正月限定麺の考え方

今年1/3.4にそれぞれ限定麺での、営業をしました。
3日は「牛コンソメかけそば」


4日は「鶏と水」
   長崎対馬地どり・甲州地どり」


どちらもスープが素晴らしい一杯だったので、このスープを、いかに美味しく食べれる麺を打つ、というのが今回の課題でした。

くろ喜では初の、正月の2日連続の限定営業なので、2日間ご来店されるお客様も想定して考えなければいけない営業でした。

普段のモチモチプルプルな丸刃切りの、手揉み麺の配合を基本に考え、少しだけモチモチを抑えた粉配合にし、ぷりぷりな要素の丸刃ではなく、角刃での切り出しにしようと。

今回の2杯はスープがメインのラーメンなので、スープを絡み持ち上げる、細麺にする事はすぐ決めましたが、同じ麺ではないだろうと…

両方ともスープが美味しいので、スープをを絡めながら飲む麺!みたいな細麺は確実に合うのですが…

牛コンソメかけそばは、具材がのらない一杯なので、いかに食べ終えた時の満足感を出すか。

一杯をただ、スープ、カエシ、脂、具材…と考えて作るのではなく、お客様にこう感じてもらいたい、こう思ってもらいたい、お客様が食べ終えた時にどう思って、感じてもらいたいのかと、考えて作る一杯(らーめん)は、本当に深くて、作り手として楽しい料理です!

満足感は、麺の咀嚼による、脳への満腹感を出すために、角刃の12番の平打ち麺にしました。
細麺だと喉越しがいい麺なので、咀嚼が少なく、そのまま飲み込んでしまうので、少しでも咀嚼して欲しく、細い平打ち麺にしました。

平打ち麺は字の如く、少し平たいので、口の中でその面積が舌に乗るので、味に丸みを感じやすくなります。
そのために、具材はなくても刺激(キレ)が欲しいので、粗挽きの引き立ての黒胡椒を少し麺の上に挽きました。


鶏と水の方は具材ものるので、スープを持ち上げる喉越しのいい、角刃の18番で打ちました。

くろ喜の醤油感の強いカエシに、香りが素晴らしい菊醤をブレンドしたカエシを使用したこの一杯。

甲州地どりの濃密な出汁との組み合わせで、このスープをともに持ち上げ、味わっていただくために、小麦の甘味を感じる粉のブレンド、滑らかな喉越しの多加水の細麺。

甲州地どりスープの旨み醤油の香り、小麦の甘味、長崎対馬地どりの香ばしさと旨み、鶏脂と醤油スープを纏わせた椎茸、な感じの一杯でした。

今回の2杯の麺の配合は同じですが、切刃を変えるだけで、これだけ一杯の完成が違うものになるのも、製麺の面白さです。

ラーメン作りは、スープ、カエシ、具材、麺とありますが、黒木は製麺が1番楽しく、好きな仕事です。

麺を打つ時に考えることは沢山あり、その時間が1番好きな時間です。

これからも製麺については色々投稿してしようと思います。





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