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創作:蒼空の歌謳

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昔書いてた創作話です。(途中まで)
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蒼空の歌謳(目次)

蒼空の歌謳(目次)



中学~高校時代にかけて書いていた小説。プロローグ~旅立ちまで。

人物紹介

プロローグ

現の世編
-1- / -2- / -3- / -4- / -5- / -6- / -7- / -8- / -9- / -10- (ここまで)

蒼空の歌謳 -10-

蒼空の歌謳 -10-

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「えーっと・・・・・・非常食用のパンとバター・・・・・・後は何が必要になりそう?」

ガサゴソガサゴソ・・・・・・
周りを漂うルミネの放つ淡い光と、台所の大きなテーブルの上に置いてある小さなランプの灯り。
その二つの光を頼りに、俺は両手で抱えられる程度の長旅用の鞄の中へ色々な荷物を詰め込んでいた。
俺の側では、そんな俺を見ながら微笑んでいるばあちゃん。

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蒼空の歌謳 -9-

蒼空の歌謳 -9-

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俺の必死な説得のかいあって、白夜は森の入り口付近、俺の家の前のあたりですぐに地上へ着地。
同時に、俺もようやく地面に足を着けることが出来た。ふぅ、やっぱり地上が一番だな・・・・・・。

「ここからは、歩きでも大丈夫だよねぇ・・・・・・多分」

お、白夜の顔がやや引きつっている。まあ、当たり前だろうな・・・・・・あの先生を待たせているんだから。
白夜は急い

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蒼空の歌謳 -8-

蒼空の歌謳 -8-

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家の側から伸びている、村を囲う柵を超えるか超えないかスレスレの横道。
俺は、静かにその横道を進んでいる。この道の終着点を目指して。

「チチチ・・・・・・」

たくさんの鳥の声が重なる。俺の周りを、取り巻いている空気と共に音の波が押し寄せてくるようだ。
白夜が歌謳を使うときも、確か体中に音がこんな風にぶつかってくる感覚がするんだよなぁ。
俺は一旦その場に立

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蒼空の歌謳 -7-

蒼空の歌謳 -7-

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あの奇妙な事件から一夜が明けた。結局、あれは一体何だったのかはよく分からないままだけどな。
昨日酷い大ケガをしたデルアは、じいちゃんとばあちゃんの懸命の治療によってほぼ完治している。
まあ、ウチのじいちゃんはあれでも腕利きの治癒師(ヒーラー)だからな。
白夜の発作もしっかりと止められるぐらいの実力はある。
そして俺の方はというと、今日無事に先生に気付かれる

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蒼空の歌謳 -6-

蒼空の歌謳 -6-

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ようやく先生から解放された俺達は、家路についていた。
村の中心部にある石橋を越えたところにある鍛冶屋、フォノは自分の家の前で止まる。

「じゃあ、私はここで」
「あぁ~、フォノ!! ちょっと待って」

俺達と別れて一人家へと入ろうとしたフォノを、白夜は引き止めながら、急いで何かを取り出そうと二重に羽織っているマントの中をゴソゴソと探し始めた。
その様子を、

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蒼空の歌謳 -5-

蒼空の歌謳 -5-

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ガツンッ ドスッ ビシッ

くぅ・・・・・・本日四回目の頭に対する強力な攻撃。ひょっとして、俺の頭が悪いのはこのせいなのか?
俺はいつも通りの拳骨、白夜はまっすぐ振り下ろされたチョップを、フォノは右手中指による強力なデコピンをヴィア先生から受けた。
白夜と俺は同じように上半身を傾けながら頭を抱え、フォノは額をさすっている。痛てて。

「ったく・・・・・・隣

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蒼空の歌謳 -4-

蒼空の歌謳 -4-

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白夜が来てくれたおかげで、形勢逆転!!
俺達の人生初魔物との戦いは、見事圧倒的な勝利に終わった!!
・・・・・・って、上手い具合に話が進んでくれればいいが、現実そうは行かないさ。

ヒューン!!

「・・・・・・ねぇ、リーン~」

ヒュン!!

「ん? どうかしたか?」

ビュン!!

「・・・・・・いつまでこれ、続けるのぉ?」

白夜は左腕をゆっくりと上

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蒼空の歌謳 -3-

蒼空の歌謳 -3-

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オークよりゴツゴツした肌。トロールみたいな感じだけど、肌は緑色ではない。
どちらかと言えば、濃い小麦色に近い。人間が酷い日焼けをしたぐらいの色かな。
その肌は所々見えるだけで、ほとんどの部分はそいつの毛で覆われている。
顔は狼のような形じゃないから、ウェアウルフでもないようだな。むしろ、顔は猿に近いような気がする。
大型のサルみたいに後ろ足二本で歩き、両腕

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蒼空の歌謳 -2-

蒼空の歌謳 -2-

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「なぁじいちゃん、白夜は具合はどうなんだ?」

俺は外から家の窓枠に左ひじを乗せ、頬杖をつきながらじいちゃんに尋ねた。
白夜はじいちゃんの前にある患者用の座り、様子を伺う。
あの後、俺と白夜は身体を具合を見てもらうために家に戻った。

俺と白夜は、村の中での唯一の村医者であるじいちゃんとばあちゃんの家で暮らしている。
俺の場合は父さんが王都の方で働いている

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蒼空の歌謳 -1-

蒼空の歌謳 -1-

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大陸最東端にある、水と緑の村と呼ばれる『フィンラの村』。
村全体を森に囲まれ、村の中心部には大きな川が流れている。
そのため、水にも恵まれていることからこんな名前で呼ばれてる。
そして・・・・・・って、そんな呑気に説明している場合じゃない!!

「うわー!! 遅刻遅刻ー!!」

まったく、右足の次に左足、左足の次に右足という簡単な「走る」という行動はどう

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蒼空の歌謳 -プロローグ-

蒼空の歌謳 -プロローグ-

「・・・・・・これで、作業は終わりましたか?」

「うむ・・・・・・あとは、世界を切り離すのみだ」

「となると、しばらくはお互い顔をあわせることが出来なくなっちまうな」

「ま~、仕方ないな~。次に会えるのは何百年後かな~?」

「・・・・・・おぬし、守護精霊として何か忘れておらぬか?」

「ん~、何か変なこと言った~?」

「我らは各世界の管理を行うのじゃぞ。
そんな呑気にしている暇などなかろ

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