【前編】『火の鳥』と女性の強さ
今年も【fukiya】は山梨桜桃忌に参加します。
▼素敵なCMをぜひご覧ください▼
しかし!
我々、朗読団体fukiyaのメンバー髙瀨と小嶋は参加することができません…。
というわけで、今回は桜桃忌で取り上げる『火の鳥』について私たちふたりで話した様子を前編、後編にわけてお送りします。
*この記事を書いた人*
髙瀨 「桜桃忌は魂だけ参加します。」
小嶋 「太宰治を偲んで、良い書を仕上げます。」
小嶋
『火の鳥』難しかったんだよな〜。何回か読まないとわからなかった。
髙瀨
そうだね。とりあえず感想から話していく?
さちよが野薔薇で、数枝があざみ
小嶋
1番の印象としては、1人の女に振り回される男どもっていう…漫画とかアニメでもよくみる光景な感じがした。関係性は難しくないんだよね。さちよっていうすごい魅力のある女がいて、周りにいる男たちのそれぞれの想いみたいな。話は難しくないのになにがそんなに難しくさせてるんだろうって。
髙瀨
たしかに。
私は、本編より序編が好きだったんだよね。好きなセリフがあったのも序編だし、やりとりのテンポの良さも好きだったかも。
小嶋
本編はセリフ長かったもんね。捲し立ててる感はあったけどね。
序編は展開もあるしね。動くじゃん色々。場所も動くし、感情も動くしで。それもあるんじゃない?
髙瀨
うんうん、そうね。
あとは、さちよが野薔薇で、数枝があざみっていうの。いいよね。
小嶋
花に例えるのがおしゃれだよね。
髙瀨
どっちも棘があるけど、あざみはそんなに可愛くないっていう…紫色で、棘が生えた、たんぽぽみたいな…。
小嶋
なんか下にある緑のもりっとしたやつも可愛くないよね。
髙瀨
それっぽいんだろうな数枝、って思ったよね。
小嶋
なるほどね。
ほんとうの女らしさって?
髙瀨
「ほんとうの女らしさというものは、あたし、かえって、男をかばう強さに在ると思うの」。
これ好きだなー。なんか、かっこいい!普通に考えて、かばわれる、守られるのが女らしいみたいなのあるじゃん?そうじゃないのがいいよね。
小嶋
守ってもらうっていうのが日本の根底にある考え方だったろうから、それは覆ってるよね。でもこんなふうには思えないかなあ。男が弱いからっていうので、そんな守り方はさちよにしかできないから。普通の人はそんな考えにもならないよね。
髙瀨
うんうん。私も思う。それにこのセリフを男に向けて言ってるのがすごいよね。
小嶋
確かに(笑)。考え方としてはイエス・キリストみたいだよね。隣人を愛するみたいな。
髙瀨
そうだねぇ。
小嶋
女の一番深いよろこびの話してるところもそんな感じだよね。
私どこが好きかなぁ。「女が肉体だけのものなんて、だれが一体、そんなばかなことを男に教えたのかしら」ってとこ。これ好きだなぁ。
この前言いたかったんだけど、結婚したい人と付き合いたい人って違うよねって思ったんだよね。これ読んで。違くない?
髙瀨
そうね、わかるよ。
小嶋
そういうのがここにこもってる気がするのよ。言い方ひどくなるかもしれないけど数枝ちゃんも男と遊んで、満たされることもあるけど満たされない部分もあるじゃん。そういう話。ここ女子会トークみたいだなって思った。
髙瀨
うんうん(笑)。
女性像…でもあるよね。そういうの。
小嶋
イコールじゃ繋がらないっていうね。だから数枝は歴史的を好きになっちゃうんだよ。
髙瀨
なるほどなぁ。でも、あれね、女性像ってなんだろうね。女性らしさって。
うーん…。
小嶋
うーん…。
髙瀨
むずかしいね、話まとまらない(笑)
小嶋
ほんとうにね(笑)
あそこも好きだな「いいえ。愛人です。いのちの糧です。」って紹介してるところ。
髙瀨
あそこは強かったなぁ。
次回 女らしさと物語の続き
「芯が強い女」
「もしも話が続くなら?」
「女の一ばん深いよろこび」
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