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72-73マカロニ青春偶像五編(4/5) 秀作「第36話 危険な約束」【前半部】

この蘊蓄の肝をA
ストーリー前半部をB
ストーリー後半部をCとし、
最終36話の太陽!関連作をDとし、
皆様にお伝えします。

これからがストーリー前半部をB

■ストーリーダイジェスト
 台詞の読み下し(聞き取り下し)です。

19時10分
一係にマカロニから電話。
「いやあまだゴリは帰ってねーんだ」
「柏木のアパートに飛んでもらった、うん
 三日間親にほっぽり出された子供が二人
 餓死寸前で見つかったんでね。」

鬼がマカロニからの電話を受けている

「で、お前ゴリと何時の約束だ?」
「ぇあ?あ、7時か?」腕時計を見て、、

ポン引きi


「事情聴取に付き合ってくれって言われたん
 ですよ。二丁目のマーケットに万引きがあった
 らしいんすね?
 こっちは10分もつっ立ってんですよ。
 ポン引きに間違えられるし、もう最悪!」と
淳は青い公衆電話ボックス

「何ーっポン引きと間違えられた?」

「そりゃいいーや」と新聞見ながら山村。

※まだこの時代1973年には、
コンビニが無かった。だから、
マカロニは、マーケットと言っている。


◆太陽にほえろ!放送三年前。
日本最初のコンビニは、1969年に
国内の食品系の小売業が主宰するマイショップ・チェーン
(現在は解散)の第1号店で、大阪府に開店した
「マミー豊中店」であるといわれている。
DIAMOND chain STOREより抜粋

1973(昭和48)年11月
「㈱ヨークセブン」設立


日本では、
1974(昭和49)年5月
セブン‐イレブン第1号店が
(東京都江東区・豊洲店)」がオープン
ジーパン殉死の直前3か月前である。

「分かった分かった、そう剥(むく)れるな!
 その辺に喫茶店かスナックないのか?」

旅路ネオン

「ありますよ、旅路って言うスナックが」

「そこでマカロニの共食いでもしてろよ。
 どうせ、ゴリが着くのは8時を過ぎるだろう。
 いいじゃないの、油売ってると思えば。
 但しな、
 言っておくが酒は駄目だ。それから
 8時を過ぎたら一発電話を入れてくれ」と
鬼は命じた。

「夕べの城北署のピストル強盗、まだ網に
 引っかかっないようですな?」山村

「撃たれた外交員の容体は?」
「腹に一発食らって昏睡状態ですわ。
 助かりゃいいんですがねー」

「顔も名前も判らんじゃ手間取るね。
 城北署も」とは鬼


⦿ちょっと休憩。蘊蓄太陽にほえろ!36-A

※この時は、滝隆一刑事はいないのだろう。
滝といえば、やり手凄腕の若手刑事。

スッ

演じた沖雅也はこの登場時24歳。(昭和51年)
殉死したテキサス勝野洋は27歳。
ボンは26歳だった。テキサス、ボンよりも
歳下なのに相当な先輩の役。同時に彼は
かなり年季ある演技力を見せる。台詞も上手い。

この36話が放送された73年から三年半後の
76年9月。
死んだテキサスの後任として、
鬼が引き抜いてきた滝隆一。登場初回で、
体育会系ゴリに七曲署屋上でぶちのめされた
あのスコッチだ。彼は城北署出身だった。

◎一係にはこの二人しかいない。
今回は、野崎、殿下、シンコは出演してない。

デスクで新聞を止めてタバコを火をつけた山村。
「奪った金が630万。何が出来るかなあ?」

「何って?」

「いえねえ、ふとホシのことを考えたんですよ。
 630万で、一体何が欲しかったんだろうか、
 ってね」

この時の山村は、刑事コロンボ流の
逆説的発想で、事件の解決策を見いだそうと
する。犯人は何故630万しか奪わなったのか?
それで何をするつもりだったか。
奪った金は何に使うつもりだったのか?

一係にとっては、他署が管轄する事件だが、
犯人の次の行動が山村の勘で予測出来る。
次に繋がるだろう事へのボスの期待感。
この行動の糸口は、あと数分で始まる
「恐怖の中で繰り広げられるスナック監禁」
の開始であった。

物語のキーマンが、ゴリとの待ち合わせで
スナックに既に居たマカロニ。
他署の事件の強盗犯人によって淳は勾引され
留め置かれ、少しも身動きが取れない。
拳銃を奪われたからだ。

しかし、一係では、突如として、
マカロニの所在が掴めなくなる。
捜査網から忽然と消えてしまった。
定時連絡もしてこない。
マカロニは何処に居るか?
ゴリやボスはいつもの様にサボっていると。


次のステージが始まる。

ボスに連絡を入れた地下の「スナック旅路」に
来てカウンター入り口隅に座ったマカロニ。

そこに入る犯人の坂口(沖田駿一)。
マカロニとは反対のトイレの角に座る。

ようこと元

学生のカップル
「明日雨だってよ。」男
「降った方が面白いじゃない」女
「ヨットが転覆したら助けてくれる?」女
「勿論助けるよ」と男

※学生なのに背広とネクタイ。
ヨットで海でデートする格好ではない。
ええ格好しいのボンボン風。


小倉1

40代サラリーマン
戸倉一郎(波多野憲)
※波多野氏は以降何度か太陽!ゲスト出演。
物語のキーマン役が多い役どころ。

「うちに帰るのは明日の夜になる。
 大阪から名古屋の支店を廻るから。
 部長のお供でね。今?東京駅の喫茶店」

「ここは新宿なんですがね、戸倉さん」
とマスター。


兄貴と寿司屋

眼鏡ヤクザ一人に、なんとしてでも
手下になりたい男が一人

新村健(山岡徹也)が兄貴
金子次郎(高橋征郎)が舎弟希望

「俺は兄貴の為なら生命はいらねーっ
 どうしても兄貴の盃が欲しいんすよー」
「俺は子分はいらねー。
 田舎の寿司屋に帰えんな!
 仏にも墓にもならねー、日陰者の世界
 なんだぜ。ヤクザなんてーな者はよお。
 義理と人情のしがらみで生命を的に
 生きて行かなきゃならねー。
 おめいなんかには務まらない」


老人とマカロニ


変なベレー帽の眼鏡老人
中山治作(宮坂将嘉)

がマカロニに。
「いいね。若い人は待っている人があって。
 男が女を待つ、女が男を待つ、
 今日は明日を待っている。
 待つ、待つ、待つ。待っている内が人生さ」

というより、詩です。
脚本の山田正弘は、詩人でもある。
過去にウルトラシリーズでの脚本を執筆している。
太陽!初の執筆です。

マカロニは鬱陶しいから老人との間を空ける。
「何も逃げなくていいじゃないか?」

冗談は顔だけに


ここまでマカロニと犯人以外に7人の客がいた。

その時、また一人の男が店に来た。

瀬木1

城北署刑事 瀬木宏造(中井啓輔)
※俺たちはプロだ!で仲間に殺害された中井氏。
今回は刑事として復活。

瀬木2

マカロニの斜向かいに席を取る。
互いに眼と眼が合い、互いの氏素性を
眼で探り合っている。ほんの数秒間。

水割りを

「水割貰おうか」と言ってコートを脱ぐ。

マカロニの眼

「儂もオカワリだ。それとこの若いあんちゃん
 にもな。」
「俺は良いです」とマカロニ。

ボスにさっき、電話で
酒は駄目だと釘を刺されたばかりだから。

冗談は顔だけに

「酒は駄目なのかい?」
「駄目な事はないけど」淳
「そうだろ。そんな良い身体して」
「今駄目なんだよ、ほんとに」淳
「儂の奢りだ。ストレート、ツーよ!」

「ところであんちゃん。どんな女を待ってるん
 だい?」「ゴリラだよ?」
「俺が待ってるのはゴリラ🦍」
淳は、確かにゴリを待っているのだ。

⦿ちょっと休憩◆蘊蓄太陽にほえろ!36-B

※ゴリ押しの石塚の渾名の由来の【ゴリ】は
ゴリラでなく、「魚の🐟ゴリ」。

魚の🐟ゴリ

水の流れに逆らって水流を押し分けて進むさま
から「ゴリ押し」と名付けられた。


「分かってるね、あんちゃんは。」
マカロニの身体をベタベタ触るおっさん。

左上半身を触る眼鏡老人。
「何だ?このゴツゴツしたのは?」
「何でもないよ!」
「隠さんでも解る。あんた堅気の人じゃないね」
「これはピストルの感触だ、そうだ図星だろ」

マカロニの斜向かいの男の眼が光る。
「おもちゃだよ、オッさん」
「おもちゃなら見せてくれたっていいだろう?」
「冗談は顔だけにしてくれよ。
 もういいから、いいから」と左手が、
親父の肩にあたり、下に転げる。

転げ落ちた親父を抱き上げようとした時
先程の斜向かいの男が、マカロニを捕まえ
「坂口だな?」
おまけにすぐさまマカロニの拳銃を奪った。
マカロニは男から拳銃を奪い返そうと
店の中央で乱闘。
マカロニの殴った威力で拳銃は床に落ちる。

銃を拾う

その拳銃を拾う男。


これが、斜向かいの男が探していた男。
坂口(沖田駿一)であった。

銃を手に

男はマカロニを一旦制した積もりが、
マカロニの拳銃を男に向けてきた。
「君!」「拳銃をこっちへ」
「動くな、皆座れっ!」

「誤解しちゃ困る。あたしは城北署の刑事だ」
「警察手帳もある」

瀬木

その時一発目がマカロニ拳銃から発射され
マカロニの頭の上の立て掛けた皿に命中。
皿は割れる。カップルの女が悲鳴!

「全員両手を頭の上に乗せろ!」

マカロニと瀬木3

「あんたデカだったのか!
 飛んだ見込違いじゃねーかよ」と淳
※これはマカロニも同じこと。
胡散臭さは感じていたはず。

「お前が坂口か?」
「うっせーえ。お前こっち来い!」と
刑事を呼ぶ。

カウンターに近づけさせ
片方に手錠。カウンター手摺りに通し
もう一方の右手を施錠。
そしてマカロニは椅子に座らせた。

「坂口、、さんとか言ったな。兎に角訳を
 聞こうじゃないか。話に寄っちゃ、、」と
眼鏡ヤクザ。
この時が二発目。残りはあと四発。


警察捜査官(刑事)の拳銃は
通常計6発装丁されている。
一般の派出所の警官の拳銃は計5発。

全員の手をテーブルに置かせたときに、
一人の女が店にやってくる。
「ごめーんなさい。待ったあ。どうしたのよ」
「抜け出すのに苦労したのよ。奥さんに
 上手く電話したあ?」
後ろを振り向いて、拳銃を構えている男に
やっと気付く女。

小倉と愛人

あのサラリーマン戸倉の浮気相手の
ホステス風の女。年齢不詳。
後から分かるがタエコというらしい。

「きゃああー」とサラリーマン男の陰に女は
慌てて隠れる。

井上堯之バンド♫「サスペンス2#2」

ピアノソロから始まる名曲

「おい!表の看板の火を消すんだ」
とマスターに命令した坂口。

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また階段に灯る部屋の電気が漏れないよう
窓のブラインドも閉じられた。

「おい。逃げないのか?
 何故逃げないんだ!」と刑事

店をぐるっと見渡して、坂口は淳に
「おい。今何時だ?」

「8時、8時丁度だ」と淳
「あんたヤクザか?」
「まあそんなとこだ」と淳は返す

マスターが、犯人が落ち着いたところで聞いた。
「この人は一体何をしたんですか?」
「今朝の朝刊か夕刊を見た者は知ってる筈だ。
 夕べのピストル強盗だよ」

「コルト38スペシャル」と坂口。

◆ちょっと休憩◆蘊蓄太陽にほえろ!36-C

この拳銃はモデルガン
「LIBERTY CHIEF .38special」は、
「Mark Ⅵ」と言われ、
最も全米に行き渡った、生産ロットの
モデル化となっており、
初期モデルから改良を加えられている
バージョンを再現したもの。

コルト38スペシャル

北米のリボルバーとしては
「コルト」と「S&W」が大きなメーカーである。
リバティチーフは1962年当時
大きな人気を集めていた「S&W M36」と
「Colt Detective Special」の"いいとこ取り"。

リバティチーフは「スナブノーズ(獅子鼻)」と
呼ばれる2インチの短銃身の
リボルバー型小型拳銃で、
S&W M36や、Colt Detective Specialとよく似た
外見をしている。

即ちDetectiveとは、日本語で言うならば
「ポリ公」警察官と言う意味。つまりは
警察官が多く所持している拳銃であるという事。


尚、Colt Detective Special38口径は、
後日、太陽にほえろ!山村人情話編。
ロッキー登場前、ボン単独時代最終月の
「第254話 子連れブルース」にも登場します。
※小林恭治次回予告NAでも触れられます。

ストーリーを続けます。


「コルト38スペシャル」と坂口。
「獅子鼻(ししっぱな)って言うんだろ」
※これは、上記説明を。

「射程距離は短いが、威力は抜群なんだよな?」
「弾き"ハジキ"に詳しいんだな」とは淳。

銃を手にした

「ああ」
「好きなんだ。俺のを見したろか」
と、左手でもう一丁をカウンターに滑らす。

「同じ38口径だ」
マカロニは手に取ると、
「モデルガン改造したのか?」
「俺が作ったんだぜ」と坂口は笑いイキがる。
「工場の道具をちょいと拝借してよ」

そこで、淳は
城北署刑事の頭に銃口を構える。

瀬木に

マカロニが刑事を撃つ

そして引鉄を2回、3回と引く。4回引いたところで手を下ろす。

それでカウンターにまた坂口に滑らす。
「いい度胸してんな?弾が入ってたら
 どうすんだ。」
「そしたらこいつ、死んでるよ」

マカロニに瀬木

「チンピラ野郎、拳銃不法所持で
 ぶち込んでやるからそう思え」と刑事
刑事にもマカロニがチンピラだと思えてる。

「ピストルは一丁だけじゃねえんだ!」
「その気になりゃあ、皆殺しだって出来るんだ!」
とウルトラマンA、TAC隊員山中を演じた、
時の二丁拳銃流に構える沖田駿一。

二丁拳銃2


だって脚本の山田正弘は、ウルトラシリーズの
脚本を執筆してきて、当時ウルトラマンAはまだ
放送中で、その絡みで沖田駿一がゲスト出演したのであろう。

山中TAC

TAC山中

画像26

TAC時代の山中隊員

山中と星夕子

最近撮影したらしい、沖田駿一と星光子の写真。
沖田はもう生え際が後退している。久しぶりの
隊員服を着てポーズ!
現在2022年では、76歳の山中隊員。


「あのーー。しょんべんしたいんだけど」
「便所行っていいかい?」
とトイレに消えるマカロニ。

上からトイレ

ここから撮影アングルは、
第16話「15年目の疑惑」の逮捕時の
金谷稔監督の様な撮り方。
上部から便器の水栓器に手帳と手錠を隠す
シーンが撮影されている。

マカロニと坂口3

「いつまでこうやってる気なんだよ?」
「9時だ。9時まで大人しくしてやってくれたら
 何もしやしねーっ」

「坂口、ここ出てもどおせ捕まるんだ、
 何処へも逃げられりゃせんぞ!」
「生命が欲しかったら、無駄口をほざくな」
「このデカ野郎っ!」と動けない刑事を
殴り叩く。


ここで、やっと一係の刑事部屋。

「どうだった?柏木のアパート」とは鬼。

「まあひでーもんすよ」とゴリが帰署
「女は乳飲み児を、追い出した亭主が困るだろう
 と家出。頭に来た亭主のほうは二晩も三晩も
 飲み歩いた末に、城南署の豚箱に
 ぶち込まれてたっつうんですから」

「ひでえ親どもだなあ」と藤堂

「一体どういう積もりで一緒になったんですかね。
 全く子供にはいい迷惑だ!」と山村

「で、現場は路地一本離れた城北署の館内
 でしてね、あとは向こうにお任せしました」

「兎に角ご苦労さん」

「ゴリさん、お前さんに待ちぼうけ食らって
 居る奴がいるんだがね!」
「いけねー、マカロニだ」と指を鳴らす


「歌舞伎町の旅路っていうスナックで
 7時からお待ちかね、の筈なんだが」
「旅路なら場所知ってますよ」

「おーい、おい。8時には一度電話しろって
 言っといたのに、あの野郎忘れてんだ」
「怒ってるって言っといてくれ」

「了解、了解!」

「マーケットのほう、私もちょいと
 覗いてきますわ、あまり遅くなってもね」
と山村


午後9時2分。
スナック旅路では、坂口がかなり
苛立ち始めた。「今何時だあっ!」

「9時だ。正確には2分過ぎだ」と淳が返す。

サラリーマン戸倉が質問する。
「君、9時になったら我々を解放する
 約束でしょ?だったら、もう?」
「俺がいいって言うまでは、何時だろうが、
 動くんじゃねーっ!」

続いてベレー帽の親父が質問。
「あんた、誰かを待ってるのかい?」
「女か?」
「黙ってろ、ジジイ!」
「待ってる相手が女じゃ、
 時間は当てにならんわ」

「黙ってろっ!黙ってろと言ったのが
 聞こえないのか?」

今度は眼鏡ヤクザが坂口に、
「酒ぐらい飲ましてくれたらどうなんだい?」
「酒運んでやれ!」

「ビールだ、喉がカラカラだ」
「儂ゃあ、ウィスキー貰おうかな?
 ついでなら、舶来品をな」

「余計な事かも知れねーが、もし誰かと待合せ
 してんなら、表の灯り付けといた方が
 いいんじゃねーか?
 休みだと思って帰っちまうぞ」とは淳。
※早くゴリさんに伝えないと、の行動だ。

「看板が消えていたって、絶対来る!
 そういう事になってんだ!」

スナック旅路

外には、石塚が店の手前を歩いてくる。
「何だ、休みじゃないか?
 マカロニの野郎、全く楚々っかしいんだから」
と店を、よく調べもしないゴリは立ち去る。
※こっちのほうが、楚々っかしい。
また、腹が減りそれどころではないゴリ?か。

「9時半だぞ。」とマカロニ。
「おっさん!」「はぁあ!?」
舶来品酒をがぶ飲みする眼鏡老人に、
「付けはお断りだからね!」
「いつ還れるのやら?ね」

「トイレ行ってもいい?」と学生の女
トイレに小走りで行った女。

おめいには無理だ

「兄貴、がやれ、って言われれば、
 俺やりますよ」
「俺たちには関わりのねーこった。」
大ヒットTV映画【木枯し紋次郎】の決め台詞。
※これは、当時の流行語のもじり、です。


女子トイレで見つけた消火器を
白いコートに隠して彼氏のところまで運ぶ
女学生。

それを傍察するマカロニ。
見て見ぬふりをしている。
これを武器に出来ると。しかも手に届くところに
それはある。(これは淳の本音か?)

坂口は、拳銃を突き付けながら、
あのサラリーマンの不倫相手に坂口は、
「あんたBARで働いてんのかい?」

「うん」と頷く女
「俺のお袋もだ、沼津で」坂口
「は、あ、あたしは新宿」女

「お袋さんにスマンとは思わないのか?」
と城北署の刑事

「お袋は俺を置いて駆け落ちしやがった」
「サラリーマンの若い客と、よ」

井上堯之バンド♫「愛のテーマ(1D)」

「ねえ君、いつまでこうやっている積もり
 なんだい?僕たちだけでも先に返して
 貰えないか?」とサラリーマン戸倉

「奴さんなら約束は守るだろう。
 浮気がバレるもんな?」と眼鏡老人

「うちの事が心配かい?
 あんた奥さんを愛してるかい?
 どうなんだ、よ!」と坂口

「と、と、当然じゃないか?」浮気の戸倉

「じゃあ家に電話させてやろうか?」
「不味いか?今夜はあんたは出張している事に
 なっているんだからな」
坂口は浮気の女に
「この人の家の電話知ってるな?」
「あんたが代わりに電話してやんな!」

奥さんあのね

「タエコ!よせ!」戸倉はびびっている。

「もしもし、え、いえ、あの、あたしですか?
 タエコって言いますけど。ご主人が奥さんの
 声を聞きたいそうです」

坂口に受話器を代わらされ、
「ママ。ぼ、ぼ、ぼ、僕だ。それがね、
 新幹線に乗り遅れちゃって、は、は、?
 今の女?あれは何でもないよ。あんなもの!」

タエ子

戸倉の本心を見たタエコの顔

「ほんとだって、悪戯だよ。も、も、勿論じゃ
 ないか!今夜?帰、えるよ」
「べ、別にお、お、おかしな事はないだろ」
「い、今?そんな事、今でなくたって」
「ほかに人もいるし、えっ、え、
 誤解しないでくれよ!」

「じや、言うよ。愛してる」小声で。

ここで、坂口は受話器をタエコに振る。
バイバイしてやんな!(あんたが)

愛人には愛人のプライドがあるのか、
歳下の本妻に向かって、大声で
しかも皆が見ている前で、堂々と

「奥さん、何ーが、愛してる、よ!!」
「今のは、嘘だからね」


「タエコ!」戸倉は怒りの顔。

「なーにさ!女子大出たからって
 お高く止まってんじゃないよ。
 この人はね、アンタと三日居ると
 息が詰まっちまうって言ってんのさ。
 今夜は返さないからね!」
女の敵は本妻、なんだ。と思いつつ。
電話でなら女はきつい本音を
相手の心と胸に刺さる言い方で。

坂口の優越感が絆されたとき
女学生が、彼氏にトイレから持ってきた
消火器を使うように足で催促したのだ。

背後では、タエコとサラリーマン戸倉。
戸倉は皆の前で、心のヒダを見透かされ、
男のプライドを傷付けられたのだ。
「いけなかった?だってホントの事でしょ」
「黙れっ!」と公衆の面前でタエコを殴る。

タエコのハンドバックが宙を飛び、
何が漏れたか、床が燃え上がる。
「きゃーああ」女たちの悲鳴!

炎2

「トイレにある消火器がない?ないんだ!」

一面炎

学生の席に消化器を見つけた坂口。
それを坂口よりも先に、マカロニが取り上げ、
消火する。マカロニは当に気付いていた。


消火を終え、マカロニは消火器を投げ棄てる。

消火器を投げるマカロニ

坂口は、学生に歩み寄り、
学生を疑う。そして殴られる。
「俺じゃない!その女が勝手に持って来たんだ」

その女だ

彼女を毛嫌いする顔で指を指して、
拳銃の矛先を彼女に向けようとする彼氏。
「ゲンちゃん。」と男の情け無さを患う女学生。

男とは思えない、が、それでも女でなく
自分に突き付けられた拳銃の坂口に相当に怯える学生。

僕じゃないよう

「人でなし!」と女学生。

げんちゃん

まだ震えている学生。(マザコンかな?)
※こんな男は女を幸せに出来るのかな?
どんな女をも。


ここでまた眼鏡老人。
「あんたの待っている人。ホントに来るのかね」

「どんな事があっても、絶対に来る」

今度は、眼鏡ヤクザが、
「いつまでこうやって睨めっこしたって
 埒があかない。よう、若けーの」
「何なら俺が様子を見に行ってやろうかい」
「俺はご覧の通りの極道だけどよ、サツにタレ
 込む真似はしねーよ」


「タレ込まない代わりに戻っても来ない」
と眼鏡老人。

「喧しいクソジジイ、兄貴はそんな男じゃ
 ねーよ」と手下希望の板前。

坂口は、マカロニを遠くに見て、
「あんた」

「時間か?」

マカロニが1

「時間はいいんだ。
 あんた頼まれてくれるかい?」「何を?」

紙にメモ書きして、コップにいれ、
マカロニテーブル席まで滑らす。

「江崎圭子(真屋順子)」
「俺の女だ、そこへ行って
 様子を見てきてほしいんだ」

ここへきて、坂口の本心が少し垣間見えた
マカロニだった。この監禁には、ここに
書かれたメモの女と坂口との関係が
動機になっている、と。

「どうして俺に」

「この連中の中じゃ、あんたが
 一番信用出来そうだからさ」

「もし家でグズグズしてそうなら、
 言い含めて兎に角連れてくるんだ」

「彼女の気が変わってたらどうすんだ?」

「馬鹿野郎!俺はあいつの為にやったんだ。
 あいつが俺と逃げて!と言うからやったんだ」

腰をカウンター席から上げるマカロニ。


マカロニと坂口2

井上堯之バンド♫「愛のテーマ、ピアノバージョン」


「圭子以外の奴に俺のこと喋ったら、
 ここにいる奴は皆殺しだぞ」

ぼくを行かせて

「いいか、11時までには戻ってくるんだ。
 もし戻って来なかったら」

「戻ってくるよ。俺のハジキあんたが握ってる
 間は、あんたから離れねーよ」と、淳

「よし、じゃあ行ってくれっ
 サツに垂れ込むんじゃねーぞ!」と坂口

「アイツが戻ってこなければ、僕たちは
 どうなるんだ」とさっきの学生

「言った筈だ、一人残らずぶち殺す」と坂口

「いかん。アイツを行かしちゃいかん。
 逃げるに決まってる。
 戻ってなんか来るもんか。」と戸倉
「あんたとは違うよ、あの人は」と愛人タエコ

波多野憲

「五月蝿い!そんなヤクザ者に
 我々善良な市民の生命を左右されて
 たまるもんか!僕を行かせてくれ。
 僕ならきっと戻ってくる」と戸倉

「警察を連れて、な」と眼鏡老人。

「みんな、黙れ!!」怒る坂口の罵声。
そして、マカロニに向かって、

坂口1

坂口のやる瀬無い顔と、縋るような声。
「おい。必ず帰ってきてくれんな?」
「男の約束だぜ」
「俺を裏切らないと約束してくれ!頼む」

坂口裏切るな

「約束する」

「俺はな、あんたが生命賭けて
 待っているものを、
 この目で見たくなったんだ」
「行ってくる、、」と淳

坂口に背を向けて、ドアを開けるマカロニ。


ここで、初めてのコマーシャル。
今回は通常より長い第一ステージ。
ここまで、次回予告含めて28分30秒。

次はストーリー後半部をCで。

9217 文字 でした。

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