想い part2 〜霞ヶ関からLayerXへ〜

 遅ればせながらあけましておめでとうございます。というか、初めての投稿なので「初めまして」の方が正確ですね。簡単に自己紹介しますと、西井大翔と申します。大学を卒業してから総務省で約6年働いた後、LayerXに転職しました。
 新年が明けただけじゃなくて、ジョブチェンジを経たこともあり、「自分への挑戦状」として転職の経緯をまとめておこうと思い、初めて筆を執りました。

これまで

 自分自身ずっと「個人のエンパワーメント」に関心があり、誰もが活躍できるフィールドとして「地方」というを場を活かしていくことができるのではないか、と思い「地方」を軸に活動をしてきました
 その中で総務省をファーストキャリアとして選択した経緯は、ざっくりいうと、
①地方には各々その地方を愛し、その地方のために取組む人がいることに気づく
②自分で始めるのも考えたが、すでに愛情を持って取り組む方をサポートしたいと思うようになる
③その方々を支える主体として地方公共団体の存在は大きいと知る
④さらに、国と地方のインターフェースとなり、行財政制度の設計を通して地方公共団体を支える総務省という組織があると知る
という流れです(あまり声を大きくはできませんが、新卒でしか入れないという点も霞ヶ関を目指した理由の一つです)。
 簡単に言ってしまえば、自分は「熱意」や「想い」のような「情」の部分に惹かれやすい人間であり、「想い」を大切にしていることは過去の採用パンフレットでも語っているのでご笑覧いただければと思います(またこのパンフレットのタイトルが本noteのタイトルの由来です笑)。

なぜLayerXに

 ここからがこのnoteの本題になります。

 大前提として、僕が転職した理由は、ビジネスニュースサイト等々で取り上げられているような、「霞ヶ関より民間企業」というような0か100かの話でありません。ファクトよりも物語に惹かれたり、物事を白か黒かで捉え、グレーの度合いや、モザイクの混ざり度合いを捨象しがちでは、世の中の情報を正しく捉えることは難しいように思います。なにが言いたいかというと、霞ヶ関も民間企業も、時期、フェーズ、目的等に応じて役割は当然変わりうるものであり、個人として働く場を選ぶにあたって、同じ目的に向かって動いていく中で、どの役割を担いたいか、に尽きると思っています。
 例えば、イノベーションを「これまでにない新しいものが、社会に広く普及されること」だと仮定義した場合、イノベーションの種となるアイディアを実行し、社会にインパクトを出すのは、確かにベンチャー企業を始めとする民間企業であるケースが多いです。一方で、イノベーションとは、社会に広く普及させて初めて実現するものと思っているので、制度化して、法を始めとするルールに組み込む必要があります。この部分については、今の日本の制度においては、膨大な過去からの法体系に関わる知見の積み上げ等に鑑みても、霞ヶ関の果たす役割が大きいと考えています。もちろん、どのようなルールを作ったら良いか議論する、というフェーズでは官民双方から様々な意見が交わされた方が良いとは思いますが。
 このように、決して0か100かではないので、報道のされ方を見ていて、思うところがあったというのも、このようにnoteを書こうと思ったきっかけです。
 また、「ブロックチェーンに可能性を感じているから」という理由もいわずもがなです。具体的にどのような魅力があるかについては、弊社CEOを始め多くの方が詳解してくださっているのでそちらをご覧いただけると幸いです。

 さて、前置きが長くなりましたが、こんなことを考えている自分がなぜ転職したのか。一番の理由は、テクノロジー駆動で世の中の意識変化がある時、社会の在り様は変わり、合わせて法規制もルールも変わる必要に迫られるはずで、その変化を生む事業の立ち上がりにコミットしたいと思ったからです。
 まさにこのタイミングを逃したら、一生後悔すると思い、今年の夏からいく予定であった米国大学院留学を辞退することにしました(ご迷惑をかけた関係各位本当に申し訳ありません)。
 また、既に起きている波に上手く乗るように「デザインされた社会」で過ごすより、自分達で波をおこすきっかけをデザインしたいと霞ヶ関にいた頃から思っている自分にとって、ブロックチェーンの領域はルールメイキングにまで関わる余地があるという点においてもとても魅力的に見えました。その際、テクノロジーとそれを支える法規制を含む社会構造を理解した上で、物事を進めないと、あらゆるものが複雑に絡みある社会において調和のとれた改革は難しいような気がしています。この点、社会を良くしていきたいと思っている以上、産業・事業の成長だけでなく、公共側の論理なども引き続き考えていくつもりです。
 加えて、「利」だけでなく「義」を追求したいとも考えています。「利」とは利益ですが、「義」というのは大義のこと。いかに社会に還元できるか、ということももちろん考えていきます。
 個人的な妄想も少しお話しします。「官僚は内にこもり、情報交換の場に出てこない」と言われることがあります。この要因は、一言でいうと時間的余裕がないからだと思います。特に、組織内で優秀と言われ、周囲からの信頼が厚い人ほど激務である傾向にあります(当人がスーパーハードワーカーであるケースも往往にしてありますが)。なので、官僚に対して世の中から浴びせられる批判は適当でないものが多い気がしています。ただ、あくまで私の観測範囲内の情報であるという点と、本気で社会変えたいなら行動するだろ、という意見があるのもわかるという点だけ念の為補足しておきます。
 これはアカデミアの領域でもよく言われる話と同じで、「大学の中だけで研究をし続けていると、“本当はなにが求められているのか?” という、世間からの視線を把握しづらくなる」、「実は、“アカデミックな知見を発信して欲しい” というニーズがあるが、当の専門家に届かない」「研究者として優秀な人ほど忙しいので、アウトリーチ活動に時間を割くことが難しい」などなど。
 この状態の何が問題なのかというと、真の意味で良い政策・法規制等が作れないという点はもちろん、霞ヶ関の真実の意図が社会にうまく伝わらないという点、また、スタートアップをはじめとする民間セクターと政治や公務員などの公的セクターは実は同じ目的に向かって動いているのに連携できておらず、構造的損失があるという点。
 「働き方改革」が叫ばれて久しいですが、なかなか進展していません。なので、個人的には上記をはじめとする問題の解決の一助となるべく、政府や自治体のデジタル化・効率化には積極的に関わっていきたいと考えています。
 官民交流・連携にあたって、コミュニティやなにかしらの仕掛けを作ってみんなで議論する場を設けるのももちろん必要だとは思いますが、個人的には、その場にライトパーソンにいてもらう必要があるような気がしています。なので、自分は、まず第一歩として、テクノロジーを活用し、今の制約条件からの解放をした方が良いのではと思っていますし、そこに貢献したいです(もちろん、問題はこれだけではないことはわかっているつもりです)。

最後に

 転職をして、2ヶ月弱経ちました。仕事はもちろん楽しいですが、これまで地方財政という全く違う分野にいた自分には「いい感じ」に負荷がかかっています。転職する前、転職の報告に行った際に、「え?お前エンジニアリングの知識あるの?」とか「役人出て今からはきついんじゃない?」と言われてきました。しかし、個人的には、自分を範にせよ、とは言いませんが、今後、公的領域と新興領域(今回だとブロックチェーン領域)の間の、人材の流動性が高まるべきだと思っており、そこにトライする人間が増えて欲しいと思っています。そのため、自分が今回の転職で数年後全く力を発揮できなかった、みたいなダサい結果だけは残さぬよう全身全霊かけてやっていくつもりです。
 また、今では霞ヶ関への出戻りは難しいですが、将来的には、社会の変化、技術の進化に対応するため、専門知識を持った人材が集う必要性は間違いなく高まる(今でも高い)ため、リボルビングドアのような人事システムも採用されると信じています(すでに部分的にはあります)。
 しかるべき時が来た時に「なんとかできるよう」がんばります。

人材募集しています!

 LayerXは優秀で野性的なマインドを持つ方を死ぬほど求めています。僕のnoteを読んでちょっとでも興味を持った方是非是非エントリーを!

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 ブロックチェーンを全く触ったことないという方もいらっしゃると思いますが、まだまだ勃興まもない技術であり、これから勉強するというのでも僕は良いと思います(事実僕がそのような形です)。それに、様々な事象の発展がめまぐるしい昨今において、専門性ももちろん大事ですが、アンラーニング/ラーニングの回転速度も重要な気がしています。 

 少しでもLayerXに興味ある方は上記リンクからでもLayerXの中の人に直接でも良いのでご気軽に連絡ください。

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