マカロニとシンコが気付いた民間補導員の殺人疑惑。必死の捜査終盤、残り13分で時効成立!「貧乏人は子供を産んだらいけないんですか!」と妻。.....第16話「15年目の疑惑」蘊蓄話【前半部】
長いので【前半部】をまずご覧下さい。
50年前の名作映像です。
動画は➡︎ 第16話「15年目の疑惑」
Rutubeでどうぞ。
noteではリンク出来ませんので上記コピーして
検索してください。
太陽にほえろ!PART1の718話中
BESTストーリー名作選。
筆者が選んだ50作品のうちの一作品。
「人間の弱さを浮き彫りにした」
マカロニ時代を代表する一作であります。
★長いので太陽蘊蓄話の中で初の【前半部】
とします。
★まずは、前半の最初のコマーシャル前迄。
証拠を握ったシンコがボスへの報告を
躊躇う(ためらう)まで。
★ジェットコースター箇所から後半です。
1972.11.3放送
脚本:鴨井達比古
監督:金谷稔
「貧乏人は子供を産むな」
妻への【このひと言】が夫の殺人動機だった。
その産まれた子はもうじき15歳。
中学生のこの息子が産まれる前に殺人を犯した、
警察に協力する民間補導員の父を庇い、時効成立直前に
七曲警察署への引き渡しを徹底して息子は
拒み続ける。淳はボスに諍う。
時効成立まであと13分じゃないか!
マカロニは息子世代に年齢が近く、
15歳の(父を援護する男の気持ち)が痛いほど判り、
そのマカロニの気持ちが視聴者にも伝わる。
マカロニも親の縁(えにし)が薄い。
東京でたった一人で生きている。
親子の縁は一番強く感じているのだ。
★息子のやっている事は「犯人隠匿罪」と山村。
★しかしあと少しだけ待ってやれないのか?と淳。
★手錠を持った刑事は捕まえることだけを考えろ!と
鬼の藤堂。
✅マカロニ時代の早見淳と同僚内田伸子の
二人の主演作品。二人の若さの、弱いながらも
上司に絶叫し続けたのは、
「人間の温かみを持ち続けること」。
後半では、ここに殿下も加わる。
若い三人、当時殿下26.淳23.シンコ20(or19)歳が
警察の仕事とはいえ、人を逮捕する権限に対して
図らずもボスへの諍(あらが)いを見せる。
✅マカロニが初めて直面した殺意無き殺人。
被害者は同情の余地のない暴利を貪る金貸し。
それでも逮捕しなければならない刑事という
職業に、マカロニはどうしようもない、
この宿命の非情さを体験する。
★公園のブランコで悩むシーンまでが前半。
この後の遊園地ジェットコースターからが後半部分。
前半の最初のコマーシャル開けの映像。
🟣太陽にほえろ!秀作に近い名作であります。
何度も見ている方が、多いと思いますが、
今の若い方には初めて見る人も感動します。
最後の最後でのマカロニの台詞にはきっと。
「俺は機械じゃない!人間だもん」
5-1「仲間の絆、夫婦の絆、家族の絆」
この三つの絆が淳とシンコの心のなかで
交錯していく。
■ストーリーダイジェスト
中年の高橋(武藤章生)という男が拳銃を持ちながら、
現場から南の方角へ逃走していた。
覆面車2台
この頃は古い外車を使ってます。
青➡︎
ビュイックスペシャル
(ここはボス専用車の設定)
あと、もう一台。
白➡︎車名不明。また調べます。
この白は第53話ジーパン刑事登場!の中盤でも
長さん同乗で殿下が荒い運転をします。
✅腹巻鉢巻の地下足袋の親父風。
しかも拳銃所持。
こんな男が、皆さんの近所の散歩コースにいたら
誰だって吃驚するだろう。
高橋は行き止まりで
マカロニに見つかってしまう。
「そいつだ!ゴリさーん」とマカロニが叫ぶ。
高橋はそこでゴリがマカロニと二人して合流。
別方向から来た山村と殿下が追い詰め、公園に逃げた。
高橋はゴリの足蹴りで拳銃を振り落とされ、
ゴリ、殿下、マカロニで取り押さえ。
山村は落とした拳銃を拾って、
「南部14年式改良型」か?
★この時の逮捕時の撮影カメラアングルは、
真上から。
太陽にほえろ!初アングルである。
犯人、ゴリ、殿下、マカロニそして山村。
五人の動きが一目瞭然で掴める。
視聴者に。
金谷稔監督も、色々なアングルを試しますね。
国際放映第七スタジオ(七曲署一係のセット)では
こんなアクションシーンが取れませんからね。
後から動画で確認してみて下さい。
✅第5話「48時間の青春」と同じ俳優と
同様の設定、同様に七曲署刑事たちに追跡され
逮捕される俳優は、後の西部警察鑑識係ロクさん。
その国立六三を演ずるは(武藤章生)。
拳銃は旧陸軍使用の南部14年式改良型であった。
高橋の犯行の原因は、泥酔し喧嘩の末に
拳銃を持ち出したというものであり、
殺意が無かったと供述。
この時、ゴリは山村席で、尻をデスクに掛けて
丼を食っている。
✅旧陸軍使用の南部14年式改良型は
第257話ロッキー登場2話目「山男」でも
登場しました。
ゴリは、「被害者もかすり傷だったので、
高橋は傷害罪と拳銃不法所持の罪で
懲役1年くらいになるでしょう」と。
「ただ、問題はその拳銃なんだが、ね?」と山村
マカロニが鑑識報告書を持ってきた。
「条痕検査の結果、銃弾は
15年前(1957年頃)の事件と関係があるらしいっす」
✅マカロニが小学三年生の頃。
「まさかと思ったが、やっぱり」と言い残して
山村は部屋を飛びだす。
「この弾きにはマエがあるんだ」と藤堂。
この事件を知っているのは、お歴々の三人。
藤堂、山村、野崎。
調べ室で、
「あの弾きはな15年前に人間一人殺してるんだ」
「俺は違うよ!俺じゃねえ」
「ついこの間預かったんだ!」
高橋は数年前、梶川組の地回りをしている石健という男から
拳銃を預かったこと、俺は殺人をしていないと供述した。
山村の回想
「俺が刑事なって初めての事件。
殺しだった」
山村の台詞
「15年前の殺人事件の内容は、
独身の金の亡者の金貸しである古畑康吉
(当時52歳)が射殺されたというもの。
至近距離から2発の銃弾が撃ち込まれており、
死体"山村の台詞では額と、聞こえる"から
摘出された弾から、凶器は旧陸軍の
軍用拳銃「南部14年式改良型」と判明した」
「金庫は開けられていたが、現金が残されていた。
捜査は得意先の名簿を中心に続けられ、
100人近くの容疑者が浮上したが、
凶器が発見されず、動機も不明のまま、
終に迷宮入りとなった」
✅という事は、
1957年には山村は新人刑事であった。
野崎は別の署"多分、北署勤務?"にいたと。
ボスが一係の捜査会議で、
「あと2日と十数時間で時効が成立する」と。
「拳銃という手がかりがあるんだ!
何がなんでも犯人を追い詰めろ!」と命じた。
↑「そうはさせんぞ」と山村
「俺たちはプロだ!イシケンにはどうせ前がある。
写真を探してくれ」と野崎に。
明くる日
この時のシンコは少年係。
刑事は拝命してない。
このシンコと民間補導員の中沢伸治49歳(武内亨)が
パトロール中に
不良中学生の喫煙を目撃し、
その1人の中学生小野利夫を補導した。
彼はは学校を無断で休んでいた。
(学校が休校になったと嘘を言い、シンコが
学校に確かめると言うと素直に認めた)
中沢は小野の所持品(登校カバン)から、
悪い友達に誘われただけであると推測し、
小野をそのまま釈放した。
井上堯之バンド♫「追跡のテーマ」
いつもシンコのテーマ風に使われる
シンコは、中沢に「処分が甘いのではないか」と。
しかし、
シンコちゃん、
「何も厳しくすればいいのではない」
「あの子は今までタバコを吸った事は一度もないはずだ。
が、次に続けると止めるのは難しい」
「あの子には説教より授業をさぼらせないこと」この事が
一番大切な事ではないか?諭された。
そこに、聴き込み捜査中のゴリが、
ここ七曲署山本派出所に電話を借りに来た。
シンコに事件捜査中途状況を報告した。
「あっ。ボスですか?」
派出所の電話を借り、
石建の住所がはっきりしない事。
根城にしている雀荘を張るぐらいしか、今はないことを連絡した。
場面が変わり、
井上堯之バンド♫「追跡のテーマアレンジバージョン」
シンコは中沢の自宅に向かい、中沢の息子である中沢紘に
頼まれていた
週刊誌三冊を渡した。
宏が週刊誌を必要とする理由は、中学で
広告研究会に所属していて文化祭の研究発表に
使うんだと言う。
一階の居間では、
中沢は拳銃の事件を起こした高橋が
容疑者に浮かばれた記事を見た途端に、
夫人(本山可久子)とともに動揺し、新聞を丸める。
場面が変わる
一見チンピラ風の淳と、一見刑事風のゴリは、
雀荘で石健を発見した。
「梶川組のイシケンだね」とマカロニ。
「誰だい!?」
井上堯之バンド♫「サスペンスⅢアレンジ」
石健は早見に逮捕状を見せられ、抵抗したが、
格闘の末に逮捕された。
「そろそろ思い出さないかい?」と山村
「健忘症らしいな」
石健は知らないと言い張ったが、
ゴリが高橋を調べ室に入れ、
高橋がイシケンに
「兄貴すまねえ。喋らないと
俺が殺しの汚名を着せられっちまう!」
「何っ?殺し?」イシケンは驚く。
「イシケンに拳銃を売った男」が分かった。
5年前(1967年頃)に5丁目で飯屋のコックをしていた
柴田辰夫という男。だが、
住所は不明、時間も経過している。
1967年は、TVではウルトラセブンが
放映中の頃。
「しかしどうしても探さないといけない」
「明日の夜12時まで休憩時間はないと思え!」
と鬼が皆の前で宣言した。
丁度そのとき、
藤堂のもとに「高橋は殺人犯ではない」と
いう内容の投書(葉書)が届いた。
おまけに速達。
管内の郵便局からだった。
字体は雑誌の活字の切り抜きだ。
「こりゃあ灯台下暗しですかな?」と山村
高橋はシロとみていいでしょうな。
と山村。
ボスもこの投書の主がこの件に
関係があるなら、引き続き反応があるだろうと
しかし山村が「この件は伏せといた方がいい」。
その後に、いつも顔を見せない男が一係に。
たまたま近くに寄ったと言って。
藤堂と山村に挨拶をした。
昨日ゴリが話していた、例の拳銃の事件を
かなり気にしていた。
シンコに、
「何か、進展はあった?」とまで。
ライターを忘れていった中沢。
井上堯之バンド♫「真実はどこに」
ここから、聞き込みシーン。
一係はもうすぐ17時。灯りもつけずに
山村とボスは過去の資料を当たっている。
山村は藤堂に、中沢が15年前に参考人として
事情聴取として受けていたときの記録を見せた。
その時、シンコが部屋に。
「シンコちゃん!あの中沢の名前と歳は?」
「中沢しんじ」「歳は49」
藤堂は、
「今度の事件で何か言ってなかったか?」
実はな、と山村はこう言う。
「15年前に事情聴取を受けているんだ」
「容疑者として、ですか?」シンコ
「いやいや。唯の参考人だ。15年前に殺された
金貸しである古畑の手帳に中沢の電話番号の
メモがあったためだ」
シンコは中沢家に。
多分ライターを返しに行ったのだろう。
中沢はシンコに、
「実は殺された古畑は、自分の父親が戦友だった
であったため、交際があった。自分の知人が
殺されたなんて、愉快な事ではない」と。
さらにシンコは
「うちのデカさんたちは、殺し専門だから、
あんまりデリカシーが無いんですよ」
「それに時間ギリギリ寸前で皆イライラしてるから」
さらに、家では、紘が話に加わり、
シンコが差し入れた3冊の週刊誌が無くなって
いたことを話した。
シンコは中沢の家を出た際、ゴミ捨て場に
その週刊誌「週刊読売」が捨ててあるのを目撃した。
やはり、日本TV系列の週刊誌。
これも番組宣伝の一環。
尚、デスクでボスが見ている新聞も、
読売新聞だ、と気づいている視聴者の方が
どれだけいますかね?この回に限らず。
さらに、
シンコは中沢の家にそれを拾って、週刊誌を
返そうとおもて勝手口に立った際に、
中沢と妻の会話を聞いてしまった。
「お前なんかに俺の気持ちが解るか?」
「この15年間1日だって心の休まる日は
無かった。六年前空き巣に入られて拳銃を
盗まれてから、いつかこんな事が起こるんじゃないかと」
「貴方が手錠をかけられて連れて行かれる夢を
何度見たことか!」と妻
「こんな思いをするなら、
いっそあの時自首したら良かった」
ここであの名曲が
家の中から漏れる夫婦の声のシーンに被さり、
シンコの行き場のない悲壮感とも重なり合う。
井上堯之バンド♫「冬の黄昏」
中沢は自分が犯行に及んだ「殺人の事実」が
この6年間、未だに消えないでいたこと。
「あなた、もういや!」と妻
「俺の代わりに罪を着せられそうな人間がいる」
「それなのに黙っていろ、って言うのか?」
「私とひろしに死ねって言うの?」と妻
中沢は「法律には時効があっても、
人を殺した人間の苦しみには時効はない」
紘も2階から降りる途中で
父親と母親の会話を聞いてしまう。
「まさか、あの中沢さんが?!」
シンコは中沢の事情を聞いて公園で悩んだ。
「私はどうすればいいの?」
「あの人たち全てが、未来が私に掛かっている
大きくて、重くて」「私には分からない!」
CAST
中沢伸治:武内亨
高橋:武藤章生、
中沢夫人:本山可久子
柴田辰夫:市村昌治
本山可久子は高校教師74の
浅野千代子(浅野秋子、、演:愛田純の母)役を演じた。
✅この話では、夫の殺人の動機になった妻を
演じた本山可久子。言わば「妻への愛が夫の殺人を導いた」。
だから妻はこの夫の愛を理解して
必死で隠そうとするが、山村にその態度で見破られる。
✅ 中沢を逮捕したくないマカロニ。また
どうしても父を自首させたくない息子。
マカロニは親子の葛藤を見て身体が硬くなる。
刑事としてこういう時どうしたら対処したら
良いのか?
次回は 蘊蓄話【後半部】に。
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