「やりたい仕事とは?」対話カフェそもそも レポート#11
【開催日時】
2023年4月8日(土)
12:45~14:45
@池袋会場
第11回のテーマは「やりたい仕事とは?」です。
やりたい仕事、ありますか?
やりたい仕事、できていますか?
やりたい仕事があっても、
その仕事に就いていない人も多いでしょう。
それ以前に、
やりたい仕事がわからない……
やりたい仕事がない……
という悩みを抱える人は多いそうです。
そもそも、やりたい仕事とは何なのでしょうか?
やりたい仕事がある人は、どうやってそれに気づいたのでしょう。
やりたい仕事だと思えた根拠は?
やりたい仕事ができたら満たされるのか?
私たちを振り回す「やりたい仕事」の本質は何なのか?
今回の対話のレポートをまとめました。
まずは簡単な自己紹介と、やりたい仕事というテーマについて思うことを語っていただいてから、対話を始めました。
やりたい仕事、あった?
まずシンプルに、やりたい仕事というものがあったか、参加者の皆さんに聞いてみました。
「私は、明確にありました」
「やりたい仕事というか、『やりたいと思った仕事』はありました」
「学生のときからあったと思います」
「やりたい仕事をやっている会社に入ったけど、違う業務に配属されたことがあります」
「総合職やりたいのに営業職、とかですね」
「私はやりたい仕事はなかったけれど、『自分にできそうな仕事』はありました」
「質問ですが、『できそうな仕事』と、『やりたい仕事』は一致していたんでしょうか?」
「いえ、『できそう』と『やりたい』は同じではなかったです」
『できそう』と『やりたい』の関係については、後ほど掘り下げます。
やりたい仕事に就いたあとの悩み?
やりたい仕事に就いたけれども、実際には……というお話がありました。
「私は新卒でやりたい仕事ができる会社に入れたのですが、実際には少しだけ業務内容が希望と違っていたんです」
「あと、実際に働いてみたら『思っていたのと違った』ということもありました」
100%想定通り、というのはなかなか難しそうです。
できそうな仕事は、やりたい仕事?
自分にできそうな仕事は、必ずしも「やりたい仕事」ではない、というお話がありました。
できそうな仕事をリストアップしていくと、その中で「やりたい仕事」と「やりたくない仕事」に分かれていく、ということなのでしょうか?
「やりたい・やりたくないが、単純に2つに分かれるということではなくて、『すごくやりたくない』とか、『ちょっとやりたい』みたいに、段階があるというか。できる・できないも同じです」
「なるほど、『やりたい・やりたくない』と、『できる・できない』の2軸マトリクスになっていて、分布されるって感じですね」
「あと、そのときの状況によっても、評価が変わりますよね」
「給与とかの待遇面もありますね」
「自分がそのとき、すごくお金を稼ぎたいのであれば、稼げる仕事が『やりたい仕事』になりますし」
「この2軸の図で言うと、『できるけどやりたくない仕事』をやったことがあって……。そのときはストレスすごかったです」
『できる』なら仕事は楽かと思いきや、やりたくないストレスの方が上回るようです。
「やりたい」と「仕事」は別のこと?
「やりたい仕事、という言葉を考えたときに、『やりたいこと』と『仕事』は分けて考えるものなのかな、と思いました。やりたいことは自分のなりたい姿とかで、仕事は生活の糧を得る手段」
「実際、仕事は稼ぐ手段と割り切っていて、仕事以外で自己実現している人もいますものね」
とにかく稼がないと生きていけないのが、つらいところ。
「趣味を仕事にする」って、どう思う?
「こういう言葉は聞きますよね。一時期は『好きを仕事に』ってフレーズもよく聞きました」
「いやあ……それができる人は、レアな存在だと思います」
統計を見てみたいところです。
1%くらいは、いるのでしょうか?
仕事をする目的は?
仕事をしていく上で、何に価値を置くか、と言う話題になり……。
「仕事をする目的を、どこに置くか?が大切だと思うんです。夢のためなのか、お金を稼ぎたいのか、キャリアアップして上を目指すか、とか。仕事はそれを叶える手段だと思います」
「『やりたい』と『なりたい』は違うので、「どうなりたいのか』を意識する」
「『なりたい自分』と、『今の自分』があって、今の自分からどうなればなりたい自分になれるか、って感じですか?」
「それとは逆で、『なりたい自分』があって、そこにいくためには自分はどうすべきだろう?と考えていくと、『やりたいこと』が見つかってくる」
「自分の現在地がわかれば、なりたい自分へのプロセスが把握できる」
「まず、できることから手をつけてみる。そのなかで、いろんなことに気づいたり発見したりすることもあると思います」
「やりたい」と「なりたい」は違う!
『なりたい自分』の抽象度
「なりたい自分を追いかけていくうちに、なりたい自分の抽象度が上がっていく感じです」
「上がるんですか? 追いかけていくうちにハッキリしていくとか、抽象度が下がるのではなく?」
「上がります。例えば『教師になりたい』と思って目指していくうちに、なんで教師になりたいんだろうと考えるようになって、『教師になりたいんじゃない、教えることがしたいんだ』と気づくように。そして次に『こういうことが教えたかったんだ』と、抽象的になっていく感覚です」
「お話を聞いていて、言葉は違うかもしれないですが、『なりたい自分』の核になるものというか、本質みたいなものが見えてくる……ようなことに感じました」
『なりたい自分』は、今回の対話の重要ワードでした。
自分の現在地の見つけ方?
「少し話が戻りますが、『現在地がわかればなりたい自分への過程がわかる』というお話で、どうしたら自分の現在地がわかるのでしょうか?」
「なりたい自分を想像したときに、そうなるために自分に足りてないことを考えるんです。自分に何があれば、なりたい自分になれるのか」
「聞いていて思ったのは、自分がまさにそうだな、と。私はフリーランスなのですが、自分一人だけでは仕事を集められないので、とりあえずエージェントを通して業務委託として働いているんです。自分に足りてないところを、エージェントの力を借りて満たしていると思いました」
なりたい自分を見つけるには?
具体的な方法はあるのでしょうか?
「『なりたい自分』がハッキリしていれば、というお話が続いていますが、なりたい自分をしっかりと見極めるというか、なりたい自分を具体的に掴むためにはどうしたらいいんでしょうか?」
「自分と似た価値観の人と話し合う、できれば問いかけてもらうのが良いと思います」
「自分の過去の体験に基づくものだと思うので、過去をしっかりと振り返る」
「自分だとわからないので、他者に聞いてみるのが良さそう」
「他人に聞いたときには、その言葉を素直に受け止めることもとても大切。疑ってかかったりすると、何も得られない」
「いわゆる『ジョハリの窓』でいうところの、『盲点の窓』が大切ですね。(自分には見えていないけど、他人には見えていること)」
「それでいうと『秘密の窓』も大切だと思うんです。自分にも他人にもわからないところに触れてみることで、新しい発見があったりする」
お金に不自由していなかったら転職する?
上記の問いに対して……。
「仕事とお金は切っても切れない関係、という話がありました」
「今の社会では、仕事はお金を得る手段ですし、お金を稼がないと暮らしていけない仕組みですよね」
「もしお金に不自由しない状況になったら、今と違う仕事をしますか?」
「うーん、どうだろう、転職するかも?」
「自由でいられるなら好きなことするかな?」
「お金の状況に関わらず、そのときの自分に必要なものを得られる仕事を選びます」
「必要なものとは?」
「そのときどきで、必要なものです。お金がもっと必要なら稼げる仕事、自分に経験が必要なら経験が得られる仕事。もっと自分の時間が欲しいと思ったら、休みが多かったりする仕事を選びます」
「若いときの時間がお金で買えないし、30代になって20代の時間が欲しくなっても絶対に手に入らない。時間はとても貴重だと思っています」
時間は有限の資産、あとからチャージはできません!
対価が増えるとやりがいは増える?
「人に奉仕する仕事で、対価が増えたら、やりがいが増えたり、やる気が増えたりするのでしょうか? 今の職場では、正規職員とボランティアがいて、どちらもほぼ同じ業務をしているんです。ボランティアの人たちにも報酬が出るようになったら、仕事の質が上がったりするのか……?」
「もらえるお金が増えて悪いことはないかと。仕事の質は、その人の健康とかに支えられてて、健康の土台になっているのはやっぱりお金だと思うので」
「お金を求める人はお金、感謝を求めている人は感謝と、その人が欲しいものが得られるのが良い」
「シンプルに、お金を与えた方が責任感は強まるとは思います。給与の高さは、背負う責任の重さ」
正規職員と非正規職員が、同じ業務に就いているというケース。
確かに少しモヤっとします。
やっぱりお金は大切?
大切なのは、お金でしょうか?
「お金だけでなく、お金、仕事、時間のバランスが大切だと思います」
「なかでも、時間は大切。時間があることで、情報のアンテナを高くできたりするし、人生の柔軟性をキープできる」
「たとえお金が無くとも、時間は活用できると思うんです。時間には限りがあると思うからこそ、やりたいと思ったことはやりたい、と強く思います」
「私は、その3つだと仕事が一番大切です。休日は、働くために休む日。元気に働くために、しっかり休む」
「仕事ができるだけでもありがたい、って状況の人もいますよね」
「世界を見渡すと、そういう人のほうが多いだろうから、『やりたい仕事』で悩むのは贅沢なことなんだな、と思ってしまいました」
選択できることは、幸福なのかも?
自分が『すべきこと』とは?
「以前、仕事に関するコンサルティングを受けたときに、自分のできること、すべきこと、やりたいことの3つを考えて、そこが重なるところを目指す、という指導を受けたことがあります」
「『すべきこと』というのは、具体的にはどんなことですか?」
「なりたい自分、目標があって、そこに辿り着くために必要なこと、です。例えば、何か資格が必要な職業につきたいのであれば、その資格の勉強をする、とか」
「なるほど、さっきの話に近いですね」
「資金集めが目標の場合は、『すべきこと』はどうなるんでしょうか? 副業とか?」
「それか、もっと収入の高い仕事に転職するとかですかね? 3年だけがんばってお金貯める、みたいな人もいますよね」
海外に出稼ぎして貯金し、母国に戻って事業を始める……という働き方を選択する人もいますね。
フリーランスは自由?
「この場にフリーランスの方がいるので聞いてみたいのですが、フリーランスは自由が多いと感じますか?」
「フリーランスのほうが、やりたいことを実現しやすいとは思います。何かと融通が利きやすいというか」
「ただ、会社員に比べてリスクが増えるので、そこをどうとるか、です。責任の負担は増えますし、安定した収入は保証されていない。それに対する不安が強いと、フリーランスは厳しいかと思います」
不安が少ない働き方を選びたいですね……!
対話を振り返って……
最後に、今回の対話を振り返っていただき、印象に残ったことをお聞きしました。
「私は『やりたい仕事がある』という感覚がわからなくて、ずっと『できる仕事』をやってきたのですが、『できる仕事』を続けていけば、それが『やりたい仕事』にいつか変わるのかな?と思いました」
「やりたい仕事、というテーマで、『自分のやりたいこと』を考えていくと、やりたいことの先には『なりたい自分』があるんだ、と。『なりたい自分』をしっかり掴むことが大切」
「なりたい自分を突き詰めて、抽象度が上がって本質が見えてくると、そのために自分がすべきことが増えてくる」
ここで時間となりました。
ファシリテーターの思うこと
私は、自分の『やりたい仕事』が、よくわからないまま過ごしてきました。
なんとなくの方向性は掴めているものの、その場しのぎの仕事をしてきたように思います。
やりたい仕事を考えてみても、これまでよくわからなかった理由が、今回の対話を通してわかったような気がします。
やりたい仕事のことだけをただ考えても、なかなか難しい。
なりたい自分。
ワークライフバランス。
お金の重さ。
自分のできること。
他者からの評価。
こういったものを横断的に考えて、浮かび上がってくるのが『やりたい仕事』なのかな、と思いました。
参加してくださった皆様、ありがとうございました!
次回の開催案内
次回は2023年4月22日(土)開催。
テーマは「ぼっちとは?」です。
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