強さは優しさで示せ






私の中学校には謎のルールがあった。




それは 

"1年生はジャージのチャックを開けてはならない"というものだ。
(歴代の先輩が勝手に言い出したものであり、学校の校則ではない。)






こんな誰も得のしない謎ルールがいつからあったのか知らないが、おそらく

「私も1年生の時にチャック開けるの我慢したんだから、あんたも我慢しな!」

という悪循環でズルズル続いていたのだと思う。





ちなみにわたしの学校は、ほとんどの時間を制服ではなくジャージで過ごす感じだったので、この謎ルールは学校生活を少し窮屈にさせる要因のひとつだった。(地味に首が苦しいし)




そして実際、1年生がジャージのチャックを開けているとどうなるかというと

"先輩に目をつけられる。"




でもまあ、目をつけられると言っても、自然あふれる田舎の学校にヤンキーなんていなかったし、カリスマ的なリーダーやボスがいるわけでもなかったので、
たぶん本当に"目をつけられるだけ"だったんだとおもう。(なんだそれ!)



とはいえ、あの頃のわたしは人生経験の浅いうぶな12歳。
世界の中心が学校だったし、純粋及び真面目だったし、目をつけられるだけといえど、目をつけられるのはなんだかんだ怖い。
だからこの謎ルールをきちんと守っていた。(学年全員が守っていた。)






そして謎ルールを1年間きちんと守り、わたしは2年生となった。



理不尽な謎ルールから解き放たれた人はどうなるのかというと、
縛り付けられていた反動からか、ヘソの下くらいまでチャックを下げだす。

決して全開にはしない。(全開にしたら先生に注意されるのでギリギリを攻める。)




どう考えても下げすぎなのだが、
"チャックを下げれば下げるほどイケている"という、これまた謎な感覚がわたしたちに染み付いてしまっていたのだ。


もちろん、わたしもチャックをがっつり開けさせてもらっていた。






そして自由にチャックの位置を決められる夢の生活を充分に楽ませてもらい、わたしが3年生になったとき、

なんとこの謎ルールは消滅し、
1年生もジャージのチャックを自由に開けられる平和な学校を取り戻したのだった…!(よかったね)


優しさで変えられる世界もあるね〜。





なんてことを、アメトークの中学イケてない芸人を見ていてふっと思い出していた。

いや〜、思い返してみるとさあ
中学校での経験って結構特殊というか、大人になったらもうしないようなことばっかりしていたような気がするよ〜。



合唱コンクールの練習の一環で、クラス全員の前でアカペラで一人で歌わされそうになったときは震えたね。

結局いいタイミングでチャイムが鳴って歌わずに済んだけど。(チャイム、あのときは助けてくれて本当にありがとう。)




ああっ、あれ?なんの話だっけ?

あ、チャック開けちゃダメな話してたんだ。…チャック開けちゃダメって改めて意味不明すぎるね。
へんなの!



子供のときも、大人になってからも、変なことっていっぱいいっぱいあるけどさ、
そんなものテキト〜にやり過ごして良いから、自分の好きな世界を中心にして、愛するものを抱きしめて過ごそ〜!

🕺ダァンス

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