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【エンタメ横断ニュース】たべっ子どうぶつアニメ映画化、クランチロール優良会員数1500万人突破(24/8/16)
こんにちは!マンガIPのライツを担当している村田です。
今週のエンタメ横断ニュースを4つ紹介します。
ABCアニメーション、ゲーム開発会社トイジアムを買収
ニュースサマリ
朝日放送グループホールディングスの子会社である株式会社ABCアニメーションが、ゲーム・アプリ開発事業等を手掛ける株式会社トイジアムを買収。
分析、所感
アニメ企画・製作会社による買収は直近ますます増えていますが、アニメ製作幹事会社の1つであるABCアニメーションの新たな買収ニュースでした。
PR Timesに記載しているようにABCアニメーションは直近下記のような買収を実施しています。
2020年10月:アニメ制作事業を手掛ける株式会社SILVER LINK.を買収
2022年9月:アニメキャラクター雑貨事業等を手掛けるゼロジーアクトを買収
2023年12月:CG映像制作事業を手掛けるCGCGスタジオ株式会社を買収
直近はアニメ制作の自社内製化に力を入れつつ、アニメビジネスの二次利用の他権利も自社で窓口会社になってより収益を上げるため、商品化(=ゼロジーアクト)、ゲーム化(今回のトイジアム)に繋がる企業を買収したと見られます。
また、トイジアムですがアカツキ100%子会社のHykeComicのWebtoonアプリを開発受託しており、アプリ開発もできる企業です。今後、ABCアニメーションがWebtoonビジネスを展開する可能性があるかもしれません。
『たべっ子どうぶつ』初アニメ映画化で来年5月公開
ニュースサマリ
ギンビス社の「たべっ子どうぶつ」が映画『たべっ子どうぶつ THE MOVIE』として初映像化となり、2025年5月1日に公開される。監督は竹清仁さん、脚本は池田テツヒロさん、アニメーション制作はセガグループのマーザ・アニメーションプラネットが担当する。
分析、所感
たべっ子どうぶつ、実はお菓子以外での商品化の動きが近年活発で、話題化とIP化を狙っていると考えられます。
2021年から書籍を発売、今年7月には公式ブックを発売しています。
パズルゲームアプリ『たべっ子どうぶつTime』を制作(60万DL突破)して、総合プロデュースに秋元康さんを迎えてオリジナル主題歌を制作、主題歌オーディションなどもやっています。
オーディションの結果、9名の小学生からなるキッズ音楽ユニット「たべっ子キッズ」を結成、9月24日にデビューシングル「ツブウド・コッベタ」をリリースします。
というように本当に色々やってて、お菓子メーカーでこんなに縦横無尽に動いている会社はないと思いますw
そんな「たべっ子どうぶつ」のアニメ映画化のプロデューサーがTBSの須藤孝太郎さんなのですが、前職のキングレコードで『ポプテピピック』を映像化された方です。インタビューでは下記のようにお話されていて、固定概念にとらわれず面白いものはアニメ化されたい方なんだと思います。
自分はそこまで漫画やゲームに詳しくないし、アニメもそんなに見てこなかったので、ジャンルレスでおもしろいものを探すようにしています。あまり最初からビジネス的な考え方はしていなくて、「この作品をアニメにするなら、どれくらいやりようがあるか」という視点で、良い原作を見つけたら問い合わせ先に電話して話を進めていくことが多いです。
お菓子メーカーとしてはあまり見ない動き方をしている「たべっ子どうぶつ」、『ポプテピピック』をあえて30分アニメにして成立させた須藤Pが贈るアニメ映画が来年のゴールデンウイークどうなるのか今から楽しみです。
SMエンターテイメント、トロットアイドルグループをプロデュース。日本でもデビュー過程を放送。
ニュースサマリ
SMエンターテインメントが、トロット(韓国の演歌)アイドルをプロデュースする。テレビ朝鮮のトロットオーディション番組『明日はミスター・トロット』出身歌手、外国人K-POP練習生、俳優など5人で構成。テレビ朝鮮を通じて日本でも放送される。
分析、所感
NewJeansのプロデューサーのミン・ヒジンさんはHYBEに招かれる前は元SMエンターテインメントのアートディレクト総括だったわけですが、SMエンターテインメントはグループの世界観や楽曲のコンセプトが唯一無二で、SMエンタの世界観が好きというファンもいるような事務所です。そんなSMエンタが「トロット(韓国の演歌)×K-POP」のコンセプトのグループをプロデュースすることは、SMエンタらしいし、楽しみなことなんですよね。
ここまではオタク視点でしたが、SMエンタはBoA、東方神起、少女時代を日本でもプロデュースして大成功を収めたローカライズ戦略が得意な会社で、トロットという韓国文化が各国に新たに根付くのかも注目したいです。
RealSoundの記事がK-POPのローカライズ戦略の歴史についてとてもよくまとめているので是非読んで頂きたいのですが、SMエンタの創設者であるイ・スマンさんは「K-POP」の海外輸出を目指して「Culture Technology理論(CT理論)」という現地化戦略を宣言しており、トロットが各国の音楽とどう結びついていくのか気になるポイントです。
第一段階:韓国の事務所が直接作って輸出する
第二段階:海外の現地企業との協力を通じて市場拡大を図る
第三段階:現地企業と合弁会社を立ち上げ、韓国のCT(文化技術)を伝授する
また、日本人メンバーで構成されながら「トロット」をテーマにしたット『sis』が、ヒャダインさんプロデュースで秋にデビューします。実は既に日本国内から「トロット」を取り入れた動きはあるんですよね。「トロット」というワードが今後数多く出てきそうな予感を感じされられるニュースでした。
クランチロール、会員数1500万人突破。リブランディング実施
ニュースサマリ
ソニーの2024年度第1四半期でクランチロールの有料会員数が1,500万人を突破したことが分かった。また、日本のクリエイティブ・スタジオ Whatever Co.が独自のデザインフォント及び、日本の漫画家を起用したビジュアルの企画・制作を担当した。
分析、所感
オタク総研さんの記事にも記載ありますが、ソニーが買収した21年は会員数が500万人、23年3月末時点で1,070万人、そこから1年で約500万人増やして有料会員数が1,500万人って増加数が半端ないです。
![](https://assets.st-note.com/img/1723782360207-61WrFGNWE6.png?width=1200)
上図のキャプチャはソニーの決算説明のスピーチ付スライドですが、自社サイトだけでなく、Amazon経由での配信もしていてさらなる会員数が増えそうですし、自社ECサイトの展開を欧州にも広げる予定とのことでグッズからの売上もますます増えるでしょう。ソニーは本当に良い買い物をしたと思います・・・。
そんなクランチロールはリブランディングを実施したわけですが、デザインフォント「Crunchyroll Glyphs」、オリジナルの漫画を制作したのが Whatever Co.でした。海外の記事を読んでみるとリブランディングを主導したのはマーケティング担当シニアバイスプレジデントのMarkus Gerdemannさん、クリエイティブサービス担当バイスプレジデントのNorman Rabinovichさんとのことで、日本から生まれたアニメを称えたデザインにすることは非常に重要だったと述べています。
クランチロール、ソニーの先見の明すげえ・・・ってただただ圧倒されるニュースでした。
今週のニュースは以上です。分析、所感は間違っている理解や知識があるかもしれませんので、もし気づいたらご指摘ください・・・。それでは、また来週お会いしましょう!
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![村田泰祐](https://assets.st-note.com/production/uploads/images/2701685/profile_7ceeb59f9e47a092de7a45c1f7f0b054.jpeg?width=600&crop=1:1,smart)