1938年製レンズで美術館巡り
こんにちは、フォトグラファーの吉田タイスケです。
1938年製のエルマー35mm f3.5。今いちばん気に入っているレンズです。
レンズキャップ?と見まがう、わずか112gのこのレンズについて詳しく知りたい方は、こちらのリンクもどうぞ。
さて、自分が所有しているものはシリアルナンバーから1938年製とわかっています。今年で86歳になるこのエルマー35mmとM10-Dで、フランスはノルマンディー地方の大都市、ルーアンにあるルーアン美術館を訪ねてきました。
86年前のレンズで名画はどう写るのか、街並みも含めてどうぞご覧くださいっ。
全ての写真はエルマー35mmで撮影しました(rawで撮影し、lightroom現像しています)。一部の絵画写真のみトリミングしています。撮ってみて驚いたのは歪曲収差がほとんどない、つまり額を撮影しても直線が歪まないこと。すごいですね。発色も相変わらず(?)穏やかで、主張しすぎないところがイイ。これで仕事もできそうです。
このレンズはピントを合わせたところ以外は次第に像が崩れていくというか、周辺まできっちり解像していないところが逆に長所なんですが、それはレンジファインダー(ライカ)で撮影する際の「ピント以外(画角や構図)は曖昧でいいよね」という撮影哲学(と言ったらおおげさですが)にもシンクロしている気がして、それも含めてレンジファインダーにぴったりのレンズのように思えます。