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「青春してる?」対話カフェそもそも レポート#54

【開催日時】
2025年2月22日(土)
12:00~14:00

2024年、緑黄色社会が「恥ずかしいか青春は」という曲をリリースしました。
歌詞を読むところ、青春とされる行為があるようです。

今回は、時期としての青春ではなく、行為としての青春について対話します。

青春してますか?
青春しましたか?
青春しなかった?

そもそも「青春してる」って何?
10代20代で対話したレポートです。


はじめの問い、テーマに思うこと

テーマについて抱いている問いや、思うことを挙げていきます。

「青春ってそもそも何?」

「青春してるっていいことなのか気になります。青春って言うとき、きれいな上澄みだけ見てるような……青春してないことは悪いことみたいにも捉えられる」

「青春してないとなんだか悪いとまでは言わないけど、軽くみじめな気持ちになったりはしました」

「時期の話は今回しないということなんですが、社会人になっても青春ってできるのかは気になっています」

「さきほどとほぼ同じなんですが、青春っぽいことって何なのか?」

「青春のことをアオハルって言い換えてるけど、あれも青春のことで、学生は青春しないといけないって圧力を感じる」

これらの問い、思うことが挙がりました。

青春ってそもそも何?

いったい何のことでしょうか?

「青春を語るときは自分軸じゃないイメージ。自分の青春じゃなくて人の青春を語ることのほうが多い」

「青春って、なんとなく「バカなこと」とかが含まれてると思う。バカなことをしているときはそれが青春だとか思っていなくて、ただ楽しいからやってる。何年か経って、そういうバカができなくなったときに、あれが青春だったって気づく」

「映画やCMとかで、青春ってこういうものですよ、ってテンプレートが描かれている感じ」
「理想の、憧れの、学生生活がアニメとかで描かれていて、それに青春ってラベルが貼られてるだけだと思います」

「青春っていうコンテンツとして消費されてる感じがします。自分視点じゃなくて、他者視点が強いのかな」

「「アオハル」って言葉が出てきたくらいから、漫画やアニメの作品タイトルに「アオ」が入るものが増えた」

「青春している、って生活の中で実感することは、おそらくない。たぶん年を取ってから振り返ってあれが青春だったと気づく」
「青春を意識するときには、もう青春ができなくなってるから、尊いというか……貴重なものに思えるのかもしれない」

「私は、まず、部活とか文化祭が青春だと思いました。最初にイメージしたのがそのふたつ」

「質問です。積極的に部活や文化祭に参加してない場合でも青春ですか?」

「うーん……ものすごい積極的じゃなくても、何か目標に向かってがんばったのなら青春だと思います。文化祭を何も手伝わずに見てるだけだったら青春じゃないかな……」

「私は、好きな人に告白する、みたいなことが青春ぽいな、と。あれって学生のときだけしかしないですよね」

「社会人になってから「好きです、つきあってください」って言えない?」

「無理ですね……なんかこう、成り行きでつきあいが始まるみたいなことが多い」
「そっちのほうが自然だと思います」

「ベタベタな青春というか、テンプレート的な青春って、何がありますか?」

青春のテンプレって何がある?

ベタな青春ってどんなものがある?

「学生の仲間同士でイベントやってる。季節イベントだったり海に行ったり、お出かけしたり」

「カップルよりも、仲間で行動してるイメージが強いです」

「質問です。仲間は、同性? 異性が混ざってますか?」

「どっちもです」

「そう考えると一人だと成り立たないですか?」

「仲間は必須条件だと思います」

「私は、仲間か恋人がいるのがまず青春の条件だと考えてます」

「さっきの告白とかは、恋愛の中でもいちばん青春感がある」

「高校生でバンド組むとか、すごく青春って感じしますね」

「聞いていると、やっぱり「仲間と何かをする」「学生ならではの恋愛イベント」の2つのイメージが強いです」

「一人でコンクールのために楽器の練習してるのは? それも何かのためにがんばってるから青春のような……?」

「青春の一コマかもしれないけど、それよりも吹奏楽部があって仲間のために練習してるとかのほうが青春感強いです」

「青春感って言葉、良いですね」

「私も、一人で音楽コンクールに挑戦するのは青春って感じしないかな……」
「逆に、複数人なら、大したことやってなくても青春って感じです。飲み会とか、カラオケとか、日常の遊びでも青春」

「恋人がいてつきあってたらもう間違いなく青春?」

「そこは微妙だと思っていて……つきあう相手にもよるのかな、と」
「つきあった上でどういうことをしたかにもよる。デートもせずにお別れしたら青春とはいえないような」

「それは切なくて逆に青春っぽく思います」

「私はポジティブなイメージが強い。だから、恋人関係だったら、デートとか、二人でお出かけして楽しい思い出を作ったら青春だって感じます」
「楽しいのが前提、です」

「質問です。告白して、失恋して、人のいないところで号泣するのは青春とはいえない?」
「告白してフラれるところも青春って感じします」

「うーん。私は悲しいことはあんまり青春って思えないです」

「私は、大人になったらできないことが含まれていると青春って定義です」
「大人が振り返って「もう今はできないな」って思うことに青春さを感じる」

「じゃあ「青春が終わった人たち」が青春イメージを作って、メディアを通して、青春のイメージを押し付けてる……ってことになってるのかな」

「メディアを作っている人たち、手に入らなくなった人たちからの視点だから、「これはいいものなんだぞ」と言いたくなるのかもしれないですね」

「恋愛で言うと、恋愛そのものじゃなくて、学生っぽい恋愛のイベントが青春だって思います」
「一緒に下校したり、図書館で一緒に勉強したりとか」

「とくに大したことしてない時間が青春感強いなって。塾の帰りに遠回りしてしゃべってるだけとか、マックで長時間しゃべってるとか」

「おしゃれとかファッションにこだわるとかでも、それは仲間がいて、ってことになるのかな、なんか一人でも良さそうな……」

「青春を時期として捉えるなら、孤独な青春は成立するけど、メディアが作る青春に、孤独な青春はあんまりない」

「友達たくさん作って楽しむことが素晴らしい、という圧力は前からめっちゃ感じます」

「そういうメディアを作る人が、実際にそういう経験をしていて、あの頃は楽しかったなあって思いで作ってそう。少なくとも圧力強めの作品はそう感じる」

「高校生のときに社会人の異性とつきあっていたけど、あんまり青春って感じがしなくて……。そのときは、同級生とつきあっていた人がうらやましかった。同級生とのつきあいは青春って感じで。今でもちょっと憧れてたり」

「先輩後輩の関係よりも、同級生同士の方が青春になりやすいと思っていて、その理由を考えてみたんですけど……共有してる時間が長いからかなって。同じクラスで、同じ行事やって、とかが青春感を強くする」

「ということは、青春感と一体感って近いのかな?」

「うーん? どうなんだろう……。遠くはないけど、近いかと言われると……」

「よく一緒に変える友人と、学校帰りにコンビニ寄って買い食いしたとかも青春だと思うので、大きな一体感はなくてもいい気がしていて」
「ただ、部活で何か全国目指すとか、そういうのは一体感がある青春になると思います」

青春してないと、充実してないの?

青春できなかった学生は……?

「私は、そんなことないと思います」

「私も同じです。いわゆる青春っぽいことはしてなくても、私の学生生活はじゅうぶん楽しかったし、充実してたので」
「もちろん嫌なこともあったけど、トータルでは充実してたと思います」

「私は、学生当時は、もっと学生っぽいことしたいな、とは思ってた。あんまり楽しめてはなかったと思う」

「質問です。その当時、言葉にすると「青春したいな」って言葉でしたか?」

「いえ、さっきの通り、学生っぽいことしたいな、です」
「制服デートとかやってみたかったなーとか、そういう感じの」

「青春に含まれてることが。必ずしも楽しいことじゃない、嫌なこともあると思っていて。こういう体験なんてしたくなかったな、って人もいると思う」

「それこそ、甲子園とかがそう。ああいう大きなイベントになると、100%いい思い出って人は少ないと思う。たとえば、エラーで自分のチームが負けたらトラウマものだし、ほとんどの人はきつい、しんどい思いをしてると思います」
「いまでも体育会系のイジメとかパワハラは全然ある」

「仲間と遊ぶのだって、たとえばカラオケとかでも、ちょっとした言葉で傷ついたりとか嫌な思いも結構してて……でも、それが青春ってされて語られるときには、そういう嫌なところはカットされてるっていうか」

「仲間と遊んでても、実はその中で孤独感感じてたとか、私もありました」

「それも含めて青春だ、って言われるとそうなのかもしれないけど、そうなると青春そのものが別に充実ってことじゃなくなってきますね」

青春してるっていいこと?

シンプルに善か?

「ポジティブなイメージの人はいると思うんですが、私は微妙だと思ってて……青春のキラキラの影で、結構いやな思いをしている人がいるような気がします」

「本人が楽しかったら全然いいんですけど、周りが強制するではないと思います。誰かから押し付けられるものじゃない」

「無理して青春するというか、背伸びしてポジティブに過ごそうとしても、結局は無理だし、どこかで歪みが出てしまいそうで」
「実際、充実してる感出てるグループと一緒にいて、その人達はすごく楽しんでても、自分は全然楽しめてないとか、普通にありました」

「学生のとき、何にも考えずに、無意識にやってることが、大人になってから青春って思うだけであって、いいも悪いもないと考えてます」

「他人が青春しなよ、って言うことではない気がします」
「基本、いいことなんだとは思いますが、いいことなんだからがんばってやってみなさい、って言われるのは違う」

「青春すべき、みたいなのって、10代のうちに恋人作りなよ、みたいな面倒なやつ押し付けと近い感じがします」
「余計なお世話だよ、みたいな」

「恋愛も青春も、どっちも一人でどうこうできるものじゃないですよね。そう言われても、どうにもできないしな、って」

「若いんだからこそ無理していろいろやってみたら、みたいなアドバイスとかも聞きますけど、私はあれはあんまり好きではない……」
「やってみたところで実際楽しくないし、ときどき傷つくし、大人になったときにいい思い出になるとか言われてもやる気にならないです」

「休み時間に一人で読書してたのとかも、私にとっては青春だし、いいとか悪いとかじゃなくて、自分が決めることな気がします」

大人になっても青春できる?

いくつになってもできるのでしょうか?

「そもそも、社会人と学生で、どういう点が違うんでしょうか? 同じ場所に通って、毎日顔を合わせるって点では同じですよね」

「学生の方が、同年代が周りにたくさんいるのは大きい違いかな、と」

「日々の、自由時間の多さが全然違うなと思いました。仕事してたら、その間に長い雑談とかはできないし、仕事終わってからだとそこまで余裕がないですね」

「学生のほうが、出会いの機会が多い。友達の紹介もあるし、強制的に知らない同年代と知り合う機会が多い。ゼミ、サークルみたいなのが社会人になると、ゼロじゃないけどほとんど出会わなくなる」

「1年間とか、同じ場所に強制的に集められることが、学生ならでは、なのかな」
「会社はあまりメンバーが変わらないし、同年代が少なくなる」

「「
マイセカンドアオハル」っていう、アラサーが大学に行くってドラマがあったんですけど、社会人のまま青春するんじゃなくて、学生になって青春をやり直すみたいな話で……結局、学生にならないと青春できないってことなのかな」

「でも、申し訳ないんですけど、30代の人が大学にぽつんと入っても、青春できなさそうに思う。まず若い人から距離置かれそう」

「それは、青春をやり直すというか、青春を疑似体験してるというか、 本当の意味での青春とは違う気がする。やっぱり学生の特有の、未熟だったり、うまくいかなかったりして学生生活送るのとは違う」

「私は、社会人でもできると思う。新しいことに挑戦したり、夢中になれることを見つけて夢中になってたら、青春っぽいって感じる」

「仲間を作るのが青春だったら、アラサーで仲間を作ればいいのでは? どうですか?」

「アラサーで集まって青春はできないのかな? バーベキューとかやったら青春?」

「うーん、なんか違う気がするんですけど……なんでだろう」

「社会人でもバカ騒ぎはできると思うけど……見た目がなんだか青春って感じはしない気がします」

「アラサー、アラフォーがカラオケで楽しんでるのも同じ感じです」
「でも、社会人なりたての人たちがカラオケやってるのは青春感ある」

「年代が上の人たちがバーベキューとかで大騒ぎしてるのを見ると、言葉は悪いですけど、青春ごっこっていうか。無理して若くあろうとしてて、痛く見えるときもあったり」
「もちろん、普通に楽しんでるのはそうは見えないです」

「本人たちが青春してる、って言われたら否定はできないですよね。主観の青春もあるわけだし」

「そうです、だから私は痛いと思うけど、やってる方々が青春だって思うなら否定はしない」

「バーベキューとかカラオケとか、学生のほうが100%純粋で楽しんでるって感じがします」

「そうなると、初々しさとかになるのかもしれない。初対面同士が集まってるぎこちなさみたいなところに、青春感が強くなる」

「私は、露骨に出会い目的で集まっちゃうと青春感ゼロって感じします」

「20才で出会い目的の合コンやるのは青春にならないですか?」

「はい、あくまで私のイメージですけど、ちょっと違う」

「テニスサークルだけど実質飲みサーみたいなのは、出会い目的じゃないですよ、って建前がほしいんだと思います」

「私は、20才の合コンには青春を感じます。みんなうまく話せなくて、ぎこちなくて、なかなかうまくいかないとか。空回りしてるところに青春を感じる」

「青春の要件として、一種の不器用さ、ぎこちなさなのかな」

「社会人が転職して、仕事がぎこちないとかは青春ですか?」

「そう言われるとそれはまた違う気が……」
「なんだろう、さっき話に出た、メディアが出してくる青春のイメージに重なってるかどうかで判断してるのかもしれない」

「初々しさとか、ぎこちなさに近いんですけど、未知の体験とか、この先どうなるかが未知かどうか、っていうところも青春っぽさだと思います」
「やったことないこと、知らないことをやってみるとか、まったく予想がつかないことをやってみるとか」

対話を振り返って、ひとこと感想

簡単な感想をいただきました。

「自分はいま社会人で、今思うと学生のときはそれなりに青春してたなって思う。これまでは、もし他人に青春してたよね、って言われてもピンとこなかった。青春を深堀りできてよかったです」

「青春について、不器用さとか初々しさとか、そういうものが条件なら、青春ってそもそも嫌な体験と隣り合わせのものなんだなって思いました。いろいろお話聞けて楽しかったです」

「私は最後、ぎこちなさの正体が、未知の体験ってところで少し腑に落ちました。大人になったら、未知の体験が減るから、青春ができなくなるって考え方がしっくりきました。ありがとうございました」

「私は学生の立場で参加したんですけど、いろいろな考えを聞けて楽しかったです。最後のほうに思ったのは、この対話の時間は青春なのか、って問いが出てきました。帰りながら考えてみます」

ここで時間いっぱいとなりました。

ファシリテーターの思うこと

青春に紐づくキーワードとして、多様な言葉があがりました。
仲間、初々しさ、不器用さ、夢中、未知など。

参加者のなかでもイメージする青春像がちょっとずつ違っていますが、上記のような共通項も多かったように思います。

メディアが作り出した青春のイメージの影響は強く、それにどうしても引っ張られてしまうし、圧力も強い。
変に縛られないほうが快適なように感じました。

学生の方々には、「青春してるかどうか」なんて気にすることなく、楽しいこと、興味のあることをどんどん体験してほしいと思います。

参加してくださった皆様、ありがとうございました。

次回の開催案内

次回は2025年3月8日(土)開催。
テーマは「SNSめんどくさい?」です。
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