葉がけと一緒に、子ども自身に管理させたくなる気持ちも分かります。
中にはご褒美やお祝いとして、馬の鼻先にぶら下げるニンジン代わりにスマホデビューを扱ってきたご家庭もあるかもしれません。
しかしいったん「子どもの持ち物」(≒子どもにとってスマホは「持ち歩ける個室」のようなものです)になってしまったスマホに、その後、保護者が関わることは至難の業です。
どんなアプリで何をしているのか。スマホは、パソコンと違って画面も小さくて分かりにくいですし、そもそも目の届かないところで使うもの。
フィルタリングだのタイマー機能だのを設定したり、調整したりどころか、スマホにちょっと手を触れることすら難しくなってしまいがち。(何、勝手にわたしのスマホに触ってるのよ!)
それに負けず、介入を強行すると、保護者は、子どものやりたいことを監視し、邪魔する「敵」の立場になってしまいます。いったん隠れられてしまうと、あとは運を天に任せるしかなくなります。
貸し与え方式なら無理なく一緒に成長できる
買い与えをやめ、保護者のスマホを「貸している」ことにするだけで、状況は一変します。
何しろそのスマホは保護者の持ち物なのです。ウキウキの開封、初めての電源投入から、アカウント取得やパスワード決めを含むもろもろの初期設定、必要なアプリのインストールまで、保護者が全て一人で作業しないにしても、自然に意思決定の主導権を握りながら、進めていくことが可能になります。
そこさえクリアしてしまえば、使い始めてからは、「保護者のところまで毎晩返しに来い…」とまで厳格に運用する必要はありません。
とはいえ、「必要な時は借りるよ」「新しいアプリを入れたくなったらまずは相談してね」「LINEなど利用の中身は勝手に見ない」といった緩やかな紳士協定くらいは必要になるでしょう。
なお、フィルタリングや管理設定などが苦手な方でも、最低限、AppleIDやGoogleアカウントのパスワードについてだけは、保護者が管理することにしておくのがオススメです。
「スマホのことは子どもにはかなわない」と諦めムードの保護者も少なくありません。
確かに、子どもたちは新しいアプリの使い方に習熟したり、どんなコンテンツが流行っているのかなどが大の得意。
でも一方の大人は、豊富な社会経験に裏付けられた危険予知能力や、人間関係の機微に通じています。
わたしたち大人と子どもたちは、本来、お互いの得意分野を持ち寄り、助け合いながら、スマホやインターネットの上手な利用を一緒に学んでいける存在なのです。
たかがスマホとはいえ、利用の仕方によっては、子ども自身や他者の生命身体、将来の信用などにも大きな影響をあたえかねない存在です。
折りに触れ、その可能性と危険性について話をするチャンスが残せる「保護者の持ち物(貸し与え)」方式を、子どもが18歳になるまで、続けていただくことを、ぜひご検討ください。