マカロニを語るのに外せない四つの作品3 第1話「マカロニ刑事登場!」第三ステージ
殺人現
場検証から階段を上がる
山村、ゴリ、野崎のあとのシーンから。
変わった場面は、
拳銃密売組織のサングラスの男。
組織のボスに電話をしている。
※この組織のボスだけは、声のみの登場。
ストーリー上では逮捕されない。
姿も見せない。
太陽にほえろ!マカロニ時代ではよくある。
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◆電話をしていた彼は 林邦史郎。
NHK大河ドラマにおいて殺陣指導を
行っていたことで知られる方です。
俳優としては、
太陽にほえろ!この第一話にゲスト出演。
(石原裕次郎との格闘シーン)など、多くにシーンに登場。
なお、廃工場に拉致された
パークサイドの責任者に
マモルの居場所を聞き出す為に
吸っていたタバコを左頬に押し付け
火傷をさせる。その火傷跡が画面で確認できる。
この太陽!だけでなく、色々な作品で、
殺陣擬斗指導をせず、出演という形のみで
関わった作品も存在する。
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「ああボス。マモルが逃げました」と林邦史郎
※これは組織のボスのこと、です。
「それはマズイ、逃げたチンピラの線から
我々の組織がバレる恐れがある」影のボス
「まあ大したことは知っちゃいませんがね、
二、三人顔を見られてます」林邦史郎
「万一の用心だ!そのマモルというガキを
始末しろ」影のボス
「わかりやした!マモルは必ず」林邦史郎
影のボスの出演(声のみ)はここまで。
電話の最中、16分40秒から
井上堯之バンド♫
「サスペンスM1」テレビバージョン
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参考・・・
太陽にほえろ! サスペンスⅠ
続いて、パークサイド前の大通り。
ここをパークサイドに向けて歩いていく女。
それがユカ。
そのユカを遠目から発見した問題のマモル。
近寄ろうとするが、
パトロール中の制服警官を見て
また反対方向に逃げていく。
ユカは、パークサイドに入店する。
張り込んでいたマカロニ。
「おース!」
「はーい」
「ユカー!」
ユカと聞いてマカロニは手を掴み、
動きを止める。
「マモル、何処に居んだい?」
「知らないーわ?」
「マモル?マモルが何したの?」
「気を付けな?サツだぜユカ!」
「サツ!?」
ここで、♫BGMのギターサウンド。
仲間たちの話でかき消されるが、
◆歌っているのは、萩原健一。
♫「少年の魂」
曲名は「少年の魂」しかし詩が異なっているか?
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「皆んな 仲間なんだよ、刑事さん。
マモルも皆んなも、俺もね。
だが、仲間はこの店にいる時だけだ。
お互い何処の誰だか、碌に知っちゃいない。
だからこの連中を尋問したって
何も分りゃしないよ。」
仲間たちは、刑事のマカロニに
警察と世の中への悪態を突いて
自席に戻り、また蟠を巻く。
「あんたどうして刑事になったんだい?」
「あんたどうしてこんな商売してんだい?」
と聞き返す淳。
「この商売が好きだから、さ」
「俺だってこの商売気に入ってんだ!」
「へえー?」
「本当はそのハジキを持つのが
嬉しいからなんじゃないかい?」
「だったら、どうなんだい?」
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また井上堯之バンド♫
「謎は霧の中(テーマ3A)」
「あんた正直だな?きっとマモルも
ハジキを持ってみたかったんだな?
マモルが犯人だっていう証拠が
あんのかい?
抵抗したら、撃つかい?」
「撃つ!
それが、俺の商売だ!」
なのに、次のシーンでは
撃てなかったマカロニ。
マカロニは席を立ち、
責任者が横を向くと、組織の輩たちが
店に来た。
「組織のやつらだ!マモルが危ない。
何とかしなくちゃ」と責任者の心の台詞
画面が変わる。
店にまた近づいたマモル。
マカロニは店を出て
周囲を警備する。
マモルは警察の張り込みを
確認する。他に誰かいないか?
突然、マモルは
マカロニが居なくなった事を見て
ダッシュで店へ。
店の店内では、
組織の輩たちが、特に
サングラス🕶がマモルを発見!
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入り口まで来たマモル。
ユカも マモルに熱い視線を飛ばす。
責任者も
「マモル、(来ちゃ)ダメだ!」と。
店を飛び出すマモルに、
引き返したマカロニとの鉢合わせ。
「マモル!」と淳。
マモルを追うマカロニ。
走るマカロニ。
必死のマモル。
◆この時の激走のBGMは、
前作「東京バイパス指令」のBGMでは?
井上堯之バンド♫ではないと思います。
◆走り続ける市街地の裏路地に
点在する小さな「トルコ風呂」1500円安い。
しかし、当時の大卒の初任給は
全国平均で72000円位だったのでした。
まだこの頃は
風営法はそれほど厳しくない時代だったか?
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マモルも銃を手に構える。
「動くな!バカ止めろ」
マモルの手は微かに震えてる。
それを見るマカロニ。
しかし、追い詰められたマモルは
撃って逃げることしかない。
マモルは撃つ!マカロニを。
しかも
右足元に当たるマモルの弾。
そして跳ね返る。
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その銃声を聞いたゴリ。
音が聞こえた方に走っていく。
ボスも、ボス専用車で路地近くに
乗り付け音の方向に出向く。
専用車は
ビュイックスペシャル、です。
「撃て!撃ってみろ、この野郎
撃てねーのかよ」
「撃つぞー」とマモル。
体育会系のイノシシの走りに
タックルされるマカロニ。
◆竜雷太は「これが青春だ!」出演時は
高校教師役。ラグビー部の先生だった。
その同じ瞬間に、発射されたマモルの拳銃の弾は、
ゴリの右足太腿部に命中する。
しかし、マカロニは助かった。
吃驚してマモルは 逃亡。
負傷してもゴリは、マカロニに叱咤する。
「バカっ、奴を追え!」「追うんだ!」
その時、山村は追跡。しかし藤堂は・・・・。
馬鹿野郎! 貴様 それでも 刑事か!
そして、ゴリを放って、
ゴリの傷は浅いと判断したのか、
山村を追い、ホシを追っていく鬼。
井上堯之バンド♫
「サスペンス何が起きる」
「大物が動き始めた、マモルを
絶対にサツに渡すなっ!」とサングラス。
「へい!」と手下の四人。
この輩四人の顔を瞬時に
頭に刻む藤堂俊介。
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そこに、山村と野崎。
「あっボス!」と山村
「ホシは?」と藤堂
「逃したようです。
面倒な事になりました」山村
「雑魚が動き始めたようだ」と鬼
「じゃあ、密売組織の?」山村
「ああ、こいつは巧くいくと大捕物になるぞ。
それより、ゴリの傷はどうだ?」鬼
ここまで23分00秒。
ここで番組は第一回目のコマーシャル。
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コマーシャル後、続いて、七曲署一係。
デカ部屋では四人。
マカロニの初出勤から11時間が経過しよう
とする午後7時50分。
ゴリが撃たれ、
皆は入院したゴリの手術結果を待っている。
少年係シンコを除き、
一係では帰宅した者はいない。
当時シンコ関根恵子は未成年。
夜遅くまでの勤務は (俳優としての演技も) させられないのだ。
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そこに病院から鬼が戻ってくる。
「どうでした?」山村
「ああ骨には異常はない。
一週間ぐらいで歩けるだろう」鬼
「そりゃー良かった」野崎
「ボス!」
ボスに謝罪しようとするマカロニは席を立つが、
ホシを逃したマカロニに
鬼は一言も話そうとはしない。
眼も合わそうともしない。
まだ怒っているのだ。
一般の会社ならば、業務放棄に値する。
犯人追跡を放棄したから。
ゴリが怒ったのは当たり前だ。
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「ああ長さん、例の密売組織の資料。
探してくれないか?」鬼
「はい」野崎
「お、俺んとこにも在ります」と山村
殿下は言われなくとも、
進んで資料を探す。
井上堯之バンド♫
「愛のテーマ」
マカロニは一人、浮き立って
仲間にも入れて貰えない。
寂しく「帰ります」
◆ゴリは捜査に参加したくとも
マカロニのミスで、動けず入院。
ゴリが抜けた穴を残り三人で資料探し。
現在のように、本庁コンピュータと直結した
オンライン捜査資料探索システムでないため、
全てアナログで調べていくしかない。
七曲署一係に本庁と直結したコンピュータが
導入されるのはあと12年後、
1984年(昭和59年)秋からです。
「マイコン刑事登場!」からです。
だから人手も要るし、時間も掛かる。
いつ終わるとも限らない。
その一係の資料探しにも、人が要る。
なのに、
新人の自分は協力出来ない放心の淳。
先輩を傷つけたのは何と言っても自分だ。
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◆七曲藤堂一家の新加入ヒヨっ子は、
まだまだガキである。たったの23歳の若造だ。
口ばかり達者の苦労知らずだ。
世間の風並みも解らない独り善がり。
◆皆様の職場にも少なくとも
一人はいますでしょ?こんなガキが。
しかし、そんなヒヨっ子でも
刑事という職務を選んだからには
一人前にしないといけない。
それが先輩たちの責務だ。
皆が、夜まで続くだろう残業に
背に向けて帰ろうとした、淳に、
鬼の一番弟子。一係の名警部補が
声を掛けて、肩を叩いてきた。
「おい。飯でも喰いに行くか?」
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場面は代わり、飯屋「宗吉」。
太陽にほえろ!初登場である。
第111話のシンコ退職時が最終となる。
「お父さん、お銚子まだ?」と娘シンコ
「出来たよ」と親父宗吉
「ほうそうかい、こりゃあ
ご機嫌斜めだったろう?」
「まあ、すごい低気圧でねぇ」山村
「係長になっても、まだって言うわけだなあ。
なにせ、迫力があっからねー」
◆管理職となった鬼を気遣う宗吉。
「まだって言うわけ」の理由は、
まだまだ現役の捜査を部下に
任してはおけない、、
まだ俺が、俺が、と言う鬼刑事の
気持の代弁だったのだろう◆
「俊さんが怒ると、
初めは応えるわなあーっ?」と
傷心のマカロニを気遣うが、
海千山千の経験を積んだ元名刑事には、
「そんな事で、どうすんだ!」と
心無しか口に出さない叱咤がマカロニに
似非な顔で向けられたのだ。
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「え、ええ」と
マカロニをチラリと見て
またタバコを吹かす山村
「あー、シンコちゃん。
畳鰯(たたみいわし)頼むわー」山村
「はいっ」とシンコ
「どうしたの?マカロニ君
冷めちゃうと不味くなるわよ。
元気出しなさいよ。
こんな事ぐらいで悄(しょ)げてちゃ、
刑事なんて務まらないわよ!」
◆今度はその元名刑事の娘から、、、
言われた台詞は、
やはり女に言われる筋合いじゃない。
黙っとけ!と例えチンピラ刑事でも、
男としてのプライドがその声を遮る。
「五月蝿ぇーぞ、おシンコ」
「何ですって!?」
「はは、は。
シンコだから、おシンコですかい?」
「アタシもね、昔は
デカの端くれだったんですがね、
あんたみたいな失敗は数えきれないくらい
やったもんですよ。
ゴリさんの怪我も大した事も無さそうだし、
あんたが気に病むことはない?、、、
そうだろう?山さん」
「ゴリの奴、忙しい最中に
有給休暇をとったようなもんですよ」と山村
「ほーれ、見てご覧なさいよ。あんたが
気に病む事はないんだって」と宗吉
「お前さん、ゴリさんが殺られる前に、
犯人を撃ち殺したらいいって、
思っているんじゃないんですかい?」と
宗吉はマカロニに畳み掛ける。
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井上堯之バンド♫
また「愛のテーマ(テーマ1A)」
この後何回も奏でられる名曲。
幾つものバージョンがある。
最後最終回で
マカロニが息を引き取る時に
掛かるのが「愛のテーマ ピアノバージョンⅠ」だ。
「そんな事気にするんなら、
よした方がいいね。
人を撃つって言うのはね、
あんたには、、」
これを聞いて、山村は頭を上げて
少し吃驚して宗吉を見る。
その時の事情を知っている、
山村だったからだ。
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そして、その事情の為に
突然七曲署一係刑事を辞めた事を
思い出す娘のシンコ。
「お父さん、、」と
宗吉の次の言葉を遮る。
この裏の事情には、何か宗吉には、
言いたくないものがあると察するマカロニ。
その宗吉を見上げるマカロニ。
また、そのマカロニを見るシンコ。
「親父さん、
人を撃った事があるんですか?」
それでも、過去をもう思い出したくない、
宗吉の心のうちは、刑事になったばかりの
マカロニに、いまは説明する必要なしと
無言を貫いたのだ。
「シンコ、お銚子ついたよ」
「はい」
二人はいつもの親父と娘に戻った。
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◆この事情。
藤堂にも言えなかった宗吉の心のうち。
それはこれから3ヶ月後の、
第13話「殺したいあいつ」で
明かされる事になる。
この13話の布石である、
第1話の宗吉のこの台詞だったことに、
あとから視聴者は気付くのである。
※このストーリーは、既に当蘊蓄話で
取り上げ公開しています。
◆十数人の女を妻と称して、
取っ替え引っ替え、人身御供として
用済みの女を、海外に売り飛ばす大阪の眼鏡夫。
これはシンコが言った「女の敵」。
これが第13話「殺したいあいつ」。
数年前にも、同じような奴を宗吉は、、、
山村と共に追い詰めて、、、。
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「おい、いいから飯食えっ!」と山村
白飯に味噌汁をぶっ掛け
箸を割っても?
一本箸にしてガツガツ喰らうマカロニ。
味も何もなくて
単に胃を膨らませるだけの
食べ方だった。
ここまで26分00秒
第三ステージはここまで。
次は第四ステージ。
マカロニが入院先のゴリを見舞う。
ゴリにぶん殴らて目覚める後半部。
ラストシーンのあとは、
また第五ステージを用意するかも。➡用意します。
これも、時間あれば、お付き合い下さい。
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