秘密の花園
今回が初めての投稿です。岡本太陽と申します。ニューヨークでアーティスト活動をしています。これまでアメリカ各地、台北やロンドンで作品発表をしています。
昨日から「The Secret Garden (秘密の花園)」という新しいバーチャル展が始まりました。今回は2人展で、アメリカに住むケニア人の女性作家Sabahと共に企画した展示です。Sabahは絵画で、僕は写真と詩で、「激動の時代に現れるとされる、すべてが許される時空間」を演出しています。
これまで僕は紙、絵具、体などを使って表現をしてきました。しかし昨年あたりからデジタルアートに興味を持ち、SabahとはツイッターにあるNFTアート(デジタルアートと言ったらわかりやすいでしょうか)のコミュニティで出会いました。声や文字だけのやり取りでしたが、お互いに意気投合しすぐにコラボすることも決まりました。それが今回の展示「The Secret Garden」です。
僕は朝と夜に瞑想をします。展示をすることが決まってから、あるとき瞑想の中で神殿のようなものが現れました。その周りに輝く花々が咲き誇り、それらが訪れる人々を歓迎してくれるようなイメージが広がっていました。すぐにこれが僕たちがやることなのだと確信しました。バーチャル空間であればきっとこれはすぐに表現が可能だと思ったのです。
展示空間は2つの部屋に分かれいています。Sabahの空間は神殿の祭壇で、僕の部屋は花々で人々を迎え入れる空間です。2人の部屋が調和するようにバーチャルギャラリー内の作品の大きさや、作品同士の距離感を意識しながら配置をしていきました。とはいえ感覚的な部分も大切にしたかったので、思考的な配置や空間にならないよう、なるべく頭は使わないようにして空間作りをしていきました。
日常の中で私たちは「あれはダメこれはダメ」「これはこういうものです」「こんなことしなければよかった」「自分はまだまだ」など、あらゆる枠や後悔や批判や不足の中で生きる癖を採用しています。そのようなものの中で生きていると、世界や、生きること自体がとても重く苦しいもののように感じられるはずです。
僕自身も、以前は自分に対しても世界に対しても批判ばかりしていました。だから生きることがとても苦しかったのですが、数年前から自分の内側に意識を向けていくことを日々の生業にし、そこにあるあらゆるものを批判せず許していきました。そのように暮らしていると、どんどんと穏やかさを取り戻していきました。世界の何が変わったのかわからないけれど、何だか世界も穏やかになっていきました。そういった経緯もあり、今までの世界観も、体験したことも、自分自身も、訪れる人の全てが許される空間を作りたいと思いました。
僕は自分を許していくプロセスの中で、結局安らぎというものは自分の中にしかないのだと悟りました。そして自分の中にあるからこそそれは永遠であり、いつも僕たちはそこにアクセスすることが可能です。戦争も終わらせれば平和になるのではなく、平和はいつでももうすでにここにある。そこにまず気づけば戦争をすることすらなくなるのです。そういったことを感じられる空間を作りたいと思いました。自分が体験したからこそ、自分の真実を今回表現してみたいと思いました。
目を向ける先を変えると言うと、よりわかりやすいかもしれません。そういうことを言うと「甘い」「問題は解決しなくてはいけないものだ」と言う人もいるでしょう。しかし僕は今まで問題にばかり意識を向けてきた経験上、知っていることがあります。問題は意識を向けると、解決されるどころか増えていくのです。自分が意識を向けたものはより強大になると知りました。「これが解決されれば世界はより楽になる」と、以前は信じて止まなかったのですが、何かを問題視するよりも、受け入れるというか、やさしさで包み込むような姿勢であれば、問題と思っているようなことも自然と溶けていきます。
そのような空間ゆえに、あまりにもニュースや外の世界に追われていると、繋がれないバーチャル展示場かもしれませんが、本当に素敵な場所になったので、展示への扉が開いている間にできるだけ多くの人に僕たちの「The Secret Garden」に足を運んでいただきたいと思っています。3月31まで無料で地球上どこからでもアクセスできるようになっています。もし気に入っていただけたのなら、ぜひお知り合いにもお伝え下さい。公開中の僕の写真や詩、Sabahの絵はNFT購入も可能です。印刷した写真が欲しいなどの要望がありましたら、個人的に連絡をいただけたらと思います。
みなさまと「The Secret Garden」でお会いできることを楽しみにしています。
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