撃勢 心書
守屋洋訳 諸葛孔明の兵法 {徳間書店} より
{撃勢}
むかしから、戦上手はかならずまず敵の情況を調べあげてから、戦うべきか、戦わざるべきかを判断した。
敵がつぎの情況にあるときには、断固、戦うべきである。
長期の遠征に疲れ、食糧も欠乏している。
敵国の人民が遠征の負担に苦しんでいる。
軍令の徹底を欠いている。
武器、攻城用具が欠乏している。
一貫した作戦計画を持たない。
救援がなく孤立している。
幹部将校が兵をいたわらない。
賞罰がでたらめである。
軍全体が統制を欠いている。
戦いに勝って、おごりたかぶっている。
敵がつぎの情況にあるときは、戦いを挑んではならない。
賢明にして有能な人材を登用している。
食糧が余裕十分である。
武器、装備にすぐれている。
諸国と友好関係を保っている。
大国が後押ししている。