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【時事抄】 米国の為替監視リスト入り、熱い夏相場へ

米国財務省が公表した報告書に日本が「監視リスト」入りしたことで、為替介入に対して米国の懸念が一層高まっている!?と大変な足枷を嵌められたかのような反応がSNSでチラホラ見られました。公表内容を詳しく見れば、騒ぎ立てるほどのことではありません

二日続けての金融ネタで恐縮ですが、21日の日本経済新聞の記事から概要を見てみます。

<要約>
米財務省の外国為替政策報告書に日本が「監視リスト」入りした。資料は半期に一度公表され、主要な貿易相手国が為替操作で自国の輸出に利する動きを取ってないか分析する。1年ぶりにリスト入りした日本以外に中国、台湾、ドイツ、マレーシア、シンガポール、ベトナムが名を連ね、日本以外は前回と同じだった。

米財務省は監視リスト入りする3条件を設定し、うち2つ以上を満たした国が機械的にリスト対象国になる。日本は今回、GDP比3%以上の経常黒字、大幅な対米貿易黒字、の2項目に該当した。原油価格の騰落による経常黒字額の変動がリスト入りした要因だ。

もう1つの監視リスト入り条件が為替介入だ。年間GDPの2%超の規模の為替介入を8ヶ月以上継続実施すると該当となる。日本は対象となる23年には為替介入を実施せず、24年4〜5月に9.7兆円の円買い介入を実施したが、米国が嫌う通貨安誘導ではなく、金額も期間も基準には該当していない。

米財務省高官は記者会見で「日本の最近の介入は政府によって公表されており、我々が懸念する通貨安の誘導とも反対方向だ」と問題視しない考えを示した。報告書には為替介入を非難する文言もなく、制裁の検討対象となる「為替操作国」もなかった。

(原文762文字→552文字)


財務省の神田財務官は「経常黒字やアメリカに対する貿易黒字を機械的な基準に照らして評価するもので、リストに入ったら為替政策を問題視するということではない。日本の為替政策の透明性をポジティブに評価している」と記者団にコメント。

鈴木財務大臣も、閣議後の記者会見で「監視リストについては、一定の基準値に照らして機械的に評価した結果であり、アメリカが日本の為替政策を問題視していることを意味するものではない」と述べました。

7月になると、欧州各国では議会選挙の結果が明らかとなり、米国で発表される経済指標はFRBの利下げを占う重要なイベントとなります。大荒れ必至の翌月の為替相場を控え、暑い(熱い)夏がやってきます。

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