これからを描きつくる
2020年5月18日(月)に武蔵野美術大学 大学院造形構想研究科クリエイティブリーダーシップコースの「クリエイティブリーダーシップ特論」という講義で、株式会社グラグリッドの三澤直加さんに『「これから」を描きつくる仕事』というテーマでお話を伺った。三澤さんは、金沢美術工芸大学出身で、もともとはプロダクトデザインを担当されていたが、それでは、社会課題に効率的にアプローチできないという問題意識から、もう少し共創のモノづくりがしたいという想いでグラグリッド社を設立したという。
グラグリッド社では、1.ビジョンづくり、2.商品づくり、3.組織づくりの3つに重点を置いていて、サービスデザインのアプローチで価値ある体験と社会のしくみをつくるパートナーであるとのこと。
新型コロナウイルス流行の影響で大学院の始業が遅れ、今回が2020年度初となる講義で、かつzoomを用いたリモートでの講演であったが、個人的には広い教室で聞くよりも、講演者の声は聞き取りやすいと感じた。講演者からは、聴講者の表情は逐一チェックできないため、リアクションがわからず進めにくさはあるように感じたが、聴講者としては、質問なども文章で可視化されるため、論点が分かりやすかった。一方で、文章形式の質問では、人の意見に対して、スピーディーに被せて意見を言うことは難しいためディスカッションには不向きなように感じた。Afterコロナでは、理解を深めることを目的とした講義と、思考の発展を狙うディスカッションでは、オンラインとオフラインで手段を分けるとのも効果的だと思われる。
ビジョンとは
三澤さんは物事の言葉の意味を視覚的に捉えるタイプとのことで、ビジョンを言葉では定義していないという。あえて言葉にして伝えるなた、「ちょっと先のパンッとした世界」というのが三澤さんののいうビジョンの解釈。もう少し社会的に解釈すると、「より理想的でみんなが創っていきたい社会の姿」をビジョンと呼んでいるという。
エモーショナルな部分が出るような表現方法を考える
三澤さんのお話を伺い、デザインアプローチを推し進めるにはエモーショナルな表現方法が重要であるように感じた。単にデザインの理論を語るだけでなく、ビジュアルシンキングやファシリテーションスキルなどエモーショナルな部分が出るような表現方法についても身につけていきたいと思った。