「自然な恋愛とは?」対話カフェそもそも レポート#07
【開催日時】
2023年2月11日(土)
12:45~14:45
@池袋会場
第7回のテーマは「自然な恋愛とは?」です。
人は成長するにつれ、どこかで恋という体験をする。
自然と誰かを好きになり、自然と誰かから好かれる。
自然に交際し、自然に結婚する。
……誰もがこんな順調に、恋愛しているわけではなさそうです。
20代で、恋を経験していない人も多いでしょう。
最近は、マッチングアプリの人気が高まっています。
アプリを使うのは、自然な出会いでしょうか?
婚活パーティーはどうでしょうか?
合コンは?
友人の紹介は?
恋愛は、普通に暮らしていれば自然に発生するイベントなのでしょうか?
それとも、努力しないと得られないのでしょうか?
「そのうち誰かを好きになるよ」と軽く言われたり。
「がんばらないと出会えないよ!」と強く言われたり。
恋愛しなきゃいけない、という空気が息苦しかったり。
恋愛と遠い自分に不安や寂しさを感じたり。
自然に恋愛できたら、どんなに楽なことか!
でも、そもそも、自然な恋愛ってなんなのでしょう?
今回の対話のレポートをまとめました。
自然な出会い、自然じゃない出会い
まずは、どんな出会い方が自然に感じるか?
また、どんな出会い方が自然じゃないと感じるか?
どんどん意見を挙げていただきました。
自然な出会いと思うものは?
同級生
職場
バイト先
幼馴染
同窓会
自然じゃないと思う出会いは?
道でばったり会う
電車の中
ナンパ
旅先
合コン
インスタ
マッチングアプリ
お見合い
自然か自然じゃないか迷う出会い
シェアハウス
友人の紹介
出会いを「自然度」で仕分けてみる
ある程度、出会い方が揃ったので、仕分けてみることにしました。
まず、似ている要素はまとめます。
(同級生・同窓会)→学校
など。
次に、各要素を「自然じゃない」と思ったら挙手してもらいます。
そして、票数ごとにまとめていきます。
票が多いものほど、自然じゃない出会い。
票が少ないものほど、自然な出会い、とします。
今回、挙手に参加したのは3名です。
仕分けた結果はこちら。
自然な出会い(0票)
学校の繋がり
仕事
幼馴染
友人の紹介
やや自然な出会い(1票)
なし
やや自然じゃない出会い(2票)
偶然
合コン
マッチングアプリ
シェアハウス
自然じゃない出会い
インスタ
お見合い
ナンパ
自然かどうか、何が違う?
この仕分けを見ながら、皆で考えてみます。
自然かどうかは、何が分けているのでしょう?
「マッチングアプリでも、本人がやりたくてやっているのなら、それは自然のうち」
「本人がやりたいと思ってやったことなら、それは自然」
「リアルの場で出会いのチャンスがたくさんあるのに、さらにアプリやインスタで出会おうとするのは『え!?』と思う」
「自分からわざわざ出会いを求めていくことは、自然じゃない」
これは、ちょっと前なら「肉食系」と呼ばれたタイプ。
掘り下げて聞いてみます。
わざわざ出会いを求めていくの、どう?
「アプリとかだと、複数の人とたくさんやりとりするのが疲れそう」
「悪くは、ない」
「女性がガツガツしているのは、ちょっと……」
ちょっと……何なのでしょう?
恋愛にガツガツしている女性をどう思う?
「みっともない」
「はしたない」
「不自然」
「怖い」
「変わってる」
「男性がガツガツするのは普通、みたいな空気はありますよね」
「街でナンパしてるのはほぼ男性ですよね」
女性が恋愛や出会いにガッツいているのは、あまり好ましい印象ではないようです。
ここで話題がマッチングアプリに移り、このような問いが出ました。
マッチングアプリの出会い、周りに言える?
「親には言えないけど、友人なら言える」
「ナンパ、インスタ、合コンも同じで、親には言えないけど友人には言える」
親に言えないのは、なぜ?
親を思ってのこと?
それとも自分の見られ方の問題?
「その人でいいの?と心配されそう」
「言ったら、親からの視線が気になる」
「親を不安にさせそう」
「ネット使わないと出会えないの?って言われそう」
親の世代はマッチングアプリをよく思わないだろう、という思いは強そうです。
ここで参加者から、新たな気づきが。
「ここまで考えてきて思ったのは、『出会い』と『恋愛』は、一見繋がっているようで、実は繋がっていない」
これまで私たちは出会いと恋愛を一括りに考えてきました。
出会いは恋愛の一部分、とでも言いましょうか。
しかし、出会いと恋愛には、実は繋がりがないのでは?という気づきです。
「自然じゃない出会いから、自然な恋愛になることだってある」
では、出会いと恋愛を分けて考えてみましょう。
自然じゃない恋愛(交際)は?
順調な交際、という表現があります。
それとは少し似て非なるかもしれませんが、自然な恋愛、自然じゃない恋愛を考えてみます。
しかし、出会い方と違って、こちらはなかなか意見が出ません。
「つきあいの内容となると、途端に考えづらくなる」
それでも何か思いつくものは……。
「他人の圧力で続けている交際。お見合いなどで出会って、本当はその気がないのに、周りから結婚しろと圧力をかけられて、つきあっているとか」
「両者が納得しているか。どちらかが納得していないのは自然じゃない」
「ただ、そう考えると、納得って何?となってしまう……」
納得とは? ……難しいですね。
さらに新たな疑問が上がります。
「この人は自分に合うんだろうか、パートナーに相応しいんだろうか、と相手を見定めるときがある」
「相手を見定めていることは、恋愛といえるのか?」
なるほど。
一緒にいる時間や会話をただ楽しむ交際もあります。
でも確かに、
「この人とこの先もやっていけるのか」
「この人とは結婚しても大丈夫そうか」
という視点で、相手を診断しているときがあるわけです。
その行為は自然な恋愛なんでしょうか?
「それは別物だと思う」
「一緒にいることを楽しむ交際と、結婚を意識して相手を見定め合う交際がある」
「このふたつは、まったく違うものなのに、私たちはどちらもまとめて『恋愛』とか『おつきあい』と呼んでしまっている。中身は全然違うのに』
まったく違うつきあいなのに、どちらも恋愛と呼んでしまうから、ズレが生まれる……?
「年齢が上になって、結婚を意識するようになると、見定める付き合いの割合が増えてくると思う」
これは確かに。
何も考えずに「ただ楽しむ恋愛」ができるのは、若者の特権なのでしょうか……?
いや、どんな年齢でも「楽しむ恋愛」求める人はいるはず。
「見定め」と「納得」
今回の対話では、「相手を見定めること」と、「両者が納得していること」に、参加者の注目が集まりました。
「見定め」については、こんな意見があがりました。
「学校の出会いでも、マッチングアプリでも、相手を見定めようとしているなら、かける時間と、やり方が違うだけで、本質的なことは同じ」
自然な出会いと思われた学校での出会いも、自然じゃないと思われたマッチングアプリでも、相手を見定めている付き合いなら同じこと。
なんなら、マッチングアプリのほうが効率的で時短です。
コスパやタイパで考えたら、マッチングアプリは優秀ですね。
次に、「納得」について。
「どんな出会い、どんな交際でも、両者が納得できているかどうか。ただ、何を持って納得しているかが難しい」
「例えば、DV被害を受けている人でも、本人が納得しているケースもある。それは客観的には恋愛じゃなくて事件」
「共依存関係とかもある。納得だけで判断していいわけではなさそう」
「でも、納得しているか、は大切な視点」
終盤に上がった問い
対話の終盤でも、新たな問いがいくつも上がりました。
ざっと列挙しておきます。
「相手の好きな本を、自分も読んで好きになろうとするとか、相手の好みに合わせていくことは自然?」
「一方に大きく負担がかかっている交際でも自然?」
「納得と、合意は、違うことなんだろうか? 交際は合意で始まるけど、必ずしもそこで納得していなかったり。それは自然なんだろうか?」
このあたりで、時間いっぱいとなりました。
ファシリテーターの思うこと
冒頭の、出会いのリストを見て、まったく違う感想を持つ方ももちろんいるでしょう。
これが常識だとか、これが当たり前、ということを決めたわけではありません。
参加者それぞれ主観を認め合うのが対話です。
もちろん、参加者の中でも意見はかなり分かれました。
それぞれの「自然な出会い」、そして「自然な恋愛」があるのです。
この記事を読んだ方も、「何が自然な出会いだと思う?」と、近しい人たちとぜひ話し合ってみてください。
きっと学びがあると思います。
今回、出会いと恋愛は切り分ける視点は、個人的に新たな発見でした。
そして、楽しむ恋愛と、結婚を目指す恋愛は……別物。
意識しておいて損はなさそうです。
新たな視点、新たな気づきが得られるのは、対話の楽しみのひとつですね。
参加してくださった皆様、ありがとうございました!
次回の開催案内
次回は2023年2月25日(土)開催。
テーマは「社会人らしさとは?」です!
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