🔶🔷🟥 【光る君へ】「源氏物語」と戦国武将【各論①明智光秀】小和田哲夫先生

戦国・小和田チャンネル

🔷動画は、皆様、
検索して探索仕らん。
ここではリンクしません。
我がディクテイトした文面のみ
公開しますな。

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🔶源氏物語」と戦国武将は、
すでに【総論】として配信しましたが、

今回より【各論】として
何回かのシリーズとして
取りあげていきます。

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第1回目は、
「源氏物語」と「明智光秀」との関係。

配信は、2024/9/23

↓↓↓

ここからは、
小和田先生の口述。

🔷は我の追記。

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今日は、
源氏物語と明智光秀。
この関係をお話し致します。

「本能寺の変」の直前。

🔷二週間前となります。

天正10年5月26日、
1582年。

明智光秀は、
近江坂本城から、
丹波亀山城に、
戻っています。

🔷現代では、
京都府亀岡市です。
京都市内から、老ノ坂(おいのさか)を
超えた向こうの平野。
ここが亀岡市です。

その光秀は翌27日。
愛宕山の「愛宕大権現」へ
参詣いたしまして、
そのまま山籠をしています。

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🔷あたご だいごんげん。

愛宕大権現とは、
例の、
愛宕勝軍地蔵を祀って
おりまして、参詣・山籠は、
謂わば戦勝祈願の為です。

私(小和田先生)は、ちょっと
地図を作ったのがあるんですが、

🔷ここで、以前
先生が纏めた資料を
提示されて
お話しされます。
再度、後半に
この地図を示されます。

「歴史探索入門」
角川選書352
「角川書店」

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亀山城からは、
比較的近いです。

🔷地図を指、指して、、

ここをずっーと
愛宕山に登って行きます。

この明智光秀。
戦いの前には、
山籠するわけですけれども、
ま、言ってみれば、
軍神へ参詣山籠する事は
まあ、ある意味では、
普通の事でして、

🔷現代でも、
入試などの前にも、
神頼みを、我々もしますな。
この行為は、
その名残でしょう。

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家臣たちも、
同行した連歌師たちも、
対毛利との戦いの為、とし、

納得し、奇異の念は
抱かなかったという風に
思われます。

当時、
出陣前に、
「連歌会」を開いて、

総論でも申しましたが、
🔷れんがえ、と読みます。
🔶れんがかい、とはちゃう、
このようには読まへんねん。

その連歌を
神前に奉納して、
出陣すれば、
「戦いに勝てる」と、
云うことが信じられていた
からなんです。

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翌5月28日。

五つある坊の中の一つ。

「威徳院西坊」
いとくいん にしのぼう、、
と読みます。

ここで、
連歌会が興行されました。
これが、所謂、
「愛宕百韻」です。

🔷あたご ひゃくいん、、と読みます。

この28日としたのは、
「信長公記」にそのように
記されているから、なんです。

🔷しんちょう こうき。
🔶のぶなが　こうき、ではない。

🔷信長に関する、現在、存在する、
第一級史料です。

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しかし、我思う。

「信長公記」には、

✅信長の悪口は一切記されていない。
主君の良い事ばかり書かれています。
信長は、良い武将だったとする事ばかり

、、、、これはどうだかなあ？

🔷書いたのが、信長の家臣ですから。
太田牛一著です。
永禄10年→天正10年6月本能寺の変まで。
しかも、信長が死んでから
書かれているんです。だいぶ後になって。

ただし、
🔷我は、全くは、信用は出来ず。

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悪口は態と切り捨てている。
もしくは、
ひょっとして、こうかも。。。
秀吉が、悪口は全て
切り取り、削除させた、とも、
思えてならない。

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🔷🔴我は、明治天皇の外孫の方を
知っているが、この方も、京都で
信長信奉派だった。

明智光秀は主君を殺(あや)めた、
全くの悪者だと、信じて憚らなかった。
この老人は、、、
明治天皇伝来の信長が所持していた
「蘭奢待」を削って、燃やして
香りを吸ったことがある方です。

この老人が我に曰く、、
お前(我のこと)が云うように、
明智光秀が良い武将だと云うならば、
その証拠を、今ここで見せてみよ！と。
ならば、信じたろ！！と。

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我は、喧嘩しました。
喫茶店の店内で、、
大声を出して怒鳴ってしまった。

かなり豪気なおじい、でした。
でも、
🔴2024/夏に他界された。92-93歳。
かなりうっとしいオジンやった。
我だって、海賊の血気がある！
負けへんぞおー！我は。
明治天皇の外戚だろうが、
相手が誰あろうが、
喧嘩は喧嘩や！！
義は通す！！

✅そんな証拠を
いつも持ち歩いている訳が
無かろうなあ！
アホかあー、ボケえ、
このクソったれ親父！！

そんな証拠は、秀吉軍に
焼かれ、今に残っている訳が
ねーべ、や！？
ど、あほおー！！
考えたら、解りそーなもんやんけー！
あほんだら、このカス！

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⭕️この親父が
纏めた資料を別々に

後付けて、少しだけ
画像をアップします。

🔶信長の血痕と髪の毛が
付着している刀です。

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鎮まれ静まれ！

小和田先生の解説に戻ります。

↓↓
「愛宕百韻」を伝える写本の中には、
24日とするものもあるし、
27日とするものも、
奥掛けにはなっているんですが、

ま、24日というのは、あり得ません。
ま、27日の可能性はあります。

ま、もしかしたら、
連歌会そのもの、は、
27日に始められて、
終わったのが、ま、深夜。
日を跨いで、ま、28日だと。

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🔷この、、、
ま、、○○、、というのは、
小和田先生の口癖です。
ここも、文面に残します。

🔷または、
いわゆる、、も、そうです。

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ま、そんな風に
なっていたのかも知れません。

ま、この愛宕百韻はですねぇ、
「明智光秀張行百韻」

🔷明智光秀ちょうぎょうひゃくいん、と
読みます。

という名前で知られています。

これは、まあ、
「続群書類従」に
🔷ぞくぐんしょるいじゅう、、
収められておりまして、

連衆。

🔷れんじゅう、と読む。

連衆。即ち、連歌会への参加者。

その連歌師の有名な、
「里村紹巴」さとむらじょうは。
を含めて、ですねー、
全部で9人です。

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あのおー、
冒頭部分を、ちょっと引用しておきます。

✅ときハ今　あめが　下知る五月哉
これが→光秀

✅水上まさる　庭のまつ山
これが→西坊(にしのぼう)

✅花落つる　流れの末を関とめて
これが→紹巴(じょうは)

✅かぜは霞を吹をくるくれ
これが→宥源(ゆうげん)

✅松も猶かねのひゞきや消ぬらん
🔷まつもなお かねのひびきや きえぬらん
これが→昌叱(しょうしつ)

✅かたしく袖は有明の霜
これが→心前(しんぜん)

ま、以下百韻が続く訳です。

🟣ここまで、
先生は何も見ないで
誦(そらん)じます。

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ま、この発句もですねー。
「ときハ今　あめが　下知る五月哉」
これは、よく知られてます。

この「とき」を、
ただ時刻のとき、ではなくって、
明智氏の本姓である、
土岐(とき)氏に当てて、

あめが　下知る
これは、
天下を治る、てんかをしる。

🔷しる、とは治める。

これにかけて、
「今こそ土岐の人間である私。
　私が、天下を治める時である。」

という風に、
言ってみれば、
信長に対する謀叛の心のうちを
吐露したものである、と。

まあ、そう、理解はされています。

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まあ、
それはこじ付けに過ぎないよー、
という声もありますけれども、

光秀が周りからですねー、
「土岐の随分の衆」と
見られていたとすれば、
光秀自身が、土岐の人間である。
ことを意識していたと
思われますので、

この「とき」を
時 ➡︎➡︎ 土岐氏にかけていて、
これはこれで、
いいんじゃないかなあ。
と、思います。

ここまで
4分56秒
あと残り4分少々。

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ところが、ですねー。
そうした通説に対しまして、
だいぶ前の事なんですけども、

津田勇さんがですねー、
「愛宕百韻に隠された、
光秀の暗号」と云う論文。

まあこりゃ、これは
「歴史群像」のですねー、
1995年4月号に、
載っているんですけども、

まあその中で、
「ときハ今、」の時を、
「土岐氏」の、ときに結び付けるのは、
ちょっと「短絡的」だ！と
批判致しまして、

例の中国の三国志の、
「今ヤ天下三分、益州疲弊シ、
　此れ危急存亡の秋なり」

🔷ききゅうそんぼう、の、ときなり。
と読みます。秋はトキ、です。

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ま、この一文を、
面影にした、句つくりだ、と
指摘しています。

そして、この論文で
注目されるのは、
この愛宕百韻の句の多くが、ですねえ。
「平家物語」「太平記」さらには、
「源氏物語」と云った古典を
下敷きにして、成り立っている。
と、云う指摘なんです。

ま、具体的に、
津田さんは、光秀の発句。
「ときハ今、雨が下知る五月哉」
また二句めの西坊の
「水上まさる庭のまつ山」は、

🔷延慶本、、えんぎょうぼん、、と読む。

平家物語 延慶本 | 公益財団法人 五島美術館

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延慶本の平家物語、巻4。
「程ハ五月雨シゲクシテ
　河ノ水カサマサリタリ」

ほどはさみだれ、しげくして、、
かわのみずかさ、まさりたり

と云う文章を踏まえている、と
言っております。

まあ、更に三句めの
「花落つる流れの末を関とめて」も
はなおつる ながれのすえを せきとめて、、

これは、例の
「源氏物語」の花散里を
テキストにしている、、と
指摘しております。

尚、こうした平家物語、太平記に
描かれた情景が、ですね、
まあ、多く読み込まれた点について、
津田氏は、
「源氏が朝敵となった横暴の、
　平氏を討つと云う出来事が、
　もう一度時を隔てて、
　繰り返される事になるだろう。」

連衆(れんじゅう)が
一致しての、
「打倒平氏・源氏台頭」のですね、
寓意が込められたもの、ではないか。
としております。

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まあ、因みにですね、、
その津田勇さんは、
【愛宕百韻を読むー
本能寺の変を巡って、、】
と云うサブタイトルが付いていますが、
その論文で、

例の安倍龍太郎さん、他の著で、
「真説 本能寺の変」の中で、

そのこの興行を通して、
光秀は、朝廷の意向を受けた、
源氏が平氏を討つことの正当性を
表明したものである。

と、述べております。

まあ、源氏がですねー、
平氏を討つ。ということに繋がる、、と
私(小和田先生)には、
一つの思い当たる事があります。

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