72-73マカロニ青春偶像五編(4/5) 秀作「第36話 危険な約束」【後半部】
これからがストーリー後半部 C
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■ストーリーダイジェスト
台詞の読み下し(聞き取り下し)です。
やっとスナック旅路の表に出た。
スナック旅路で、電話が鳴る。
坂口が指示して、マスターが出る。
「はい。旅路で、、七曲署の早見さんですか?
刑事さん?」
「とっくに帰った、と言うんだ!」と坂口
「その方ならもう帰られましたが」
「ああそうですか。じゃあ何か言伝(ことずて)
はありませんか?」
「無い?じゃあ結構です」
藤堂からであった。
旅路では、坂口が拳銃を片手に、マスターを
下がらせた。
「お仲間が心配してきたぜ、ハヤミさん」
と、城北署刑事に問いかける。
「ハヤミ?俺だと思っているのか?」
「お前じゃなきゃ、何処にデカがいるのかい?」
坂口は警察手帳を確かめる。
「瀬木宏造(中井啓輔)」と。またID写真は、
芸能人のプロフィール写真のようだ。
中井啓輔その人
本物の警察手帳ならば、
いや、小道具でも、制服を着て、
警察官の正装をしているはずだ。
ドラマだが、制作側での少し工夫が欲しい。
※この写真は、
第10話「俺たちはプロだ!」に
既に出てきた。山さんが、被害者はコイツですと、
現場でボスに提示したあの写真そのもの。
あの時は、
殺された被害者、これから捜査する被害者の
写真を何故か、山さんが事前に持っている?
第10話「俺たちはプロだ!」では、
何処で、誰が撮った写真が説明されず。
これは、制作側の汚点。だと思えた。
興味ある方は、
太陽!「俺たちはプロだ!」Rutubeでご確認を。
また「俺はプロだ!」という回もありますから、
間違えないように。
「ハヤミ、ってデカは誰だ!」と坂口。
自分がまだお目にかかっていない刑事が
この店の中にいる。そんな筈はない。
誰だ!?ハヤミって言うのは!
井上堯之バンド♫「サスペンス2#2」
ピアノソロから始まる
「お前がハヤミか?」「お前か!」
誰も自分でないと、言い張る。
あのベレー帽老人にまでも、
「儂が刑事だったら一日でクビだよ」
そこで、瀬木が笑い出す。
「何がおかしい!」と坂口
「アイツが刑事だったら?」
「??」
「これが笑わずにいられるか!」
坂口は、九分九厘の勘で、瀬木の発言は
尤もだと思いつつも、全くの見当違いの刑事に
自分の想いを託した自身の
「人を見る目の無さ」を一瞬感じ茫然。
その心からの瞬間暴発が、
また瀬木を拳銃で殴りつけた。
一方で、♫「サスペンス2」間奏はそのままに
マカロニは、圭子のマンションにたどり着く。
玄関入り口のブザーを鳴らすマカロニ。
「あなた?」と中から呼びかける。
「夜分すみません。早見と言うものですけども」
「あのう、江崎圭子さんいらっしゃいますか」
「圭子はあたしですけど」
続いて家の中から子供の声。
「パパ帰ってきたのお」
「パパじゃありませんよ」と圭子。
「あたしに何か?」
「実、、は、坂口の使いなんです」
慌てて扉を閉めようとする圭子。
靴を扉に挟むマカロニ。
「靴を退けて下さい、警察を呼びますよ」
「俺も警察です」
「七曲署の早見っつんす。
警察手帳持ってきて
ないんです、本当に刑事です」
そこまで言って、圭子は外へ。
「それで、あの人は捕まったんですか」
「いえ、まだ」
「未だ?」と圭子は苛立つ。
「旅路であんた待ってます」
「どうして捕まえないんですか?」
「捕まえる?
奴が捕まりゃいいと思ってる口振りですね。
まさかあんた!」
井上堯之バンド♫「追跡のテーマM2」
スローバージョン
いつものシンコのテーマ風が、マカロニの
揺れる心を演出する。
「ちょっと待ってくれ」
「あんたまさか城北署に密告したんじゃ
ないだろうな?」
「あたしです。あたしが警察に電話したんです」
「何がいけないんです?」
「あの人は犯罪者でしょ」
冷たくあの男とマカロニを突き放した。
もう既に男から離れた心と家庭に戻りたい心を
揺るがす。
「奴はあんたと逃げるためにやったって!」
「そんなの言い掛りよ!私には関係ないわ」
「愛しあったんじゃないですか」
「少しくらい愛しあったからって、私には
夫も子供もいるんですよ」
「ピストル強盗した男と、どうして一緒に
逃げないといけないんですか?
常識で考えてみて下さいよ」
「分かりました。よーく分かりました。」
「でも奥さん。もう一つだけ、我々に協力して
いただけますか?」
「もう協力はしました」
それでも淳は現実からは離れない。
「坂口が旅路で、俺の銃を奪って、
客を監禁してるんです」
「あたしには関係無いことでしょ」
「奥さんを11時まで連れて帰らなければ、
皆殺しにすると脅迫されたんです」
「あたしは嫌よ」
壁に手をつき、伏せて泣きこみ始める
「お願いです。
これ以上あたしを巻き込まないで下さい。
あの人の事が夫にでも知れたら、私は」
「9人の生命が掛かっているんです!」と
マカロニは、刑事の使命を吐露した。
「ご主人にはバレないように取り計いますから、
奥さんの生命も、俺の生命を掛けても、
保証しますから、奥さんお願いします。」
マカロニは頭を下げて訴える。
それでも圭子はしくしくと
泣きが止まない。
半分は同情し、半分は諦めかけて、
淳は「家族」の、
自分が知らない、経験していないこの圭子の
「家庭の暖かさ」を
引き千切る権利は自分にはないと、確信した。
「あんたには、帰るとこがあるからいいよ」
「あんたなんにも、失っちゃいないよ」
しかし、若い24歳の淳は、
「俺、あんたみたいな女が一番嫌いなんだ」
もう何度言っても無駄だと、マカロニは
帰ろうとする。
「あのう」とトボトボ歩いて去る
淳の背中を呼び止める声。
少し笑みが差したマカロニは、
「来てくれんですか?」
頷く圭子。
エレベーターが一階で止まる。
ドアが開くと、夫が立っていた。
「圭子。出かけるの、お前」
マカロニは、横を通り過ぎて、知らぬ顔。
「窓見てたら貴方が見えたから、
迎えに来たのよ」と圭子。
「なーんだ、そうか」
やはり、夫のある暖かみのある家に
帰り閉じこもってしまう圭子。
マカロニの言う通り、
「あんたには、帰るとこがあるからいいよ」
「あんたなんにも、失っちゃいないよ」
左手で、すまぬ意志を表する圭子。
マカロニは、次の手を考えなければならない。
通りに出て、マカロニはたち小便。
※マカロニはよく立ち小便をする。
第一話マカロニ刑事登場後、これで5回目だぞ。
ショーケンファンはよく見てますよ。
立ち小便は軽犯罪ですよ、淳。
52話でも立ち小便後に暴漢に刺されるが、
この回の逆予告オマージュとも言える。
「可哀想な野郎だ!」と呟く
時計は10時半を過ぎた。
井上堯之バンド♫「メインテーマバリエーション」
タバコ屋で
「おばさん、ハイライト頂戴」
※当時はハイライト80円。
コーヒー一杯も同じ金額。
◆井上順の♫「お世話になりました」
の歌詞にも出て来る。
ハイライトは金のない若い喫煙者の定番銘柄。
電話をしようと小銭を作る。電話をしようと
するが、辞めた。
「ハイライトジャンボ」に代えるも、
やはりまたショートに戻す。
そして、一係に電話をするが、
ボスの声が聞こえたのみ。
「!なんだ?」
やはり話せなかったマカロニ。
「ボス、どうもすみません」と
独りごちた。
このあとに、
「やれやれ、あれは集団万引きですな」と
山村とゴリが帰署。
「ああ、ご苦労さん。
あれマカロニは?」
「現れませんよ。
どこをほっつき歩いてるんでしょうね?
旅路に行けば店は閉まってたし、
下宿に行けばまだ帰ってないし」
「旅路、閉まってたって?」
「ネオンも消えてましたよ」ゴリ
「おかしいな、さっき電話したら人が
出たんだけどね」藤堂
マカロニが、旅路に戻ってきた。
「圭子は?、どうしたんだよ」
「いたんだろう?」と坂口
「居なかった」
「本当にいなかったんだな?」
「盲腸で入院したらしい」
「いくら待っても来やしねーよ」
「出鱈目言ってんじゃねーだろうな」
「てめーで確かめてきたらどうなんだい?」
「兎に角ありがとうよ、疲れたろうよ。
一杯やるかいハヤミさん?」と坂口。
「ああ」
焦燥感が走る坂口の顔。
「ハヤミ」と言われ返事を返した淳に
対して、ビビる坂口。
「変だとは思わないかい?」
「何を?」
「俺があんたの名前を知っていることが、さ」
「えーっ、早見さん」
「お前はハヤミ?」と瀬木刑事も。
「俺が早見だったら、どうだって言うんだい?」
薄々見破られるのは分かっていた?マカロニ。
坂口は、後ろを振り向いたマカロニを
背後から殴って床に落とした。
「てめーっ、商売道具は何処に隠した?」
「惚けるなーっ」
「手錠と警察手帳だよ」
「オイ学生?!トイレ探して来な?
隅から隅までだ」
「おめえがデカだったとはなあ!」
「表には何人の警官を連れてきた?」
「おい少しは信用しろ、バカ」
「俺は約束を守ったんだぞ」
「笑わせるな」と坂口
「坂口、悪あがきはよせ!」と瀬木。
「俺は誰も連れてきちゃいないよ」
その時、また旅路の電話が。
10時42分
ボスが、「妙だな、今度は誰も出ないぞ」
学生が、警察手帳と手錠を見つけて
トイレから出て来た。
「よおし、そこのカウンターに置け!」
と言うや否や、
マカロニが坂口に反撃。
それに、マカロニの拳銃でマカロニを狙った。
坂口は3発め、4発めを発射。
続いて5発め、6発め。
マカロニはカウンターの陰に隠れる。
マカロニも弾の数ぐらいは数えているだろう。
教育係、射撃の名手ゴリに教えてもらっているはずだから。
※警察捜査官(刑事)の拳銃は
通常計6発装弾されている。
一般の派出所の警官の拳銃装弾数は計5発。
前半部で、既にマカロニの銃から坂口は
二発発射している。
この六発目がマカロニの左手の甲を掠る。
出血する淳。
淳の拳銃には、これでもう弾は無くなった。
その時に、坂口に飛びかかったのが、
ヤクザ希望の気の弱い板前。
坂口が持つマカロニの拳銃を奪い取り、
引き金をひくが、もう弾は出ない。
空砲を撃つ板前。
弾が出ずに発狂し、兄貴の援護を求めるも、
坂口は、手製のもう一丁の拳銃を手にし、板前を撃つ。
板前は、左足を撃たれて、なお悲鳴。
「兄貴助けてくれ!」
「馬鹿!近づくんじゃねー」と
「兄貴っ」
気が動転し、強い兄貴と標榜してきた奴の
気弱さをみた舎弟希望者は、
兄貴の「瞬間敵前逃亡」に人間の弱さを見た。
「もうい、嫌っ」「こんなとこ私もう嫌」
と女学生。銃声の木霊が頭から離れないのだ。
「てめえ!」と坂口は更に乱行発狂。
「私,帰る」
坂口が女を撃と撃とうとした時。
マカロニが坂口の拳銃の矛先を変え,
坂口の手製拳銃が一発。
坂口と淳の乱闘が始まる
井上堯之バンド♫「マカロニジープチェイサー」
坂口の拳銃が落ち、瀬木刑事も
サラリーマン戸倉に拾ってもらおうと声出し
するが、やはり坂口が手に戻す。
「この野郎、ぶっ殺してやる!」
マカロニは、怪我をした左手に力が入らず、
坂口は手製銃で
マカロニを右から左へと滅多打ち。
「俺はおめーが憎い」
「圭子を連れて来なかったからじゃねえ」
「おめえがデカだから憎いんでもねえ」
「刑事のくせして、俺の、俺たちの気持ちを
わかったふりをした、てめえが
許せないんだ!」
「てめえみたいな下衆の裏切り野郎は、
死んだほうが、いいんだ!」
「分かったか、
死ねーっ」
そのとき、拳銃の暴発音と
拳銃が床に落ちる音が聞こえる。
手製だけに、暴発したか?
しかし、
「旅路」の入り口から伸びたボスの右手から、
発射した弾が、坂口の手に命中?したのだろう。
ゴリよりも正確なボスの一発の射撃で
マカロニの生命を救ったのだ。
勿論、人質9人と犯人も。
犯人をここで射殺しては意味がない。
犯人にはやった事の責任を取らさなければ
ならないからだ。店の弁償もある。
※太陽にほえろ!では、各刑事は
大方店への弁償を犯人に言い渡すシーンが
少なくない。
「七曲署捜査一係の藤堂です」
「どうもどうも。面目ありません」と瀬木
藤堂は施された手錠を外す。
「他に怪我人はいないか?」と山村
「ピストル強盗の坂口です」と瀬木
「江崎圭子という女性からうちの署にも
通報がありましてね」と藤堂
「圭子、が?圭子が、俺を?」
坂口は唖然となる。
「待って下さい。この事は
お宅のあの人が知らしたんじゃないですか?」
そう言ってボコボコのマカロニを見遣る。
「いーや、あいつからは、何も。
その事については、後でゆっくり油を
絞りますがね」
吃驚して、そんなマカロニを振り返る坂口。
「そうですか、それで解りました。
夕方うち(城北署)にも
女性の声でタレコミがあったんですが、
あれも江崎圭子だったんですね」
「あんた、圭子には会ったんだな?」と坂口
マカロニに、もう一度確かめる。
「忘れちまいなよ、あんな女の事は」と淳
そこで、かなり坂口は、マカロニに対して
申し訳無さが込み上げてきたのか、
手錠したまま、泣いて連れ去られる。
自分の勝手な妄想の依頼を果たそうと
芝居までしてくれ、自分の約束を実行して
くれたこのチンピラ刑事に、感激したのだ。
しかも署への連絡も一切せずに、
俺との約束。これを守ってくれた事が
藤堂の発言で改めて理解できた坂口。
入り口で、もう一度マカロニを向いて
「早見さん」と泣き出しそうな素直な若者の顔に
なる坂口。
井上堯之バンド♫「愛のテーマ1B」
「あんた、なんでデカのくせに」と
坂口の台詞はここだけ。
坂口もこれ以外の台詞は無い、
台詞無しの名演技。
「男の約束だろ」と淳はポツリと。
殴られて口を開くにも痛さがあったろうに。
山村「他の方も一応署までご同行願います」
坂口の拳銃で左足を撃たれた板前。
兄貴分が、「おめえ、いい度胸してるぜ」
のあとに、ツバを引っ掛ける。
「おめえさんの手は、借りたくないらしいな」
露口茂も昔の時代劇台詞口調に戻り、抜けない。
学生が女に寄っていく。
「ようこ、大丈夫だった?」
※彼女の名前が初めてここで判る脚本演出。
「初めに聞いたコト、
もう一度聞いてみていい?」
「ヨットが転覆したら、あんた私の事たすけて
くれる?」そこでも、即答が出来ない男学生。
ここで彼女の彼氏への信頼関係は
完全に崩壊した。
「心配しなくても良いのよ。
もう二度とあんたとヨットに乗ることは
ないから」
戸倉と愛人
「さあ、タエコ」
いきなり左手で、戸倉を引っ叩く。
「何すんだよ」
「お返しだよっ」あ、あタエコ!
この二人も、以降の愛のランデブーは二度と
繰り返すことはないだろう。
🟣信頼関係がガタガタになった登場人物達。
人間誰もが持ち合わせている面従腹背
、、、 めんじゅうふくはい、、は、
ちょっとした事で露呈してしまい、
それが互いの関係性を崩壊に導く。
本当の人間性の関係。これまで培ってきた何かを
問いかける作品になっています。
ゴリが、とうとう酔い潰れた眼鏡老人を、
「さあさあ、お父さん。しっかりして」
マスターが、
「おっさん、逃がしゃしねーよ」
※呑んだ洋酒はツケは一切効かないとばかり。
これも老人と店、マスターの面従腹背の露呈。
ゴリは、坂口の拳銃と弾を、回収。
ボスは、坂口の使用で
弾が空になったマカロニの拳銃を拾い
淳に戻す。
「どうした、マカロニ」
しかし、坂口、彼は
「身勝手な女に身勝手に惚れた男が元来
持ち合わせた女への狂気を目覚めさせた」
※それは自分を捨てた母親への息子からの復讐。
引いては全ての女たちへの怨みだったかも
しれない。のだ。
だから、坂口の暴挙なる単独的凶乱に、
同世代として、淳は恐怖を感じたのだ。
男として。同世代として。
マカロニは、ボスの前で、
「俺、怖かったっす。怖かったーんす」
坂口のこの衝動的犯行、無謀さ。
この36話の終盤のシーンは、
いずれジーパン時代に視聴者からの熱い要望で
撮影、放送された、
第65話「マカロニを殺したやつ」の
山村の台詞を想いださせる。
「あんな奴かも知れんな、
マカロニをや(殺)った奴さ、
後先も考えず、衝動的に突っ走る」
「そんな奴が多すぎる」
「それだけが、若さか?」「えーっ!?」
と鉛筆をゴリの前でへし折る、山村。
※令和時代でも、少なくはないです。
昭和の山さんが、令和のこの時代を見たら?
「後先も考えず、衝動的に突っ走る奴」は
この日本人の幾人かには少なくない。
※かの国の兵士や、扇動している大統領も然り。
※もう一国の、ミサイルをやたらめったら
ぶっ放すあの国も然り。全世界から非難されても
決して止めようとはしない。
まあ、山さんは俳優業は辞めていますが、
現在も存命です。
お孫さんの成長を楽しみに、日本の何処かで
生活しているみたいです。多分岡田プロデューサーと同世代。
いまは90歳に近い年齢で、まだ
タバコをプカプカしてますか?
このブログをご覧になっていたらコメント下さい。
次回は最終 この36話の太陽!関連作をDとし、
皆様にお伝えします。
6685字でした
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