ちゃんとしたキャリアコンサルタントなんて、本当にいるんでしょうか?
「キャリアの相談をしたいけど、誰にしたらいいの?」
お腹が痛いなら内科、咳が止まらないなら呼吸器科と、医療なら比較的わかりやすいのですが、キャリアの悩みはどこに持ち込めばいいでしょうか。
これが本当に難しい。
今日は、そんなお悩みをマシュマロでいただきました。
キャリア相談を生業にしている私にとっても、見逃せない重要なご相談です。
「長文を読んでる時間はない!」場合は、こちらの「3行まとめ」をご覧ください。
キャリア相談:ちゃんとしたキャリアコンサルタントなんているんでしょうか?
いただいているキャリア相談はこちらです。
このご相談、実に鋭い視点を含んでいます。
お返事1:”ちゃんとしたキャリアコンサルタント”に会えない理由
このご相談の中には、4つの重要な問いがあります。
これらの問題が絡み合って、「ちゃんとしたひとなんていないのではないか」という懐疑的な思いにつながっているのではないでしょうか。
分解します。
1. 検索の課題:専門性が多岐にわたりすぎて、適切な専門家を見つけるのが難しい
2. 効果の課題:現実的で実行可能なアドバイスや情報提供が少ない
3. 再現性の課題:個人の経験談に頼りすぎている
4. 懐疑性の課題:「きちんとした」キャリアコンサルタントの存在自体への疑問
こんなに問題があるのか・・・という感じですが、ご安心ください。
「きちんとしたキャリアコンサルタント」は確かに存在します。
相談者さまが求めるような、現実的で実行可能なアドバイスや情報提供ができ、自身の経験だけでなく、他者の問題解決を支援した経験を持つキャリアコンサルタントは間違いなくいます。
私自身、そういったコンサルタントに助けられた経験があります。
恩送りのつもりで、キャリア相談を実施しています。
では、なぜ「ちゃんとしたキャリアコンサルタント」がいるのに、出会えないのでしょうか?
ここが大きな問題です。
それぞれの課題を解説します。
お返事2:キャリア相談のミスマッチ、その根本原因
1. 検索の課題
就職や転職サイトのような、豊富なデータベースと優秀なマッチング機能を持った
「キャリアコンサルタントマッチングサービス」が存在しません。
自力でネットやSNSを検索したり、知人からの紹介に頼ったりと、いわば自己責任での探索が求められています。
これが「いても出会えない」状況を生み出している大きな要因です。
皆さんは、どのようにしてキャリアコンサルタントを探していますか?
2. 効果の課題と再現性の課題
ご指摘の通り、キャリアコンサルタントの中には、具体的な戦略を立てられなかったり、
一般論しか提供できなかったりする方もいます。
例えば、「38歳2社経験で主に物流業界でキャリアを積んできたが、今後は物流×ITの企業に転職したい」という具体的な悩みに対して、明確な戦略を示せないことがあります。
また、「何度もヘルプを出しているのに上司はまったく真剣に取り合わず、このままでは潰れてしまう」という切実な問題に対して、「まずあなたができることは何でしょうか?」と、安全圏から見下ろすようなヒアリングをしてしまうケースもあります。
「キャリアコンサルタントと話したが、”うんうん辛かったですね”と共感はしてくれたけど何も解決策は出してくれなかった」という不満の声を聞いたこともあります。
これらの問題は、キャリア相談に乗る側の課題が大きいと考えています。
多くの場合、自分の専門分野や得意領域を明確に示していないのです。
「キャリアのプロです」と言われても、それだけでは何を相談すればいいのかわかりません。
例えば、得意な領域が転職なのか、上司との関係なのか、副業なのか、独立なのか、部下のマネジメントなのか。また、共感中心のアプローチなのか、提案中心なのか。こういった情報を明確に伝えるだけでも、相談者の選択基準になるはずです。
キャリアコンサルタントのHPなどを見つけたとして、相談する前にほしい情報は載っているでしょうか?
お返事3:自分に合った相談相手を見つけるコツ
残念ながら、現状では相談者側にもある程度のリテラシーが求められてしまっています。
「自分が行きたい未来」を少しでも明確にし、「求めているのは解決策なのか、共感なのか、それとも別のものなのか」をはっきりさせることで、適切なキャリア相談者と出会える可能性が高まります。
キャリアは、資格名や肩書きだけでは説得力を持ちにくい領域です。相談相手を探す際は、「自分が行きたい未来に近いひと」かつ「最新の情報を持っていそうなひと」を選ぶことをおすすめします。(本当はここから一緒にやってほしいろこですが、かなり高度な技術なのでできるひとは限られます・・・!)
それはキャリアコンサルタントに限りません。
転職エージェントかもしれませんし、起業家やベンチャーキャピタリストかもしれません。
時には友人や両親が最適な相談相手になることもあるでしょう。
「キャリアのプロはいない」。
それくらい厳しくキャリア相談を実施している人間を見てください。
メッセージ
「どういうひとが相談者としてふさわしいですか?」というキャリア相談もいただいています。
もし佐野でよければ、お話を聞かせてください。
佐野のページにわかりにくい点があれば、ぜひご指摘ください。
※佐野のページ:https://shinro-soudan.com/detail/1ZOZ0kzuyPN121
AIで適切な相談者を明確にするところまでは、いけるんじゃないかと模索しています。
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