20200125,芋傳媒より。SARSの時の病院封鎖と武漢肺炎をめぐる話

無知更可怕!憶馬SARS荒唐決策  醫師:錯誤封院造成醫護死傷嚴重

無知は更に恐ろしい。SARSの時の馬英九氏のでたらめな決断を思い出して
医師「誤った病院封鎖が医療従事者死傷の被害を更に深刻にした」

荒唐(huāngtáng)でたらめな、荒唐無稽な
決策(juécè)決断
封院(fēng yuàn)病院封鎖

(芋傳媒記者陳宇義報導)武漢肺炎疫情蔓延,防疫指揮中心昨(24)召開記者會強調,持續統籌整合各部會資源與人力、加強國際機場、小三通港埠之檢疫措施與民眾風險溝通、衛教宣導,並確保防疫物資整備,防止供應短缺或哄抬等相關假訊息發生,降低民眾恐慌,另針對醫療院所感染管制預作規劃、演練等,減少疫情對國內之衝擊,全力守護國內防疫安全,確保國人健康。

(芋伝媒(Taro News)の記者、陳宇義より)武漢肺炎の感染が広がるなか、台湾の防疫指揮センターは昨日(1月24日)記者会見を行った。会見で同センターは、引き続き各部門の資源と人材を総合的に統括していくと共に、国際空港や金門、媽祖と中国大陸を結ぶ航路の港での検疫措置を取り、民衆に対してリスクコミュニケーションとヘルスエデュケーションを強化していくとした。また感染症予防のための物資をしっかりと整備し、供給不足や価格の高騰などの偽情報がでてくるのを防ぎ、民衆の混乱を抑える。医療機関に対しては、予め感染コントロール計画の作成や演習などを行い、感染症の拡大が国内に与えるであろう影響を削減できるよう努めるなど、全力で国内の防疫ラインと安全を守り、国民の健康を確固たるものにすると強調した。

統籌(Tǒngchóu)総合的な計画を行う
整合(zhěnghé)調整する、整合する
小三通(xiǎosān tōng)金門、媽祖と中国大陸を結ぶ航路
※三通:中国大陸と台湾の「通商」「通航」「通郵」を示す言葉。
※小三通:語源は上記の「三通」だが、この文章の場合は廈門と金門島間、媽祖と福州市間などで運行している定期船を経由して中国大陸方面へ出入国する人のことを指す。
風險溝通(fēngxiǎn gōutōng)リスクコミュニケーション
※社会全般においてリスクに関する正確な情報を、行政、専門家、企業、市民などのステークホルダーである関係主体間で共有し、相互に意思疎通を図ることをいう(wikiより)。
衛教宣導(wèi jiàoxuān dǎo)ヘルスエデュケーション、健康教育
短缺(duǎnquē)不足
哄抬(hōngtái)(物価を)吊り上げる
恐慌(kǒnghuāng)恐れ慌てる、パニック
預作(yù zuò)準備する、予め用意する

前總統馬英九昨晚戴口罩出席法鼓山撞鍾並抨擊總統蔡英文未戴口罩出席,此番外行言論不禁讓人想起 18 年前的 SARS 事件,馬英九擔任台北市長任內,作出封院的荒唐決策,曾經歷該事件的醫師如今回憶起來,仍餘悸猶存的表示「惡夢一場」、「錯誤的決策比疾病還可怕」!

前総統である馬英九氏は昨晩、マスクをして法鼓山の除夜の鐘つきに参加し、蔡英文総統がマスクをせずに出席しているのを非難をした。今回の同氏の素人的発言には、18年前のSARS事件を思いださずにはいられない。馬英九氏が台北市の市長であったその任期中、病院封鎖というでたらめな決断を下した一件だ。かつてあの事件を経験した医師たちは、当時のことを思い出すと今でも怯えた様子で「悪夢だった」「誤った決断は病よりよほど恐ろしい」と話す。

撞鍾(Zhuàng zhōng)鐘つき
抨擊(pēngjí)(他人の行動や言論を)非難する、攻撃する
外行(wàiháng)素人、専門以外の人
不禁(bùjīn)〜を禁じ得ない、思わず〜せずにはいられない
餘悸猶存(yújì yóu cún)恐ろしいという気持ちが今なお残っている状態

醫師陳家如投書媒體,回憶「十八年前,一名五十三歲男子被 SARS 帶走,也是台灣一場噩夢開始。首當其衝是醫護人員,官員穿著太空衣視察醫院,錯誤的封院,不僅讓台灣成為最後脫離 SARS 傳播熱點,醫護死亡率也是最高的。」

医師の陳家如氏はメディアに記事を寄稿し、「18年前、一人の53歳の男がSARSよって命を奪われた。それが台湾の悪夢の始まりでもあった。矢面に立つこととなったのは病院の医療スタッフだ。役人は宇宙服を着て病院を視察しにやって来て、誤って病院を封鎖し、そのことが台湾を最後までSARS感染被害のホットスポットであるという状態から抜け出せなくしたばかりか、医療従事者の死亡率が最も高い地域にしてしまった」と追憶している。

投書(tóushū)寄稿する、投稿する
回憶(huíyì)思い出す、追憶する
帶走(dài zǒu)連れ去る(何らかの原因で命を落とす、命が奪われる)
首當其衝(shǒudāngqíchōng)矢面に立つ、避難を受ける立場に立つ
太空衣(tàikōng yī)宇宙服
熱點(rèdiǎn)ホットスポット

陳家如指出, 當時流傳:「在 SARS 流行地區,人們死因有三:被口罩悶死;看報紙和電視 SARS 新聞太多而嚇死;在公共場所不小心咳嗽被旁人打死。」便當店老闆送便當到醫院門口,丟了就跑,裡面醫護忙到沒空去拿,和巨大恐懼與悲傷怪物一起被關起來。

陳家如氏は、当時巷で広く言われていたのは「SARSが流行している地域では、人の死因は全部で三つ、マスクによる「悶死(息苦しさ)」、新聞やテレビで報道されるSARSのニュースが多すぎことによる「嚇死(死ぬほどの驚き)」、そして公共の場で不用意に咳をしてしまったことによる、隣の人からの「打死(白い目で見られること)」と言う話だった」と述べている。弁当店の店長は弁当を病院の門のところまで持っていき、中へ投げ入れるやすぐさまその場から走り出した。病院内部の医師や看護師は忙しさのあまりそれを取りに行く暇もなかった。恐怖と悲しみの巨大な怪物とともに閉じ込められてしまっていた。

流傳(Liúchuán)広く広がる、流布する
悶死(mènsǐ)息苦しい、窒息する、窒息死
※死は程度が甚だしい場合の誇張表現。
嚇死(xià sǐ)死ぬほど驚く
打死(dǎ sǐ)白い目で見られて居た堪れなくなること、撲殺、ぶっ○す
恐懼(kǒngjù)恐怖

陳家如引述和平醫院前兒科醫師林秉鴻的說法,認為「(和平醫院)封院決策,就是把它當做像中世紀黑死病一樣,圍村然後放火燒,原地隔離會造成醫護死傷嚴重!」

陳家如氏は以前和平病院の小児科医師であった林秉鴻医師の言葉を引用し、「(和平病院の)病院封鎖の決断は、病院をまるで中世の黒死病の時、村を囲んで火を放ったかのような状態にした。その場での隔離が医療従事者の死傷に拍車をかけたのだ」と指摘する。

引述(Yǐnshù)引用して述べる
黑死病(hēi sǐ bìng)ペスト、黒死病
原地(yuán dì)その場

陳家如強調, 18 年前台灣公衛史上最大遺憾,絕不能重演,政府應記取教訓,儘速提升醫療人員勞動與安全條件。也希望不要隱匿疫情,造成防疫前線醫護恐懼與無法彌補傷害。防疫前線最需要的是武器和資訊,武器(藥物、口罩)越充足、越完善;資訊越公開、越正確,才能讓醫護有勇氣與熱情面對。

陳家如氏は、18年前に起きたこの台湾の公共衛生史上最大の悲しみは、二の舞を演じることがあってはならず、政府はこの教訓を胸に刻んで、できうる限り迅速に医療スタッフの労働並びに安全条件を向上させる必要があると強調した。また(政府が)感染の被害状況を隠匿し、感染症予防の最前線に立つ医療従事者らに、恐怖や癒えることのない傷を負わせる事態が生み出されることがないよう願う、とも記している。感染症予防の最前線に必要なのは武器と情報である。武器(薬、マスク)は十分であればあるほど(仕事は)完璧になり、情報は公になればなるほど正確になる。それらが揃ってやっと、医療に従事する者たちは勇気と意欲を持って、感染病に相対することができる。

公衛(Gōng wèi)公衆衛生
重演(chóngyǎn)同じことを繰り返す、二の舞を演じる
記取(jìqǔ)心に刻み込む
※記取這個教訓:この教訓を心に刻む
儘速(jǐn sù)できるだけ早く
隱匿(yǐnnì)隠匿する、隠す
彌補(míbǔ)補う、繕う
完善(wánshàn)完璧、パーフェクト

陳家如此篇「無知與自私,比未知病毒還可怕」投書,如果要把這標題送給當年做出封院犯下防疫大錯,現在卻外行裝會、無知四處指指點點、大放厥詞的馬英九,實在不為過。身為公眾人物,無視公衛專家說健康的人不一定要戴,反而搞得讓社會恐慌,實在是錯誤示範。

陳家如氏のこの「無知と利己とは、未知の病よりもなお恐ろしい」という投書。もしもこのタイトルを当時病院封鎖という大きく誤った感染予防措置を下したにも関わらず、今なお有能な素人ぶって、恥知らずに方々でとやかくと言いふらし、やたらめったら勝手に捲し立てる馬英九氏に送ったとしても、やりすぎではないだろう。公の立場に立つ人間として、公衆衛生の専門家が健康な人は必ずしもマスクをする必要はないと言っているのを無視し、反対のことを言ったりしたりして社会をパニックに陥れる。それこそ、間違った例であると言えよう。

犯下(Fàn xià)(罪やミスを)犯す
裝會(zhuāng huì)自分が有能だと思う
※台湾語っぽい
四處(sìchù)あちこちの場所で
指指點點(zhǐ zhǐdiǎn diǎn)とやかくいう
大放厥詞(dàfàngjuécí)やたらに議論をふっかける、勝手に捲し立てる
不為過(bù wéiguò)やりすぎではない,間違いではない
※再〜也不為過:何度〜してもしすぎるということはない
(gǎo)やる、する
示範(shìfàn)モデル、模範

(芋傳媒記者陳宇義報導)
https://taronews.tw/2020/01/25/595121/

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HOZ@臺灣角落
台湾在住者による台湾についての雑記と、各ウェブサイトに寄稿した台湾に関する記事を扱っています。雑記については台北のカフェが多くなる予定。 そのうち台北のカフェマップでも作りたいと思っています。