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「お金があれば、しあわせ?」対話カフェそもそも レポート#03

【開催日時】
2022年12月10日(土)
13:10~14:45
@池袋会場

第3回のテーマは「お金があれば、しあわせ?」です。

お金、もらえるなら欲しいですよね!
でも、お金さえあればしあわせになれるのでしょうか?
もちろん、生きていくためにはお金は必要。
でも、お金だけあればいい、というわけではなさそうです。

しあわせになるためには年収いくらあればいい思いますか?
お金としあわせの関係性は?

今回の対話のレポートをまとめました。

お金、ほしいですか?

まずは単刀直入に聞いてみました。
「もらえるなら、お金ほしいですか?」
さすがにこれについては全員が「はい」と答えました。

もらえるものなら、欲しい。
シンプルにそう思います。
では、問いを少し具体的にしていきます。

お金、どれくらいほしいですか?

「いくらでももらえるとして、いくら欲しいですか?」と問いました。
小学生に聞いたら「100兆円!」と答えそうな問いですが、あえて聞いてみます。

「金額じゃなくてもいいですか?」
との質問をいただいたので、答えやすい表現でもちろんOKです、とお伝えしました。すると……

「どれくらいの金額かわからないけれど、生涯、安心して生きていけるくらいのお金が欲しい」

「この先、お金の不安がなくなるくらい」

「私も似たような感じで一生困らないくらいなんですが、自分の生活ができて、旅行とかの趣味がしっかり楽しめるくらいはほしい」

いくら、というわけではなく、「この先お金に困らなくてもいいくらい」の額、という意見が並びました。

「2億円くらい。それくらいあれば、死ぬまで困ることはなさそう」
「それは、将来の子育てとかも含めてですか?」
「子どもを育てるなら、さらにプラスで欲しいかな。子ども一人あたりの教育費が3,000万くらい? もっとでもいい」

ここで、ひとつの参考として、統計データをみなさんに見てもらいました。
最近の、生涯賃金の平均金額です。
大卒だと
・男性…約2.9億円
・女性…約2.4億円
だそうです。

「これは育休や産休を含めた金額なのかな?」
「おそらく、そういった手当や、ボーナスや退職金など、すべて含めた金額の、ざっくり平均だと思います」

「男性と女性で思ったより差がありますね」
「ひとつは、男性の方が昇格していく人が多いからかと。これを見ても、管理職は男性のほうが多いとわかりますね」

じゃあ3億円あれば、不安なく生きられる……?
それでもどこか不安は消えないような?

金欠は不安ですか?

「お金が厳しいと、不安になりますか?」と聞いてみました。
これも全員が「はい」との答え。

「お金なんかなくても大丈夫!って人には会ったことないかも」
「沖縄の人でそういう価値観の人はいるかも?」

なるほど、「なんくるないさ〜」の精神。

お金で買えるしあわせは?

「しあわせはお金じゃ買えない」といったセリフを、どこかの物語で聞いたことがあるような気がします。

しあわせを語るときによく言われる言葉でもあるとは思います。では、あえて考えてみましょう。
「お金で買えるしあわせは、何がありますか?」

「すぐに思いついたのは、おいしい外食。おいしいものを食べるとしあわせ〜って思う」

「快適な住環境」
「快適というのは、具体的には?」
「適温で暮らせること。実家がエアコンのない家で、夏は暑く、冬はすごく寒かったんです」

「住環境で言うと、以前家賃3万円のアパートで一人暮らしをしていたときに、ユニットバスが不便でつらかった。これはもっと家賃を出せば改善できた」

「衣食住の食と住がまず出ましたね。服でしあわせって……どうだろう」
「服が好きな人や、ブランドにこだわりがある人は、この服着られてしあわせ、ってことはありそう」
「子どものころ、お下がりの服を着させられてたんですが、あれが嫌で。お金があるなら、新しい服を買ってほしかった」
「わかります!」

「お金があれば、時間が買えるってこともありますね」
「タイパって言葉も最近言いますね。タイムパフォーマンス」
「歩くか、タクシーに乗るか、とかも似たようなことかな」

「お金に余裕があれば、仕事を休みやすい」
「確かに、資産に余裕があれば、無理して働かなくてもいいから、余暇が作りやすいし、楽しみやすくなりそう」

「公立じゃなくて、私立の小中学校に行かせる親の気持ちも、そうかも。高い学費で、良い人間関係のクラスを買ってるとも言える」
「必ずそうなるとは限らないけれど、受験させる親の気持ちとしてはあると思う。できるだけトラブルが起きないように、とか」

「会員制サービスとかは、プラスの料金でサービスの質を上げているから、これもそうかな?」

次々と意見が上がります。
そんななか、話者から新たな問いが。

「こう考えていくと、そもそも『しあわせ』がなんなのか、を考えてしまう」

確かに、お金で買えるしあわせを考えるためには、「どんなことがしあわせか?」も考えなくてはいけないですね。
お金としあわせの関係を考えるには、しあわせについても掘り下げる必要がありそうです。

もっとお金があれば……と悔やんだことは?

本当は何かをしたかったのに、お金が足りないせいで希望が叶わなかった体験を聞いてみました。

「大学を選ぶときに、親から「私立に行かせる余裕はないから公立で、と厳しく言われて、それがかなりのプレッシャーだった。もし、私立でもいいと言われていたなら、進学の選択肢も増えたのに、と思う」

「さっきと同じになりますが、お下がりの服は着たくなかった」

「実家の立地。子どものころに両親が一戸建てを買って引っ越したけど、街の中心部からすごく離れていて、近くに公園とか図書館もない辺鄙な場所だった。自然の中で遊ぶしかなくて、正直つまらなかった。習い事をしたかったけど、街まで車で20分かかるから、共働きの両親には送り迎えができなくて、習い事ができなかった。お金があるなら、もっと便利なところに家を買ってほしかったと今でも思う」

「大学生活で、さまざまな人と出会うときに、実家の裕福さで判断されることがある。そのせいで、自分から離れていく人がいたりすると、損したような気になってしまう」

これらも、言い換えれば「そこでお金があれば、もっとしあわせになれた」ことの、ひとつになるはず。

裕福さで、人生の選択肢や、人間関係まで決められてしまう。
当たり前のことと納得もできつつ、どこか釈然としない気持ちもわかります……。

お金があったせいで損したことは?

逆に、お金に余裕がありすぎて損をした体験があるか、聞いてみました。

「年収がかなり高かったとき、すごく浪費しました。それまで買わなかった高級なコスメをたくさん買ってしまって……」

「ギャンブルにお金を突っ込んでいた時期がありました……。株とパチスロやって、トータルではかなり負けています」

急に口調が重くなります。仕方ないですね……。

「今思うと、ギャンブルって勝った瞬間だけはすごく気持ちいい。快楽というか」
「仕事も忙しくて、ストレス解消みたいな感覚でやっていた」

「浪費や散財も、ある種の気持ちよさを求めているのかも」
「浪費って、買う瞬間が一番気持ちいい。買ったあとに商品を持っていても、別に楽しくはなかったりする」

ここで新たな疑問がわきます。
「ギャンブルや浪費の気持ちよさは、『しあわせ』と呼べますか?」

「しあわせとはちょっと違う、『気持ちいい』に近い」
「しあわせというより、快楽って感じ。体感的な気持ちよさがある。翌日まで残ることはない、短期的な快楽」
「そう考えると、おいしい食事も『短期的な快楽』ってことで、しあわせじゃないってこと?」
「いや、おいしい食事には幸福感がある。なぜだろう」

しあわせにも、短期的な快楽のようなもの、そして長期的な幸福とあるようです。
短期的な快楽をしあわせと呼ぶかは悩ましいところ。

そろそろ時間も迫ってきたので、最後の問いに移ります。

年収と幸福度は比例するのか?

年収200万円から年収400万円になったら、2倍しあわせに暮らせるのでしょうか?
年収2,000万円になったら10倍しあわせ?

「ある程度までは比例すると思います」
「ある程度って、どれくらいでしょうか?」
「自分の趣味や楽しみが充実できるところまで来たら、そこからはそんなに上がらなさそう」

「年収でいうと700万くらいから先はあまり変わらないような……」

「結婚したり、子どもがいたりしたらまた変わりますよね」
「年収が上がったとしても、忙しすぎて全然休みが取れないとか、ストレスがたまるのはしあわせじゃないから、単純に年収だけでは語れないかな」

「いわゆるワークライフバランスがやっぱり大切」

このあたりで、時間いっぱいとなりました。

第3回の板書


お金いくらほしい?との問いでは、一生分のお金が欲しくなる。
お金がたくさんあればあるだけしあわせ?と問うと、どこかで頭打ちすると思える……。

私たちは100兆円が欲しいわけではなく、求める幸福のイメージがあり、それを満たしたいと思っている。そのために必要なだけのお金がほしい。

つまり、目的は幸福であり、お金はそのための手段なのかも……という気づきを、ほのかに感じました。

今回も充実の対話となりました。
参加の皆様、ありがとうございました!

次回は2022年12月17日(土)開催。
テーマは「自分の強み・弱みとは?」です!
http://peatix.com/event/3379676

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