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舞台SANZ感想

舞台SANZとの出逢いは今年の春。

   

オーディションから始まった。
事務所を辞め、自分勝手な嫌気がさしていた時の頃。
       
           


自分は役者になりたいわけじゃない、自分は作品を作りたいのだと、なにか作品を創りたいという気持ちでいっぱいだった。
       
           
そして、SEPTという杉浦タカオさんが懸命に作品作りをされている場所に出会った。
   



オーディションで読んだ「アイン」
たった一枚の紙には「ああ」というセリフしかなかった。

   

他の者が何を言っても「ああ」と話を聞き続けるアインに心を打たれた。

   

この台本を書いた人と一緒に作品を作ってみたい、と思った。



杉浦タカオさんだった。
脚本家さんはまた別にいるのだと思っていたから、びっくりした。

   
プロデューサーなのに、台本まで書いているとは。

   


わかりやすい内容なのに、奥が深い。
1人、1人の登場人物が放つ言葉がズシンとくる。

   



きっと、この世界にいる人達1人1人の心のどこかに必ず引っかかるような、オールマイティなルアーのような。

   




こんな言葉の数々を紡いだ脚本を生み出してくれた。

   




稽古に入った頃、「ああ」と言い続けるアインのシーンや、アインの過去を曝け出すシーンは台本からカット。

   


本当は悔しかったけど、良い作品を作る為だ、カットされた部分まで表現できるようになりたい。

   








今はカットされてよかったとも思ってる。

   


自分に表現力足りないことにも気づけたから。

   


そして、アインや、他のSANZ達の過去については自分の中で大事にしていこうと。

   


アインという存在は自分の中では、三途の川にいることを選んだ悪魔、もう1人の自分でした。

   




アインの名前を調べたら「男性の身体を持つ悪魔」であったり、「アインヘリアル(死せる戦士)」であったり…どれをタカオさんがイメージしてアインを作り出してくれたのかわかりませんが、自分がこの世界が嫌いだ!もういたくない!!こんな身体、疲れて潰れてしまえばいいと思っていた頃に死んでいたら、アインになっていたのだと思います。

   



でも気づいてしまったんだ、どんな苦痛な人生でも意味があったんだと。

   

「生きるってことがどれだけの苦痛を伴うかなんて知ってる。でも、それと同じだけの意味があるんだ。」



アインはこれからも三途の川で自分に気づきを与えてくれる存在でいてくれると思います。





ありがとう、生き終えたら、また逢おうね。






「アインは転生を選ばなさそうだね」と感想をくれた方へ。

   


そう、アインは転生を選ばないと思います。

   


SANZとして、働き続けたいと。

   



過去に後悔しながら、父と母が産んでくれたこの身体で、ここで生きていきたいのだと思います。

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