神碑の牙フレーキとバトルステップ
みなさんこんにちは。
デュエルサロン太陽、店長の太陽です。
今回は7月16日(土)発売のDARKWING BLASTで登場する神碑の新規《神碑の牙フレーキ》についての評価とそれにまつわるルールについてのお話です。
カードの評価
早速ステータス、効果から見ていきましょう。
《神碑の牙フレーキ》
闇属性 レベル5 獣族
ATK/2000 DEF/0
このカード名の③の効果は1ターンに1度しか使用できない。
①:EXモンスターゾーンのこのカードが戦闘を行う攻撃宣言時に発動できる。相手のデッキの上からカードを2枚除外する。
②:このカードの戦闘で発生するお互いの戦闘ダメージは0になる。
③:フィールドのこのカードが戦闘・効果で破壊された場合、自分の墓地の「神碑」速攻魔法カード1枚を対象として発動できる。そのカードを手札に加える。
効果について
①は攻撃宣言をトリガーとするデッキ破壊。
「このカードが戦闘を行う攻撃宣言時」とあるので、こちらからの攻撃時のみならず、相手モンスターがこのカードへ攻撃してきた場合にも発動可能です。
神碑は速攻魔法の共通制約によって次のバトルフェイズをスキップするので、こちらから仕掛ける場合は自分のバトルフェイズに突入してから「神碑」速攻魔法発動することになります。《ゲーリ》の自爆特攻から盤面解決を図るときと同じですね。
タイミングやその扱い方については後で詳しく記載します。
②は戦闘ダメージを無くす効果。
これまでの神碑モンスターが持っていそうで持っていなかった効果で、貫通持ちにも対応できるようになったので単体での壁としての性能は高めです。
一応こちらの《フレーキ》が相手モンスターを破壊する際もダメージが入りませんが、神碑のコンセプト的にはほぼデメリットになりません。
③は被破壊時に墓地から「神碑」速攻魔法を回収する効果。
このカードの登場で墓地の神碑魔法の回収範囲が全て出揃ったわけですが、やはり速攻魔法の回収は強力と判断されたのか他の神碑モンスターたちとは異なりターン1にされています。
ターン制限がなければ自爆特攻から好きなだけ必要な神碑速攻を回収できる化け物カードになってしまうのでこの調整は当然と言えます。
基本的には自爆特攻もしくは壁にして次の攻め手を回収することになり、そのついでに①も発動するようなことが多そうです。
また《フルール・ド・バロネス》などの能動的な破壊をデッキ内で用意できるのであれば、自爆特攻ができない場合でもサルベージが狙えてより使いやすくなるので、構築段階から意識してもいいと思います。
ステータスについて
ステータスについての差別化ポイントはレベルが5であることですが、4エクシーズや偶数シンクロを使う既存の構築に混ぜる際にレベルが奇数であることが上手く展開に絡められないことが多いので、そのままではなかなか活かしづらい印象です。
攻撃力は神碑モンスターの中では最大の2000あり《ゲーリ》と違い相打ちから一方的な破壊まで取れるので、①と③の効果を使いやすい打点と言えます。
バトルステップについて
今回の本題はこちらです。
①効果が誘発するタイミングは相手から攻撃される場合も有効というのは先述の通りですが、テキストにある「攻撃宣言時」という言葉が厄介で正しくルールを理解できていないと間違った運用をしてしまう可能性があるので、改めてバトルステップ及びバトルフェイズについて確認しておきましょう。
バトルステップとは
バトルフェイズは4つのステップに分かれており、それぞれスタートステップ、バトルステップ、ダメージステップ、エンドステップがあります。
大まかな説明をすると、
スタートステップはバトルするモンスターを選択する準備段階、いわばバトルフェイズにおけるスタンバイフェイズのような立ち位置と言うとイメージしやすいかも知れません。
バトルフェイズ開始時というタイミングで指定された効果やクイックエフェクトをそれぞれの優先権タイミングで発動できます。
その後どのモンスターがどれを攻撃対象にするかを宣言するバトルステップに移行します。
バトルステップではその開始時にターンプレイヤーが攻撃するモンスターを選択する以外にクイックエフェクトを発動することもできます。
バトルステップにて攻撃モンスターが決定され、さらに攻撃対象が確定するとみんな大好きダメージステップに移行します。
ダメージステップについては今回は省略しますが、ダメージステップが終了すると、まだ攻撃を行っていないモンスターの有無に関わらず再びバトルステップに移行します。
バトルステップにて攻撃を行うモンスターがいなくなり、お互いのプレイヤーがクイックエフェクトの優先権を放棄するとエンドステップに移行します。
以上がバトルフェイズの流れです。
各ステップ事にクイックエフェクトタイミングが存在し、それをお互いのプレイヤーがその優先権を放棄すると別ステップに以降するというのは、ターンにおけるフェイズの扱いと同じで、各ステップの開始時にて優先権を持っているのがターンプレイヤーなのも同じです。
攻撃宣言時というタイミング
以上を踏まえた上で《フレーキ》のテキストにある「攻撃宣言時」というのはどこに当たるのか確認したいと思います。
それはズバリ、バトルステップにて攻撃対象を最初に決めたタイミングです。
この最初に決めたタイミングというのがポイントで、バトルステップ中に攻撃される側のプレイヤーの場のモンスターの数が変化した場合に攻撃対象を変更もしくは攻撃をキャンセルすることができるのは知っての通りかと思いますが、この攻撃対象の変更タイミングの時点ですでに「攻撃宣言時」というタイミングではありません。
この攻撃決め直しタイミングで《ミラーフォース》が発動できなかったり、《パーソナルス・プーフィング》から《クンティエリ》をサーチしてきたのに攻撃を止められなかったりという経験が一度はあるのではないかと思います。
もう一度確認しておきましょう。
攻撃するモンスター及びその攻撃対象を選択したとき、それが「攻撃宣言時」です。
《フレーキ》を出すタイミング
テキストをなんとなく見ていると、相手ターンで《フレーキ》を壁として出すと①効果によって相手のデッキを除外することができる、1体目の《フレーキ》が戦闘破壊された後で2体目、3体目の《フレーキ》を出すことによって相手のデッキを6枚除外できるかのように思えますが、これまでのバトルステップについての知識を用いると、それが現実的にはかなり限定的であるとわかります。
1体目の《フレーキ》が戦闘破壊された後はバトルステップに以降するため、2体目の《フレーキ》でもデッキ除外を狙う場合は、攻撃宣言時に間に合わせる必要がある都合上、それよりも前に出さないといけません。
それはつまり相手がバトルステップにて攻撃宣言を行わずに先にクイックエフェクトを発動した場合に限りそのタイミングが訪れることになります。
以降のタイミングで出したとしてもそれは先述の通り攻撃宣言時を過ぎていて、あくまでも攻撃対象の決め直しが行われるだけとなるので、①効果を誘発させるタイミングがありません。
また、当然1体目の《フレーキ》の①効果を使いたい場合もスタートステップまでに出さないと同じように間に合わないので注意しましょう。
《フレーキ》の役割
以上のことから、相手ターンの壁としてデッキを削る役割を《フレーキ》に持たせることはほぼなく、オマケ程度であると言えます。
逆に自分のターンであれば自爆を繰り返してデッキを6枚削りつつの速攻魔法回収が強い局面があるので、どちらかと言うとデッキ破壊をする場合は自分のターンがメインになりそうです。
墓地の「神碑」魔法の回収はこれまで《ゲーリ》が2枚目の《泉》を回収しドロー効果を連打するという、自分が有利な状況からさらにアドバンテージを広げていくというのが主な役割でしたが、
《フレーキ》は自分が捲りにいくタイミングで墓地に落ちている「神碑」速攻魔法を必要に応じて回収するのが主な役割になりそうで、出したいタイミングが《ゲーリ》とは明確に違うと思われます。
とは言え、墓地に強力な「神碑」速攻魔法が落ちている状況はおそらく中盤以降であり、そのタイミングでは「神碑」速攻魔法によるバトルフェイズスキップの制約が課されている状況が多いことを想定すると、実際は欲しいタイミングで回収効果を撃つことが難しいのではないか、というのが率直な感想です。
想定できる1番使えそうな場面は、後攻1ターン目に《ゲーリ》と共に相手の盤面に干渉しながら返しのターンでの「神碑」速攻魔法を確保するといった具合でしょうか。
トータルでは使いづらさが少しあるものの、カードプールの増加(特に「神碑」速攻魔法)によってそのパワーも見直されるかと思うのでこれからに期待したいです。
それではまたのご来店お待ちしております。