【コラム】ホームページの金額と妥当性の考えかた┃石井 邦利先生(経営サポート相談員)
台東区の中小企業のサポーターである相談員の先生たち。そんな先生の人柄や専門分野を、もっとわかりやすく伝えるため、コラムの掲載をリスタートします。
(前回は、商工相談員の野口先生に記事を寄せていただきました)
今回は、経営サポート相談員(偶数週の木曜日担当)の石井邦利先生のコラムです!
石井先生は特に「デジタルマーケティング」、いわゆるHP制作やネット広告の使い方などに精通しており、これまでも数多くのご相談を受けています。そんな石井先生に「ホームページの金額と妥当性の考えかた」に関する記事を寄せていただきました。
「これからHPの作成を考えているけど、費用感が分からない…」
そうお悩みのかた、ぜひご覧ください!
※この記事は、2022年8月に台東区産業振興事業団が配信したメールマガジンの内容を一部修正した記事です。
【コラム】「ホームページの金額と妥当性の考えかたについて」
木曜日の経営サポート相談を担当している、中小企業診断士の石井です。
ここ数年、ホームページやインターネットを利用した売上アップについて相談を受けることが、増えたと感じております。その中でよく聞かれる質問はホームページ製作費用についてです。
そこで、ホームページ製作費用の考え方についてお送りいたします。
現在は、無料でつくれるサービスも多数ありますし、WordPressを使えば、簡単にホームページを作成できると、謳っている書籍やホームページが多数見つかることでしょう。
一方で、製作会社に依頼すると15万円、30万円はては、100万円以上など非常に幅が広くなっており、どうするのが良いか選べないのではないでしょうか。
費用について考えるために、ホームページを設備投資として捉えると少し考えやすくなります。つまり、達成したい目的の難易度と、その効果を目安にする方法です。
①1顧客との1回の取引が数百円から数千円の事業で、商圏が比較的狭い場合
街の飲食店、弁当販売店、居酒屋、ネイルサロンや美容院など1顧客との1回の取引が数百円から数千円の事業で、商圏が比較的狭いのであれば、無料のツールを徹底的に使い倒し、余裕があれば月数百円から数千円程度でサイトを製作できるサービスを利用するのがよいでしょう。
その場合は、ポータルサイト、googleビジネスプロフィール、Instagram、X(旧Twitter)、無料HP作成ツールを活用し尽くすことが大切です。その後、売上が伸びましたら、よりリッチなホームページを作成することで、競合に差をつけていきましょう。もちろん、従業員への還元、他の設備投資とのバランスと、時期を考えることも大切です。
②ホームページ経由での新規取引を月数件以上、1取引当たり数十万円の事業や、月々数万円で複数年契約が期待できる場合
一方で、ホームページ経由での新規取引を月数件以上、1取引当たり数十万円といった比較的単価の高い事業、月々数万円で複数年契約が期待できる事業であれば、ホームページに50万円以上投資しても回収の可能性が高いといえます。
単価の高いビジネスで、競合も多い場合は、コンテンツの内容やボリューム、伝え方についての重要性がますため、WordPressなどを使って社内でコンテンツ更新を進め、サイトのデザインも独自に制作し企業の特徴をうまく伝えることが大切です。
③価格が1万円から10万円程度の範囲で、リピート購入があまり見込めない、商品・サービスの場合
判断が難しいのは、価格が1万円から10万円程度の範囲で、リピート購入があまり見込めない、商品、サービスです。この様な価格帯では、無料のホームページでは他社との比較で負けてしまう可能性が高まってきます。一方で、投資をしても回収するのに時間がかかるかもしれません。
こういった場合、ホームページ制作を検討する前に、リピート購入しやすい仕組みを作る。より単価の高い商品が売れる仕組みを考えることも大切です。
より詳しくお聞きになりたいかたは、ぜひ木曜日にお越しください。
HPの制作費用の考え方について執筆いただきましたが、いかがでしたでしょうか。
HPをこれから制作しようと考えている方は、今回の記事を少しでも参考にしていただければ幸いです。
その上で実際の制作過程でお悩み事が出てきた方、既に制作しているが売り上げが伸び悩んでいてHPを修正したいなどと考えている方は、ぜひ石井先生に相談にお越しいただければと思います。
石井先生には偶数週(第2・4週)の木曜日を担当していただいています!
HPだけでなく、その他の経営相談も幅広く承っておりますので、お気軽に商工相談担当へのご連絡をお待ちしております。