書けなかった劇作家は、突然note毎日投稿をやめました。
こんにちは。劇作家の尾崎です。
タイトルの通りですが、noteの毎日投稿をやめました!
noteに今日も投稿されている方々への応援として、あるいは僕の記事を定期的に読んでくださっている方に向けて、その理由をご説明します。
ネガティブな理由ではないので、よかったら読んでみてくださいね。
やめた理由
「飽きたから」「疲れたから」とかではありません。
強いて理由を挙げるとすれば、「こなすことが目的になってきていたから」です。
当初の話は、上記の記事にもありますが……
毎日投稿を始めたばかりの頃、僕は「文章を書くのが怖い劇作家」でした。
その緊張感をほぐすために、毎日"なにか"を書き続けました。
「むりやりにでも一日一回書いて、出す」
書くことに臆病だった僕にとって、このルールは効果てきめんでした。
日々ネタを探して生活することとなり、物語、エッセイ、イベントレポートなど、様々なものを書きました。
その文章が、読んでくださる見知らぬ誰かに届いたり。
同じ世界のちょっと遠くにいるクリエイターさんが見つけてくださったり。
そんなふうに、うれしかった出来事は少なくありません。
しかし、書くことが習慣化されていけばいくほど、「誰にも届かない文章」というものにも敏感になります。
「アクセス0件」なんて日はないにせよ、「届かないことが予測できてしまう文章」を書くことには大きな抵抗がありました。
書いている最中に「これはちょっと手応えがなさそうだな……」とか思ってしまうのです。
つまり、書いていて面白くない。
しかし、一日一回は書かなくてはいけない。
そういうマイルールですから。
トレーニングのつもりでやっていたが
もちろん、バットを振らなければヒットは打てないので、毎日振り続けていればよかったのかもしれません。
しかし、自分で納得の行く記事を書くには、日々それなりの作業が必要でした。
ネタ作りにこれだけ時間使って、書くのにこれだけ時間が必要で……
そんな計算をして過ごす毎日。
本末転倒でしんどいこともありました。
それでも、自分の言葉で、納得の行く記事が書けると楽しかったです。
問題は、そういう生活ができなかった日。
差し迫る24時のタイムリミット。
期限にあわせて、お茶を濁すように、わざと薄めた記事を書いてしまう。
自分の実感の伴わない言葉、誰かの言葉を借りるような記事を書いている。
明らかにラクをしながら、素振りをしてしまっている。
そして、そんな記事はだいたい読まれないのです。予想通り。
そんな薄い記事でも、一日一回、届ける形にするために時間を使うのです。
他のものに使えるはずの"なにか"を、少しずつ犠牲にしながら。
誰も望んでいない記事を、マイルールという謎の縛りに合わせて。
クリエイターを自称するなら、しっかりとした「作品」に使うべきなのに。
さて、これは果たして、本当に意味があるのか……?
突然訪れた終わり
そんなことを思いながらも続けていると、「とりあえず出して、明日こっそり修正しよう」みたいな邪な考えも湧いてきます。
納得のいかなかった記事を、あとで下書き(非公開)に戻していました。
そして、昨日。
書いて、投稿。
えっ……
「おめでとうございます!2日連続投稿!」
画面にデカデカと現れる「2」の文字。
一瞬、目を疑いましたが、すぐに事情を理解しました。
前日の記事を非公開に戻したまま、次の記事を書いたから。
だから、連続投稿記録が途切れたのだと。
一瞬落ち込みましたが、いい機会だと思いました。
「なんとなく100日までは続けようかな。かっこいいし。」
ここ数日はそんなふうに思ってましたが、そんな体裁は不要でした。
当初の課題「書くことが怖い」は解決できた。
新しい課題も見えてきた。
でも、こなすだけ、続けることだけが目標になりつつある。
それなら、今すぐにでも「まずはやめてみるべき」なのでした。
現状維持したまま、より質を高めるにはどうしたら……
そんな遠回りをしている場合じゃないのです。
習慣や体裁を壊してでも、すぐに本質的に見直すべきなのでした。
予期せず訪れた終わりですが、いいきっかけになりました。
70日間で得たもの、得られなかったもの
ということで、ここまで70日以上書き続けた結果、得られたものについて。
■得られたもの
・書くことや情報発信は怖くないという自信、割り切り
・こういう文章は、これくらいの時間や労力で書けるという実感
・こういう文章が、自分の書くべきものなのだろうという予感
・自分自身が持つ、興味関心の連続性・関連性
・手応えもなく、読まれないという、最悪な文章の書き方
・noteやTwitterを見て、応援してくださる方
逆に、ここまでで得られなかったもの、課題はこちら。
■70日間で、得られなかったもの
・本分であるはずの「物語」をnote上で書き続ける方法
・自分の活動の延長線上に、より自然にnoteを置く方法
・自分らしくも、相手に届けるために最適な文体
・こうすればウケる!読まれる!といった、自分の中での成功法則
・より質の高いものを、短時間で書くための方法
・コンテストの称号など、わかりやすい実績
あくまで僕の感想ですので、ご参考まで。
これからのnoteの使い方
これからも、noteで記事を書くことは続けます。
劇作家・クリエイターとして、日々のトレーニングのつもりもあります。
しかしそれ以上に、noteというプラットフォームのおかげで様々な発見があったことに感謝しているし、これからも楽しみにしているのです。
この先は、こういう方針で進めたいと思っています。
■これからのnoteの使い方
・noteを生活の中心にしない。本分である作品制作を優先する。
・作品制作に関連させながら、noteを使い続ける。
・「書きたい!」「届けたい!」という欲求にしたがって書く。
→ 誰かのためになりそうな、自分も書きたいことは、分野外でも書く。
→ ウケを狙うだけの記事、納得の行かない文章は書かない。
ということで、ここまで70日間以上、お付き合いありがとうございました。
おかげさまで、これからも書き続けられます。
引き続き、どうぞよろしくお願い致します。
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